朝の光

バブみ道日丿宮組

お題:僕の嫌いな光 制限時間:15分

朝の光

「なぁ……カーテンを開けるのは勘弁してくれないか」

「でも、そうしないと君起きないよね?」

 全くそのとおりだった。

「う、目が痛い」

 幼馴染が開けたカーテンから陽の光がさしてきた。

「まったくたまに外で遊ぶとかしたらどう?」

「家でまったりするのがいいんじゃないか。クーラーのかかった部屋で炭酸飲料とか最高にいい」

 えっへんとない胸をはる。

「それに君と違って僕は運動神経もよくないし、学力だって怪しいんだ」

「そこ偉そうにするところじゃないよね?」

 幼馴染は慣れた様子で僕の着替えを始める。

「相変わらず可愛い下着つけてるんだね」

「水玉模様は至高だ。なんせ陽の真反対だ」

「そういってもオレンジとか、赤とかあるよね」

 パジャマを脱がし終わった幼馴染はタンスの中を物色する。そして白い靴下を手に取ると、

「ほら、足伸ばして」

 執事のようなことを始める。

「んっ」

 僕は指示通り動き、ブレザーとスカートも身につける。

「着替えぐらい1人でできるようになってくれれば助かるんだけど」

「僕が虚弱体質だし、朝に弱いし、光にも弱い。あっテレビとパソコンとスマホは別ね」

 はいはいと幼馴染はスクールバックを手にすると僕に手渡す。

「そのわりには次の日に使うものはきちんと用意してあるんだよね」

「夜は自由だからね!」

 朝もその調子だといいのにと、幼馴染は僕の手を掴む。

「ほら、遅刻しちゃうから行くよ」

「いつもそういってるが、学校には30分前につくじゃないか」

「そこで元気を回復させてるからね。それにだるそうにしてるあなたを引っ張るのは結構負担なんだよね。私も回復する必要があるわけ」

 そういうことならしかたない。

「今日のエナジードリンクはなんなのだい?」

「野菜たっぷりの野菜エナジーだよ」

 幼馴染がスクールバックからペットボトルを僕に差し出す。

 真っ黒い液体。これが僕の朝ごはんだ。

 幼馴染である彼女は料理が趣味で、こうして朝ごはんを毎日作ってきてくれてる。ドリンク化したご飯はあくどい味がして僕は好きだったりする。

 他の人は吐くほど不味いと感じる。幼馴染が作ったのに酷いものだと思う。まぁ彼女が調理実習で作った料理を誰も食べずに僕だけが食べるというのも多い。どうしてだろうか。

 なんにしても、彼女が作るエナジードリンクはすごく美味しい。

「相変わらず幸せそうに飲むね」

「好意がでやすいといってくれたまえ」

 はいはいと彼女は僕を学校まで連れて行った。


 これが僕の一日のはじまり、はじまり。

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朝の光 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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