雨の日、下校と。

バブみ道日丿宮組

お題:とてつもない小雨 制限時間:15分

雨の日、下校と。

「なんで雨降ってるんですか!?」

「そりゃ雨降るって予報があったからですよ、先輩」

 むーと可愛い唸り声をあげた先輩は一歩も外に出ようとはしなかった。

「もしかして傘忘れたんですか?」

「雨降るなら持ってきてたよ。朝あんなにも青空だったのに! 持ってくる理由なんてないじゃない!」

 えーんと一声。

 持ってくる理由は天気予報であったんだけどなと考えながら、

「僕の傘入っていきます? 家隣ですし」

「それって相合い傘ってこと?」

「不本意ながら、そうなりますね」

 がるるると先輩は犬歯を尖らせてくる。なにこれ可愛い。普段から可愛いけど。

「天下一の可愛さがある私を傘に入れられることを光栄に思いなさい」

 自分でいっちゃしょうがないだろう。

「……えっとその手はなんですか?」

 差し出された右手にはもちろん何も入ってないし、こちらが渡すものはない。

「あなたが傘さしたら身長差で私が濡れちゃうでしょ? だから、私が持つの」

 確かに先輩と僕の身長さは20cmほどある。僕が小さい方。

「別にあなたが小さいからってわけじゃないからね」

 それを口にするということは、少なからず先輩も思ってることがあるのだろう。気にすることはたまにあるけど、先輩なら構わない。だって、お姉ちゃんみたいなようなものだから。

 先輩とは小さい頃から一緒にいる。先輩の成長具合はとても凄い。あっという間に僕の身長を超えて、胸まで大きくさせた。

 ってなわけで、先輩の意見に反対する理由はないので、傘を手渡す。

「行きましょ。小雨が大雨にならないうちに」

「既に雨粒は強い気がしますね」

 一歩先に出た先輩にくっつくように中へと入る。

 ほんのりとミルクのような甘い匂いがした。あと温かい。

「別に腕を組む必要はないですよね?」

 温かい理由はそれだ。胸の柔らかさとか、腕のプニプニ感とか、いろいろな刺激が僕を襲う。

「こうのが濡れないでしょ? それにこそこそするよりは大胆にしたほうが見る方は減るものよ」

「そういうものですかね」

 そうよと先輩は先導するように僕を引っ張ってく。

 ずっとこんな関係が続けばなぁと、先輩の顔を見ながら思うのであった。

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雨の日、下校と。 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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