逢い引き粉挽き
バブみ道日丿宮組
お題:誰かと団欒 制限時間:15分
逢い引き粉挽き
あれって逢い引きかなにかだろうか?
女に手を掴まれた男が路地裏に連れてかれてる。男は嫌そうな顔はしてないし、女は真剣という言葉が離れないぐらいに真顔だった。
逢い引きなら見なかったことにして、そのままにしたほうがいいかもしれない。
もし犯罪なにかなら通報したほうがいいのか? 2人とも私と同じ制服からして、学生なのは間違いない。いわゆるパパ活、ママ活と呼ばれる卑猥なものではないことは確かだろう。有名人とかお金持ちの子がいるという話は聞かないし、逢い引きではないかもしれない。
「……んん」
どうしようかなと迷ってると、ごくりと喉が鳴った。
これはもしかしたら、もしかするかもしれない。
ここ最近街の噂として流れてるものが、走馬灯のように頭の中を巡るに巡る。
--性行為。
そう……それは性行為をいろいろな場所で急におっ始めるというセンシティブとしかいえない大人のイベント。
「どうかした?」
「……なんでもない」
一緒に通学してた友だちは気づいてないようだった。
「さっきの隣のクラスのこたちだよね」
そんなことはなかった!
「知ってるの?」
「うん、最近付き合い始めたって。だからじゃない?」
何が『だからじゃない』のかと言いたかったが、ニヤけてることからして何が行われてるのか同じ想像をしてたということだろう。
「若いっていいよねぇ。どこでもハッスルしちゃうんだからさ」
「……そういう相手いないの?」
頭が左右に振られる。
「いたら、あんたと通学なんてしないって」
「そう……」
評価があまり高くなくて、ちょっと残念だが、
「私と付き合ってるように周りには見られてると思うよ」
「それは自画自賛でしょ」
しょぼん。
「でも、そういう関係になるのもいいかもしれないね」
ドクンとした。
「まぁ異性じゃないのが寂しいところじゃあるね。一方的に相手だけをいかすことはちょっとむずかしいし。そういう意味じゃ男子って楽だよね。ちょっとシコシコするだけで満足しちゃんだもの」
「男性経験あったっけ?」
「ないよ。でも、雑誌でそういうものだって書いてあったよ」
本が正しいってことはないだろう。
「気になるし、やってるかどうかだけ確認してから通学しようか」
「そ、そうだね」
意思の一致を得て、そろりそろりと私たちは路地裏に侵入した。
逢い引き粉挽き バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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