膠着語的な「格」の概念を導入したミコトハ(格ミコトハ)

格ミコトハの文法


 「新文法」

 格ミコトハはほぼ文法がなかったミコトハに、主に名詞に付く「格」という要素を追加した、いわばミコトハの亜種です。格には以下の種類があります。

主格「~wa」:主語であることを示す。「は、が」

対格「~ni」:目的語であることを示す。「を、に」

処格「~naru」:場所を示す。「について、で」

具格「~yori」:動作の元となった道具や手段を示す。「によって、をもって」

奪格「~kara」:動作のもととなった場所を示す。「から」

属格「~no」:所有者や、それがもともと存在する位置を示す。「の」

疑格「~ya」:疑問の意味を示す。「か?」


 これらは原則として名詞の後について、名詞と動詞や形容詞などの意味をより明確にします。つまり助詞の働きをしているのです。格が助詞を補うので、格ミコトハには助詞が存在ません。



 「用例」

 格は例えば以下のように用います。

・私は神に獣をささげた。

=a wa kami o kemono o atau1.(ミコトハ)

=awa kamini kemononi atau1.(格ミコトハ)

・君はここから遠くにある町へ行くのかい?

=anata wa kore-toko yori saka-toko-sumai-mura o yuku ya?

=anatawa kore-toko yori sakanaru-sumai-muraya o yuku?

・この宝石を、彼が私から盗んだんです。

=kore-tama-sasa-iwa o, sonata wa a yori ura-atau.

=kore-ano-tama-sasa-iwani, sonatawa akara ura-atau.

 このように、格という概念を用いれば意味をより正確に記述することができるばかりか、文章がより一層洗練された様相を呈します。単語と格が複合するので識別に時間がかかるかもしれませんが、慣れればさほど苦ではありません。



―――

 「mira-humi-tukasa-miti」

Kaku-mikotohawa, humi-tukasa-mitiwa yae-sasa-Mikotohani, oo-tokini mono-humini ari[Kaku]o mira-musu1 eba, kore mikotohano-sasa-maga-kotoha. Kakuwa itu to huu ari.

省略

kore-korewa oo-toki mono-humino-sueni ari, mono-humi to yura-humi,mi-humino noriwo yae-tukasani suru. eba, mi-nori-tukasa-humino inotiwo suru2. Kakuwa mi-nori-tukasa-humino inotiwo suru eba, Kaku-mikotohani mi-nori-tukasa-humiwa arazu.



 「tukasa-kore-mono」

Kakuwa kore-tukasa, nagi-yorini tukasa.

省略

kore-mane, Kakuwo tukasa eba, noriwo yae-sasani humi-atau to, nagi-humiwa yae-miyabi-yoriwo arawa. hii-humi to Kakuwa mida eba, Kaku-mikotohanaru mi-nori-tukasa-humiwa arazu.

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人工言語「ミコトハ」教本 凪常サツキ @sa-na-e

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