その3

 こんにちは。山崎香澄やまざきかすみです。

 とうとう、ここまで来てしまいました。『その1』では作品自体に込めた意味を、『その2』では1年生の裏話をお話ししました。ここからは2年生です。作者はまだ話し足りないのか。そう思った皆様、申し訳ありません。もう少しお付き合いください。


 9話では私が自分のセクシュアリティで悩んでいることを打ち明けましたね。普通の女の子だと思っていたからこそ、同性に惹かれていると気付いた時には戸惑いました。これを誰かに相談したら、知らない間に言いふらされるのでは。仲間外れにされるのでは。孤独な恐怖におびえ、それでも友達といる時には笑顔で振る舞う。今振り返ると、この時が1番精神的疲労を抱えていました。後に少しずつオープンにしていくのですが、最初に打ち明けたのが彩芽あやめさんと芹那せりなで良かったなと思います。あの時はありがとうございました。


 10話は遠足に行きました。同じ敷地にいるはずなのに、すみれさんを見かけたのは帰りの1回のみでした。芹那には何回も会えたのに。神様、もしかして私達のことを操っていましたか?

 絶叫系アトラクションの恐怖に思わず声が出てしまう香澄に対し、どんな状況でも無表情な皐月さつき。お互いに「隣が騒がしい」「静かすぎて怖かった」と笑い合ったのを覚えています。どうしたらあんなに平常心でいられるのか……。

 ちなみに、遠足の後に生徒会会長に就任します。毎日が忙しく、菫さんどころではありませんでした。なんとか接点を作ろうと試行錯誤しますが、何も起こせずに3月を迎えてしまいます。


 11話もある中で、私が最も力を入れたのは『卒業式』でした。どう表現したら切なく終われるのか。あの時の心情や言葉はどうだったか。もう一度やり直せるなら、どうしていたか。沢山悩んだ分、自信を持って「誰かに読んでほしい」と言えるお話になりました。泣きたい時、切ない気分になりたい時に読んでいただけると嬉しいです。

 絶対に泣かない。そう決めて卒業式に臨みましたが、4回も涙がこぼれました。1回目は式の退場で。2、3回目はお世話になった先輩と。そして4回目は1人の教室で。涙もろさがここで出てしまいました。しかし、前に進むためには泣くことも大切だと思っています。「あの時の涙は決して無駄ではなかった」と自信を持って言えるようになれたらいいな。


 長いようで短い、私の輝く青春の日々。ここに来ればいつでも思い返せますね。菫さんが恋しくなったら帰って来ようと思います。今頃どうしているのかな、なんて。


 ここまでお読みいただき、ありがとうございます。あとがきだけでここまで長くなるとは。私も全く思っていませんでした。その分、作品に盛り込めばよかったなと今更ながらに思います。最初の作品なので大目に見ましょう。


 最後になりますが、皆様のご健康をお祈りし、初執筆作品『小さな幸せと切なる願い』のあとがきとさせていただきます。それでは、またどこかで。

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小さな幸せと切なる願い 山崎香澄 @y_kasumi

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