君がいなくても笑って迎えるから
三上 蒼太
第1話「.......ありがとう」
昨年の夏私の婚約者ががんのため亡くなりました。
彼の最後はゆっくり私に弱々しい細くなった手を伸ばし笑いかけてくれ眠るように亡くなりました。
そんな弱々しくなった彼を見てもう「頑張って」なんて言えませんでした。彼には届いたかはわかりませんが心の中で「ありがとう」と何度も言うことしか私にはできませんでした。
その後彼の親御さんに挨拶を済ませました。そこでは「すみませんでした」としか言えなくて親御さんは「あなたのせいじゃない」と慰めてくれました。
一番悲しいのは親御さんのはずなのに……
その事を考えると今でも涙が出てきます。
彼が亡くなって1ヶ月の間は心を完全に閉ざしてしまい誰とも会わずただ彼との思い出の写真を見て涙を流すことしかできませんでした。
そしてある日私は彼のジーパンから1枚の手紙を発見しました。
というかジーパンの下に手紙が落ちてました。
その手紙には——
これを見てるってことは俺は死んでしまったんだろうな。
俺が居なくなってどう?
悲しか?寂しい?嬉しい?楽しい?
嬉しいんだったら俺は咲のことを苦しめてたんだよな。
そうだったらごめん。
悲しいんだったら咲にとって俺は大切な存在だったってことだよな。
そうだったらありがとう。
まあ、人間誰しも死んじゃうんだよ。それが俺には少しみんなより早く来たってだけ。
でもなんでだろうなこれを書いている間も死ぬのは怖くて仕方がない。
現にこれを書いている間も涙が出てくるんだよ。
ハハ……。
ま、とりあえず先にあっちいって待ってるわ。
天国はあるのかとか地獄はあるのかは咲自身が体験した方がいいよな。
じゃ、また今度。
——愛してる——
そこでは文は終わっていた。
紙には涙が滲み。
いつの間にか紙を抱きしめていた。
それから一年。
私は今自分の夢であったデザイナーの夢を叶え1歩1歩歩んでいる。
あの時の夏をもう1回。
君がいなくても笑って迎えるから……。
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こんにちは三上蒼太です。
あ、気づいた人いるかはわかりませんがhenceforthが元ネタになってます。
あんまり表せてないけど笑
この曲好きなんですよね~。
初めて聞いた時泣いちゃいましたよ。
まだ聞いてない人1回聞いてみましょう!
あと、自分の小説のデータ消えました。
悲しいです。
これからも細々とやっていくのでよろしくお願いします。
君がいなくても笑って迎えるから 三上 蒼太 @koushien
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