素晴しき新技術

@HasumiChouji

素晴しき新技術

「抗ゾンビ化薬接種の予約システムですが……最終的にほぼ全国民分のデータを管理する必要が有りますので、従来の似たシステムを元に作った場合、処理速度その他に問題が発生する可能性が有ります」

「なるほど。ではどうするんだ?」

「はい、データの管理に従来のリレーショナル・データベースではなく非SQL・分散型・連想式・ニューラルネットワーク・メタヒューリスティック・アントロポゾフィー・アカシックレコード・アビラウンケンソワカ・波動普Hadoopデータベースを使用する事を提案します」

「えっ……と……それは凄いモノなのか?」

「もちろんです、デジタル担当大臣。これを使った大規模システムを実運用する事が出来れば……我が国は一気にIT先進国の座に返り咲けるかと」


「おい、どうなってる? 存在してない国民登録番号でも予約登録が出来るだの、登録完了のメッセージが出たのに実は登録データがシステム上には無いだの、逆に予約を取り消そうとして取消完了のメッセージが出たのに実は登録データが残ってるだの、1回しか予約してないのに5回以上予約してた事になっただの、予約取消なんてやった覚えが無いのに予約が取り消されてただの……クレームの山だぞ」

「は……はぁ……」

「いつ直るんだ?」

「判りません」

「何だと、どう云う事だ?」

「ええ、何分なにぶん、新しい技術を使いまくってますので、対応出来る技術者が……国中探しても三十人居れば御の字と云う状態なので」

「ふざけるな。大体、他の国では、何で、こんな問題が起きてないんだ?」

「あ、それは、他国は抗ゾンビ化薬の大量確保と供給網の確立を最初にやりましたので……他国では予約なしに抗ゾンビ化薬の接種が出来ます。そもそも、他国では、よほどの後進国を除いて大規模な接種予約システムを作る必要が有りませんでした」

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