雪
バブみ道日丿宮組
お題:地獄雪 制限時間:15分
雪
「また、えらく雪が降ったもんだ」
「一階うまちゃってるね。二階の窓から出ないといけない。さすがに道路側は除雪されたみたいだよ」
少女の姿をしたものが指差す窓からは除雪された道路と、そのまま積もってる雪の道が存在してる。
「都市部でこれなら、田舎はどんだけ降るんだ? 山崩れしたりするのかい? いや……雪崩か」
少年の姿をしたものががニヤけると、ベッドに倒れ込む。
「田舎がまるで自然災害にあいやすいみたいな表現はやめて。ここらへんだって十分田舎に入るんだからさ。それに雪崩なんてきたら、都市部でも壊滅するよ」
「ここはさ一時間に三本も電車があるじゃないか。田舎はほら、一時間に一本。そうすると、その間になんとかしてくれる可能性が、もとい乗る人が少ないのもあって麻痺が少ない」
スマホをぽちぽちといじり、どこのかのデータを口ずさむ
「人が少ないかどうかはわからないよ。実際に遠方に電車で通う、通勤する人だっているし」
「それもそうか。僕が住んでた街は、すぐに電車が止まって親が車で学校まで送ってくれたことがある」
「十分都会じゃない。それに除雪されてるんだから、そこも田舎っていうのは違うんじゃない?」
「雪があったら、田舎という僕の考えに理解してくれるのはいいけれど、やはり突然の災害に弱いのは都会な気がする。田舎は田舎のローカルルールみたいなもので守られてたりする。一方都会は、よくわからないルールで動かなくなったりする」
「改善事項だね」
「そうだね。僕らが引き継ぐ頃にはよくなってることを祈りつつ、学業に勤しまなくてならない」
「あと三年か。はやいものだね」
「それぐらい早くに両親をなくしたともいえる」
「あのときも雪がひどかったね」
「そのおかげで、処置が間に合わなかった。助かるはずの命が四つもなくなった」
「本当はもっと多いと思うよ。災害なんて目に見えるのはほんの少しだけで、実際は山程生まれてるんだから」
「……そうだね」
「ほら、着替えて着替えて。学校に行かなきゃ」
「それが学生の本分だからね。経済学だけ学べればいいのだけど」
「一般常識も生きるには必要だから、歴史は私達にはあまり関係ないけど」
「カリキュラムの改善も必要かもしれないね」
「それもいつか変わるんじゃないかな」
「僕らが通ってる間にそれは変わってほしいな」
雪 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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