孫子とはなんぞや? さくっと理解できる超訳!

中国春秋時代の武将にして軍事思想家である孫武が書き記した兵法書、孫子。それを現代人にもわかりやすいエッセイ形式で超訳した一作!

それこそ現代でも使われ続けている「彼を知り己を知れば百戦殆からず」等々、至言の宝庫な孫子ですが、こちらはそんな書をとにかくわかりやすく解き、説いたものとなります。

原文の引用も当然あるのですが、基本的にとっかかりから現代文で噛み砕いて丁寧に解説してくださるスタイルなので、読んでいて引っかかるところがないんですよ。

さらに要所要所で著者さんの見解が加えられることで、「現代人視点」が貫かれているのも注目ポイントです。古代の、しかも外国人である孫武さん視点の物言いを翻訳するだけだと、結局わけわからんことになりますから。著者さんの超訳者としての心配りが隅々まで効いているのがありがたくてうれしい!

孫子という書が説く兵法の妙と読み物としてのおもしろさ、この両立は一読の価値ありありです。


(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=高橋 剛)