第2話 ハツ。鬼を退治する。

 ニヤリと笑った鬼の気配。

 しかし…和尚がつま弾く琵琶の音色が


 べべべ〜〜ん べん べべ べ〜〜〜ん


 鬼の気配を弱めてゆき!


 ハツが駆け寄り、いだ。

 一撃。二撃…


【ニヤリ】


 鬼が笑った。


 ハツは自らの腹を刺しかけた所を、シホが刀で弾く!

 ハツの尻を蹴り、ハツが我に返る。


 ハツが怒号と共に鬼を刀で打ち据えた!


 バキバキという雷に似た音がした。

 


 3名が静かに…和尚が琵琶を鳴らし、鬼を見ると、そこには既に何も無かった。

 川も消え、濡れた脚絆きゃはんも乾いていた。

ただハツが残念そうな顔をして、シホに苦笑いをした。

 その表情は闇で見えにくくなっていたが、月光に反射して鈍く光る折れた剣先をシホが拾い上げた。


「ハツ。修行のやり直しね。刀が折れたとは」

「へいへい。旅立ちましょうや。この国の鬼も居なくなった事だし」


 こうして剣豪ハツはゆう国を去り、更に名前が高まってゆくのであった。

 鬼を退治することが生き甲斐の変わり者。


 剣豪ハツ。


 完

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剣豪ハツ 小波ここな @nanoda

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