きみが眠る、昼下がり
春耳蜜
第1話
休日の昼の気だるさは嫌いじゃない。
この後もゆっくりできる免罪符でもあるし、1人でも誰かと居てもそんなに荒々しい気持ちにはならない。
ましてや今日は恋人が隣で寝ているから、かもしれない。
無精髭が生えた無防備な寝顔。
休みの日はよっぽどでもない限りお互いを起こさない私たち、だけどなんだか暇だ。
「ねー、昼だけどまだ起きん?」
「……んん……」
返事になっていない返事をしてまた眠りこける。
思わず脱力して恋人のお腹に顔を埋めた。
眠い。
眠くない。
いや……やっぱり眠い?
予定がないのならまだベッドで寝ていようか。
かと言って少し寝飽きた感もあるし……
暇なので、自分の指に当たった自分のではない長い指を触る。あったかい手。おっきな手。
そうだ、昨日この指で何度も……
なんて言っているうちにやたら愛着が湧いたので口で咥えてみた。
骨ばった指。
男の指。口内いっぱいに奥まで咥えてみたら身体の奥がきゅっと締まった。
「う……」
多少の罪悪感がありつつも、そろそろと自分の下着を下ろして濡れ始めたそこに指を当てた。
……くちゅっ……
柔らかな水音がして中に沈んでいく。
「はぁ……」
気持ち良い。寝てる時さえも気持ち良くしてくれるの?
敏感な突起たちは充血して勃起してどれも摘まれて舐められて弄われるのを待ってる。
恋人を見下ろしながらふと思う。
お昼ご飯これで良いや。
息を荒くしていると
対面で跨っている私のお尻に熱い塊が当たった。
「……本当淫乱な女」
「え……起きてたの?ん、気持ち良い、好きなんだもん、何回交わっても」
上半身を起こして口付けをしてくれた。
「……最高だな」
その一言でまた、私の奥がきゅっと締まった。
きみが眠る、昼下がり 春耳蜜 @harumimimitsu
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