第10話 シャツ
父の光晴に内緒で新しいシャツを買ってくれた母の俊子は、「あんたはクラスで一番勉強できるんだから」と理由をつけていた。光晴は、男は着るものことで四の五の言うもんじゃないと、「ダサい」ことが14歳の人生にとって致命的であることを理解してくれなかった。そして、勉強のできる男の子がダサい服を着ることが、二重の意味で致命的であるということを、俊子が少しは理解してくれていたのかどうかは、今にしてもわからないし、50歳を過ぎた賢二には、今となってはあまり意味がないのだった。
新東京物語 オカケン @okaken1962
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