血(3)

「君の妹さん……花さんの血液型は?」


 尋ねる二郎の声は、微かに震えていた。


「…………B型」


 答えた晴の顔は、こわばっていた。


 汽車のドアが開いた。車掌がニコニコとして、乗客を待っている。


 その汽車に乗る者は、いなかった。


 


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

そこは月城町13丁目 麻井 舞 @mato20200215

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ