14、大円団
月日は矢のように過ぎた。
今日はマーシアの110 歳の誕生日。
盛大なバースデーパーティーの
タラアの習慣では誕生日パーティーは、当日の午前0時から準備を始める。
タラア国王も王妃も気さくな人。
もう少し若い頃は二人もパーティーの
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朝日が完全に登りきり、オレンジ色の海が鮮やかな青へと変わった。
「もう準備万端ね。では私が呼んでくるわ」
国王夫妻のひ孫である20歳ぐらいの王女が、二人を呼びに、らせん階段を上る。
カツカツ、カツカツという、若い娘らしい
「ひいお爺様、お婆様……」
若い王女はカチャリとドアを開ける。
国王夫妻の寝室はクリーム色を基調とした、ホテルのスイートルームのような部屋だ。
ドアを開いて真っ先に目に入るのは、部屋の正面にある大きな出窓の先の、青くきらめく海。
「やはりこの眺めは、いつ見ても最高ね」
そうつぶやきながら、若い王女は左の天蓋付きベッドに目線を移す。
そこには寄り添うように眠る、国王夫妻がいた。
もうパーティーに向かう用意は万端だったのだろう。
マーシアは真っ赤なハイビスカス柄のワンピース。
国王は、経済発展後にタラアで着られるようになった、白い麻のスーツにスカイブルーのネクタイだった。
ドレスアップを済ませて、ちょっと一休みのつもりで眠っているというふうだ。
マーシアが自分よりも頭一つ背の高いタラア王を、まるで幼い少年にするかのように、左手で抱き寄せ、右手を彼の頭に置いている。
若い王女は二人の尋常でない静けさに、ハッとしてベッドにそっと近寄った。
眠る夫婦の唇の上に、手のひらをかざす。
「……さすがね。
(終わり)
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