禁断の恋
友梨加
禁断の恋
ある日の学校の帰り。
「ねぇ、聞きたいことあるんだけど」
明里は言った。
「ふん?何?」
恵はいつものように普通に返した。
「恵ってさぁ さっちゃんのことどうゆう感じで見てるの?」
さっちゃんとは同じクラスの女友達だ。
さっちゃんは頭がよくて何でもできちゃうじゃないかと思うくらいの人だ。
「どうゆう感じって?」
「何とぼけちゃってんのぉ わかってるくせにぃ」
明里は腕で恵をからかうようにツンツンした。
「どうゆうこと?わかるように教えて」
しょうがないなぁっていう顔をして言った。
「恵はさっちゃんのことを好きなの?」
冗談ぽく言った。
「えっ?あっ、まぁ好きだよ」
吃りながらも答えた。
明里は笑ったあと、聞いた。
「その好きって言うのは恋愛感情が入ってるのか憧れなのかどっち?」
「どっちって言われるとなぁ…まぁ、恋愛感情が無いって言ったら嘘になるなぁ」
遠くの方に視線を持っていった。
「じゃぁ、さっちゃんを男としてみてるのか女としてみてるのかどっち?」
「えっ、お、女としてだけど…」
照れくさそうに言った。
「てことは恵は男ってことだよね?」
そういうと、笑いが起こった。
「ねぇ、じゃぁ もしもだよ?夢のまた夢のまた夢…みたいなこと聞くけど もしも、雪のなか2人が一緒に歩いてて寒そうだね?手貸しなよって言われたら恵はどうなる?」
明里はこの恋愛?を楽しんでいた。
もう、今じゃさっちゃんが恵にこんなことされたらどう思うかの質問コーナーになっていた。
「いやいや、さっちゃんがそんなこと言うわけないじゃん」
恵はそんなナイナイと手を振った。
「最初に言ったじゃん 夢のまた夢…だって 想像してみてよ」
明里はジェスチャーも加えて言った。
「もしもそうなら、そりゃねぇ」
そう言うと、恵の周りにはピンクオーラが出ていた。ホントに想像したのだろうか…。
「恵、顔がにやけてる」
やっぱり想像していたみたいだ。
もう、隠しきれないみたいで顔に出てしまってる。
「いやぁ、そんなことないってぇ」
そういいながら顔を持っていたタオルで隠した。
そう言ってるわりには顔隠してるじゃないか…。
「じゃじゃぁ、こんなんはどう?冬に恵が寒そうにしてるときそっとさっちゃんの服をかぶせてきたらどうなる?」
もう、完全に楽しんでいた。
「うふふ」
タオルで顔を隠した。
また、想像してテンションが上がってきたのだろう。
「ねぇ、何の話してるの?」
噂をすれば本人登場!
そういえば、途中まで一緒に帰ってきて携帯を触っていたから2人で話してたんだっけ?
「えっ?いや何も話してない」
とっさに答えたがその答えはおかしかった。
何も話してないわけがない。
今さっきまで大笑いしてたではないか。
「私に関係あること?」
2人を交互にみていた。
「ないよ 全て恵に関すること」
確かに恵に関することではあるが全てではないだろう。
しっかりさっちゃんも絡んでいるではないか。
「ふーん、まぁいいや 私先帰るね」
そういうと、バイバイと手を振って帰ってしまった。
「私たちもそろそろ帰ろっか?」
さっちゃんを見送ったあとに明里が言った。
「そうだね 帰ろう」
そういうと明里は自転車で恵は地下鉄で帰って行った。
翌日、他の第三者によって恵の気持ちがさっちゃんに伝わってしまった。
結局2人でこそこそと話した意味は無かったようだった。
[完]
禁断の恋 友梨加 @YYeuph19
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