第112話 エピローグ

『こんみなー!プラネテス鯖の人はイベントお疲れ様ー!やったね、王国側の勝利だったよー!これも皆が頑張ってくれたおかげだよ!』


【コメント】

:完 全 勝 利

:戦いは数だよ姉貴!

:準備段階で頑張ったよね!

:生産職はどんなゲームでも必須

:でも、途中相手が急に強くならなかった?


『私は戦闘していないからわからないんだけど、中盤戦でやけに強くなったって話は聞いたかな。たぶん、住民側からの支援が発動していたんだと思う。』


【コメント】

:あぁー…それなら納得

:王国側も支援受けたもんね

:えぇぇ!?そういう支援とかもらえるの!?

:お?君は違う鯖?住民と仲がいいと恩恵かなりもらえるぞ

:好感度次第では情報や珍しい品の売買も出来るようになるな

:俺、未だに最初の街の鍛冶屋のおっちゃんに冷たく見られてる…

:早めに態度直しとけ?

:いや…なんかあの視線が快感になってきてな

:だめだこりゃ


『王国側の支援は錬金術ギルドが動いてくれたんだって!あんな沢山の薬を毎日配ってくれるとかすごかったよね。生産職をやっている身からすると作るのに時間がかかるの分かるからびっくりしたよ…』


【コメント】

:相変わらず錬金術ギルドは有能

:いまだに流れ人でつけていない唯一の職…

:敷居が高すぎるんよ…

:でも、リアルで考えると学問としても難しいと思うぞ錬金術って


『そうだよね、難しいと思うのになぁ…ママさん凄すぎる…』


【コメント】

:え?それってもしや

:は?

:それ言って大丈夫なの!?


『あ…だ、大丈夫だよきっと、うん!』


【コメント】

:そもそも職が分かったとしても見分け付かない

:このゲーム、リアルすぎるから住民と流れ人の区別がなぁ…

:そもそも錬金術ギルド以外で表に出てこない職…

:どう考えても生産職の上位互換が錬金術師

:満遍なく知識必要とか、生産やってる身としては厳しい


『そうなんだよね、私も彫金だけで精一杯…あ、お知らせがあるよ!』


【コメント】

:なんだろ?

:登録者関係じゃないよね?

:季節的なものでもなさそうだし…

:予想がつかない

:ママさんの話からお知らせって流れが…


『お?予想が付かないかな?ふっふ、なんと!私は個人勢から企業勢になります!安定した収入になるからみんなの投げ銭でコンテンツ充実させられるよー!』


【コメント】

:おぉぉぉ!!おめでとう!

:スカウトされたんか!?

:どこの箱だ!?

:やっぱ個人より企業のが色々保障されてて安心ではあるよね


『新企業だからみんなは知らないと思うよ!だから私が第一期生!個人から他の箱に所属だと他のライバーと軋みがでそうだからね…数字そのまま持っていくようなものだから。』


【コメント】

:たしかに

:他から転生を匂わせて移るのも賛否両論あるからな

:そのままの絵でいけるってもしや?


『うん、ママさんが立ちあげてくれる箱だね!第一期生は他に3名いるし、この配信の後に紹介があるよ!URLは概要欄に置いておくね!』


【コメント】

:ママさん有能すぎでしょ!

:仕事抱えすぎて大丈夫なのか心配…

:他に3名!?いつオーディションというか募集してたんだ!?

:私もママさんにキャラ作ってもらいたい!


『あはは!といっても特殊な箱になるかな。私以外は異世界へのすゝめの姿でロールプレイなんだよ。ゲームをしていたら話題は尽きないと思う。ちなみに、3人とも女の子だよ?』


【コメント】

:すっごい特殊な箱!

:ゲーム内の姿でロールプレイ…あれ?リアル準拠…あれ?

:そこは絵を当てるって事じゃないかな?

:今一番流行っているゲームだもんな、ネットユーザーからすると気になる箱ではある

:あのゲームをやってリアルでの技術を磨けるっていうのがほんとすごいもんな


『ただ、ソロ活動させるには心配だから3人グループという活動になるから注意してね?』


【コメント】

:配信初心者だとソロは難しいからな

:音楽グループだってあとからソロになるから不思議ではない

:了解





 みなもちゃんの配信を見ながら僕は3人を宥めている。


「うぅ…緊張してきました…」


「あなたでも緊張するのですね…」


「ん…気楽にやろ?」


 そう、3人とはラヴィ、ラナさん、イーリスの3人娘。僕がモデリングをして、今日が初ライブになるんだけど…すっごく緊張しているね。なんで配信活動をすることになったかというと…


 イベント後にAI担当者さんと直接話し合っている中で、僕が身内のモデリングを作る許可を貰っている所に社長さんが話に入って来たのが始まりなんだ。僕だけが知っている世界じゃなくもっと大きな世界を見せようって事と、AIの更なる発展、そのノウハウ・技術をゲームに生かすという目的で手を結んだんだ。僕も皆に広い世界を見せたいし、担当者さんはAIを我が子と感じているからもっと人間的になってほしいし、社長さんは更にリアルなゲームにしていきたいって事だったからね。


 そして誕生したのがPLANAIS(プラナイズ)っていう箱。プラネテスのAI達っていう特殊な箱だから一般公募はしていないけど、プラネテス内のAI達で興味をもってくれたら勧誘って形になる。といっても僕の身内の中でも興味を持ったのがこの3人だけなんだけどね…立場上問題がない人選ってことにもなる。


「えっと…ワタリさん、言ってはいけない事の確認をもう一度いいでしょうか?」


「そうだね、もう一度言っておこうか。まず、僕の向こうでの名前を出してはダメだよ?配信中はママさんって呼ぶこと。あとは住んでいる場所。これは犯罪に巻き込まれないようにだね。親の事に関しては言っても大丈夫、立場的に偉い人達だし。否定的なコメントは適当に流して他のコメントを拾うこと。これは領主経験にもなるから取捨選択の勉強かな。恋愛に関しては踏み込まないほうがいいかも?ガチ恋勢って結構やっかいだし、見てる人に好きーとか言って誤解を生ませないように注意。」


「これも勉強ですわね。普段気を付けている事を実践すれば問題ないですわ。」


「ん、口の軽いラヴィは注意。」


「イーリスちゃん!?私だってやればできるんですよ!」


「それが心配…」


 イーリスがラヴィを凹ませているけど、僕としては名前さえ出さなければ問題ないと思っている。まぁ…恋愛に関しては立場を考えれば問題ないと思う。


「ワタリさん、貴族という設定でしたら婚約者がいるのはおかしくないですわよね?」


「うん、大丈夫だよ。そういうロールプレイをしているって見られ方をするだろうし、向こうで会ったとしても問題がない暮らしだからね。」


「それなら安心ですわ。ほら、ラヴィさんも落ち込まないでシャキッとしなさい。」


「…もうそろそろ始まる。」


 複数あるモニターのうち1台に、みなもちゃんが終わりの挨拶をしている所が映っていた。ちなみに3人娘は僕のPC内にいてさっきまで内装を整えていた。電子の存在だからこそ視覚的に配置できるって楽そうだなぁ…小物や家具は僕がモデリングしたものを使用している。


「結構、みなもちゃんのとこから待機に回ってくれている人が多いなぁ。概要欄にどんな箱かというのも載せているし大丈夫だよね…それじゃ待機画面を映すよ。マイクはまだ切っといてねー。開幕は3人で挨拶。自己紹介の順番はラナさん、イーリス、ラヴィの順で。」


「分かりましたわ。ほら、ラヴィさん。私達によってこれからの街の住人達の道が広がるんですよ。貴族として、いちプラネテスの住民として頑張りましょう?」


「うぅ…そ、そうですよね!雇用先が増えますし他の方達の知識や経験にもなりますし頑張ります!」


「…ワタリに迷惑かけない。」


 うん、気合は十分って感じかな。


「それじゃみんな、楽しんでね。」


 僕はそう伝えると待機画面を替えてみんなの姿を映した。


『『『みなさん、初めまして!プラナイズ一期生の3人グループです!』』』


 こうして僕の新たな生活が始まった。色々と不安なところもあるけれど、僕は一人じゃないしこうして一緒に道を歩んでくれる人達がいる。周りにも後押ししてくれる方達がいるってことを実感でき、AIだから、人だからという枠組みを超えて手を取り合っていける世界の先駆けになるといいな。





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 これにて異世界へのすゝめは完結となります!長らくご愛読いただき、本当にありがとうございました。稚拙な処女作ではありますがなんとか完結に漕ぎつけられました…また、アフターストーリーに関してはご要望がありましたら書くと思います。

 現在、新しい作品を執筆中ですがまだ5,6話くらいしか出来ておりませんのでもう少しお時間を頂くことになります。次作もほのぼのですよ!

 最後にもう一度、ご愛読ありがとうございました!

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異世界へのすゝめ 相坂ねび @nebi_s

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