料理人で退魔師のセッキーと、テンちゃん、料理を介して少しずつ心が近くなっていきます。美味しい料理を食べたときのテンちゃんの可愛らしいこと!
お土産に美味しい油揚げを一ダース持たせてあげたくなります。
美味しい料理のエピソードとともに、神様が消えていく不思議な事件が起きて、物語の世界がどんどん広くなっていきます。
テンちゃんの強い気持ちとセッキーの力と、心強い仲間たちのチームワークで解決
するのですが。
その後に待つのはそれぞれの新しい道。
行ってきますの時のテンちゃんの素敵な配慮に、もう一度物語を読み直したくなります。
テンちゃんはもう守られるべき弱い存在ではなくなったのです。
「飯テロ編」へ向けてのレビューです。
元料理人・関川さんが出逢ったのは、可愛いお耳としっぽがぴょこっと飛び出た男の子。
テンというその子は、お仕えしていた神様がいなくなってしまい、霊力が減って弱っていました。
そこで出されるのが、関川さんが腕を振るったお茶漬け一杯。「狐には油揚げ」というお約束も忠実に守り、そこから二人の美味しい食卓の日々が始まります。
テンちゃんの可愛らしさに関川さんも読者もメロメロ♡
文句なしに愛らしい言葉遣いや仕草、美味しそうに食べる様子に、いくらでもお代わりをさせてあげたくなります。
愛おしさが募る関川さんは、食事でテンちゃんを支えると共に、テンちゃんの神様を奪い、世界を破壊しようとしている悪しき者との戦いに身を投じることに!
美味しそうな飯テロと、可愛さ抜群のテンちゃん、悪霊との戦いなど、見どころいっぱいネタ盛り盛りの破壊級エンターテイメント!
ほっこりスカッと楽しめること間違いなしです!
さあ、ぜひご一緒にHell's… Heaven's Kitchenへ♬
料理で人を喜ばせるのが好きな関川(通称セッキー)は、ひょんなことから子狐(テンちゃん)を拾うこととなった。喋れるはずもないと思っていたところに、何故か言葉を用いて意思の疎通がとれるテンちゃん。それが神の使いと気付いたところで、関川(通称セッキー)も隠していた真の力を目覚めさせることに。
料理人としての包丁捌きと味付けの妙はプロ級で、人も狐も「美味しい」と唸るメニューに、読み手も腹が減ってくる。ほんわか『飯テロ』展開で終わるかと思いきや、そうは問屋が卸さないのが、この作者さまの素敵なところ。気が付けば、神もたじろぐ世界観へと導かれてしまう。
関川(通称セッキー)とテンちゃんが織りなすバディ・エンタメは一風変わっているが、相棒を気遣い合う深い絆は本物だ。是非とも、感動のラストに涙してもらいたい。約束の花束は、いつもでも枯れることがない。今日も『闇の調理衣(ダークネス・エプロン)』が刃物で悪を退治する☆
(と、第二章を読み終えてのレビューです。次章も楽しみに待ちたいです)
本作は、企画主が提供する10のお題(ストーリー書き出し部分)に、企画参加者がそれぞれ自らの物語をつなげていくというタイプの作品です。
この作者様は、与えられたお題から何とも自由に発想を広げ、一話ごとに様々な設定と展開を描き出しています。個性的な発想とメリハリのあるストーリー展開で、ページをめくるごとにそれぞれの世界へ否応なく読み手を引き込んでいきます。また、それぞれの話の登場人物たちも皆生き生きと魅力的で、この短さでお別れするのが名残惜しくなってしまいます。
まるで様々なテイストの物語を詰め込んだ短編集を読んでいるような楽しさ。作者様の自由な発想力と味わいあるストーリー展開を存分に堪能できる作品です。