第2話 繰り返す悪夢

それから相談室に通うようになりました。

相談室の先生はとても優しい人で

私のすべてを包み込んでは

涙で話せない私を置いてくれました。

教室に戻りたくないという私の手を取り

普段来ることのない棟まで送り

笑顔で手を振ってくれました。


辛いときこそ人の優しさは染みるものです。


ですが、そんなときでも悪夢のような日々は

続きます。まるで私を待っているかよのように


進級の前日両親が大喧嘩をしたのです。

初めて人の壊れる瞬間を目の当たりに、

この世に希望なんて無かったんだ、

何を勘違いしていたんだろう。

そう思い私の自傷癖は加速しました。



中学3年生になっても変わりません。

環境が変われば人は変わると言いますが、

そんなことはありません。


当時の私は絶望の2文字が頭にこびりつく程

下を向いて生きていたので

そもそも変わる勇気がなかったのでしょう。


クラスが変わって周りにいる人も変わったはずなのに、私だけ取り残されたように

いつまでも闇から這い上がれずにいたのです。


そんな辛い中学校生活もようやく終わり

私は卒業しました。

門出というものは人に勇気を与えます、

ですがどうか忘れないで


精神的な病気というのは完治することが

難しいということを。

一時期良くなってもそれは単なる波に過ぎません。治った、もう大丈夫などということは

ありえないことに近いのです。


一度でも心を病んだことのある人へ、

治ることに期待をするのは経験上やめたほうがいいです。それでもというのなら

あなたの生き方なので、口出しはしません。

ですが、治ることに希望をかけすぎると

また落ちてしまったときどうしょうもない

闇に包まれてしまいます。

共存、この在り方をおすすめします。



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こんな時代と後悔するか @asahi_noboru

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