第138話 七つの泉の物語

 いろどりの湖にいるヒビキたちは、

「あれは…」

鳳凰ほうおうだ!」

「鳳凰は、日本や朝鮮など東アジア全域にわたって、装飾そうしょくやシンボル、物語・説話・説教などで登場する。紀元前二世紀頃前漢の時代に成立されたという中国最古の類語辞典『なんじまさし』十七章によれば、頭はにわとりうなずつばめくびへび、背はかめ、尾は魚で、色は黒・白・赤・青・黄の五色で、高さは六尺程とされる。『山海経』の南山経では鶏に似ており、頸にはとくつばさに義、背に礼、胸に仁、腹に信のもんがあるとされた。後漢の字典『説文解字』では、前は鴻、後はりん、頸は蛇、尾は魚、ひたいこうのとりえらおしどり、紋様はりゅう、背はとら、頷は燕、くちばしは鶏と記された。南朝の時代に成立した『宋書』巻二十八志第十八では、頭は蛇、頷は燕、背は亀、腹はすっぽん、頸は鶴、喙は鶏、前部は鴻、尾は魚に似ており、頭は青、翼を並べるとされる。同じく『宋書』巻二十八志では孔雀くじゃくくらいの大きさとされる。また南宋なんそうの『みずのとしんぞうしき』では高さ一丈ほどで、尾はこいに似、色がいとされた。春秋時代の『詩経』『春秋左氏伝』『論語』などでは聖天子の出現を待ってこの世に現れるといわれるずいじゅうのひとつとされる。『礼記』では麒麟きりんれい・応竜とともに四霊と総称されている。鳳凰は、霊泉れいせんだけを飲み、九十年に一度だけ実を結ぶという竹の実のみを食物とし、梧桐ごとうの木にしか止まらないという。『詩経』に鳳凰鳴けり、彼の高きおかに。梧桐生ず、彼の朝陽にとあり、鳳凰は梧桐にあらざればまず、竹実にあらざれば食わずという。『説文解字』では東方君子の国に産し、四海の外を高く飛び、崑崙山こんろんさんを過ぎ、砥柱とはしらで水を飲み、弱水で水浴びをし、日が暮れれば風穴に宿るとも記された。唐の時代の『とりようざつまないた』では、ほねが黒く、おすめすは明け方にちがう声で鳴くと記述される。『本草綱目ほんぞうこうもく』によれば、羽ある生物の王であるとされる。鳳凰のたまご不老ふろう長寿ちょうじゅの霊薬であるとされるとともに、中国の西方にあるという沃民国やその南にあるもうとりこくにもむといわれ、そのよく民国みんこくの野原一面に鳳凰の卵があると伝えられる。また仙人せんにんたちが住むとされる伝説上の山崑崙山に鳳凰は棲んでいるともいわれる」

「勇気と友情があれば、何でもできる!」

ヒビキたちは、鳳凰の封印に挑(いど)む。

「決めるなら、今しかない!」

「ここからは、僕の出番!」

「私に任せて!」

「俺も力になってみせる!」

「僕に任せてください」

ヒビキとケンタ、サクラとアラシ、ウィルは力を合わせて、

「ジュエリーレイン!」

「ワイルドトルネード!」

「ブロッサムトゥルビヨン!」

「マーブルスパーク!」

「レインボーシンフォニー!」

チララとウィンディ、ナツとラビカ、バニラとココアの魔法まほうによって、鳳凰を封印することに成功した。

 すると、

「これは…」

「無色透明のしずくだ!」

ヒビキは、無色透明のしずくを手に入れた。

 そして、

「ちゅぴ!」

「ちゅる!」

サイショー地方を守る星のいずみが天空の島とつながった。

 その時、

「七つの泉を取りもどしてくれたのですね」

「あの声は…」

「女神さまだ!」

天空の島から、女神さまが現れた。

「ここはかつて、大魔王によって支配されていました。この状態が続くと、世界樹が完全な姿を維持できませんので…」

女神さまはこう語ったうえで、

「選ばれし戦士たち、世界の平和を守るために大魔王を封印してください」

と、メッセージを残した。

「みなさんに、お伝えしなければならないことを伝えなければならないことがあります」

その時、ミオがこんな言葉を残したのであった。

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