ポンコツ新任魔王のために東奔西走する日々

@baitosan

なにしてんですか、魔王様

俺は朝おきる昨日森林エリアボスであるユーリットからもらった茶葉で紅茶を淹れ、朝食を食べながら今日の業務についてのスケジュールを確認していた。魔界報道部への記者会見、デリアお嬢・・・いや魔王デリア様に先代から受け継いだs級魔道具のご説明、そして役所への手続きか、これはまた夜中までかかりそうだな・・・。そんなことを考ええていると部屋のドアがいきなりドンっと音を立て開かれた。ドアのほうを驚いてみてみると赤髪ロングの赤い瞳の少女が腕を組みながら仁王立ちをしていた。魔王デリア様である。

「アーノルド起きてたか、私の部屋に来いっ!ほら、もたもたするな!」

そう言うと俺の腕を強引に取り連れ出そうとする。お、俺まだ寝間着なんだが!?

「ちょ、ちょっと待ってくださいデリア様せめて寝間着は着替えさせてください!この服装で職場には行けません!」

そう俺が言うと俺を引きずりながらデリア様は呆れた顔をしながら

「なーにいっとるか、お前の部屋は魔王城の中にあるじゃろ。ならば実質魔王城もお前の家じゃ。家の中なら寝間着で歩いても問題はあるまい。」

「いや、そういう屁理屈じゃなくて・・・あーもう寝間着が擦り切れちゃうから引きずるのやめてください、自分で歩きますから!」

「そうか、ならついてこい!」

しばらくしてついたのはデリア様の部屋前だった。なぜこんな朝早くに・・・?

「どうしたんですか?まさかまた漏らしたんですか?何歳まで漏らせば気がすむんですか?」

「ち、ちがうわい!いつの話をしてるんじゃ!そもそも漏らしてたのは10さ・・・じゃ、じゃなくて!これをみるんじゃ!」

デリア様はドアを開けて中にいる金髪の少女の頭を強調するように手をむけた。

少女は縄で結ばれており口にはテープが張られていた。

「な、何をしてるんですか!?こんな少女にひどいことを!」

そう言いながらおれは少女のテープと紐を解いてあげ、少女をデリア様から隠すように立ちふさがる。

「な、なにしとるお前!せっかく私が捕まえてきたのに!」

「こっちが何をしてるか聞きたいです!なんですか攫ったって!?」

「そいつは人間の姫なのじゃ!私が魔王になったんだから魔王らしいことをしてみたかったんじゃ!」

なんだって?俺は真偽を問おうと少女に顔を向けると少女はそこにいなかった。

「あ、あれ?」

「に、逃げおった・・・姫が逃げおった・・・」

俺はデリア様の部屋にある拡声水晶を魔王城全域にセットし、大声で叫んだ。

「魔王城総員に連絡!人間が魔王城に出没!金髪、青い瞳の人間だ!何としてでも捕まえろ!!!」 




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あの後魔王城総員で捕まえることが何とかでき、牢屋に押し込むことができた。デリア様には拳骨を食らわせたあと一時間程度説教を食らわせた。こんなに怒ったのは初めてかもしれない。あの後デリア様は泣きじゃくりながら部屋に戻り、俺は今後の対策を打つために魔王城入り口の関所に向かった。

「お疲れ様です、少し知りたいことがあるだがいいかい?」

関所の窓口にいるケンタウロスに話しかけると

「アーノルド様ではないですか、何なりとご質問ください!」

「六つのエリアボスの内どのエリアボスがまだ城内に残っている?」

そう問うとケンタウロスは帳簿の確認を行い

「森林エリア、火山エリアのエリアボス様がまだ城内に残っておられますね、ほかのエリアボス様はそれぞれの担当エリアに帰られたようです」

二人しか残っていないのか・・・しかたない、デリア様と四人で緊急会議を開くしかないか。

「わかった、では緊急でユーリット、ジャーマクスに会議室に集合するよう連絡を頼めるか?」

「了解であります!そのように通達を行います!」

「よろしくたのんだよ」

そう言い俺はデリア様を呼びに行くため部屋に向かいながらあの二人にどう今回のことを報告するか頭を悩ませるのだった。


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