第2話

17歳の読者モデルの女はSNSのアカウントを削除した。所属事務所も本人のSNSアカウントの削除と無期限の活動自粛を発表した。


友人があの女のファンだったようだ。とても悲しんでいたので励ましの言葉をかけたが、実際はニヤニヤしそうになるのを堪えていた。清純な見た目に騙される方も馬鹿だろう、よく見てみれば頭が悪そうな顔じゃないか。落ち込みながらも友人は復帰するのを待つと言っていた。こいつもどこまで馬鹿なのだろうか。友人と言っても、ただついてくるから友人の位置として認識してやっているが、向こうはどう思っているのだろうな。


無期限の活動自粛なんて、実質クビと言ってるのと同じじゃないか?しかし、炎上騒動から約1週間でアカウント削除は少し予想外だったな。反抗するような投稿や、何かしらの釈明の投稿を期待していたが、呆気なくアカウント削除とは根性のない奴だな。まあどんな投稿をしたとしても、こちらはすかさず叩くだけだ。


1週間くらいだけであったがストレス発散にはなったな。来週からは誰にしようか決めておきたいが、大きめの炎上なんて毎週のようには起きない。少し好感度の低い奴でも狙ってみるか?なるべくアンチコメントが多そうな奴を探してみよう。

家に帰り、いつものように自室でパソコンを起動させる。SNSの検索欄を開き、「こいつ 嫌われすぎ」と打ち込む。このように検索をかければ嫌われているような奴がだいたい見つかる。いい感じに嫌われている奴を見つけたら、そいつの名前を打ち込みSNSで再び検索する。性格が悪そう、話し方がイライラするなど書き込みが多いが炎上ほどではないな。こういう奴ほど長く楽しめるし、ボロが出た時に盛り上がれるのだ。


来週からはこいつにしよう。


登録者数が60万人の動画配信者の女。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

アンチ でなむね @cocco_imnd

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る