第4話 春のあどけなさを持つ君に

「春のあどけなさを持つ君に」


春のあどけなさを持つ君に

東風色(こちいろ)のときめきを届けよう

すべての命が輝き始めるこの季節に


夏のけなげさが似合う君に

青色の潮風を届けよう

渚の匂いを灼熱の太陽にのせて


秋のひたむきさを思い出す君に

金色の夕日を届けよう

稲穂の匂いをたそがれの空に向けて


冬のけがれなさをまとう君に

白色のコートを届けよう

ガラス越しに降り積もる粉雪を見つめながら


そうして

春のあどけなさを持つ君に

僕だけの声を届けよう

君だけにそっと聞こえる

愛の詩にのせて


春のあどけなさを持つ君に

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初恋 詩川貴彦 @zougekaigan

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