雨の日の記憶

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雨の日の記憶

十年前の今日、この場所で君と出会った。


君は雨が激しく降りしきる中、傘も差さずにただ空を見上げていた。

気の毒に思った俺は思わず声を掛けた。

君は俺の声なんか聞こえてないみたいに表情一つ変える事なく、ただ空を見上げたままだった。


予備に持っていた折り畳みの傘を無理やり君の手に握らせ、足早にその場を去った。


あれから十年。

あの日と同じ雨が降る中、君がいた場所には花がひっそりとたむけられていた。

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雨の日の記憶 樹(いつき)@作品使用時の作者名明記必須 @ituki505

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