サマータイム。黒人のお母さんが、生まれたばかりの赤ん坊に歌いかける曲。明子にそう教えてくれたのは智昭だった。大丈夫、大丈夫。だから、安心しておやすみなさい──。どうか、良い夢を。最後のシーン。きっと、言葉に出来ない感情が待っています。
ゆあん様の筆致企画参加作品。穏やかに進む語り口が心地よいです。静かに振り返る明子の人生が店内に流れるブルーノート「サマータイム」と重なって、これはそのような作品かと思わせておきながら、最後にすこしハーブをひとつまみしてラストに薫りを効かせます。お題にストレートな素敵な作品でした。