第6話

「シャルナン、本当に俺でいいのか?」


 目の前に、シロツメグサで作った花輪を頭にのせたアリストフがいた。シロツメグサの花輪は、僕が唯一作れるものだ。アリストフはボロ布のようないつもの服じゃなく、真っ白で綺麗な洋服を着ている。


「アリストフ、すごく綺麗」


 褒めると、アリストフは顔を真っ赤にして微笑んだ。

 気づくと僕も真っ白で綺麗な洋服を着ている。


「アリストフ、君じゃなきゃダメだよ。僕は君のことが好きだ」


 気持ち悪いと思われるのが嫌で、ずっと言えなかった。

 アリストフが死んでしまって、言えなかった事を後悔したけどやっと言えた。


「俺もシャルナンが好き」


 照れくさそうに笑って答えるアリストフが愛おしくて、僕は力強く抱きしめた。

 アリストフも、僕の背中に腕を回して応えてくれる。

 僕は最高に幸せだ。

 きっとアリストフも幸せだろう。


 僕とアリストフは、手を繋いで結婚式を挙げる協会の扉を押した。

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少年たちの夢 おか @koge-gr

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