第10話 映画みたいなお話(後編)
「指定した過去の時間の自分に『3分』だけもどれるんだ。まぁ1つ目とそんなに変わらないんだけど。それにタイムラグ的なものがあるイメージなんだ。書いた方がわかりやすいかこれ。」
『今(15時50分)』
↓
時間指定で10時15分(過去の時間)
↓
『10時15分』
↓
3分が経過
↓
『10時18分』になる
↓
『15時50分』に戻ってくる
アヤノくんはまたカリカリと黒板に書き込んだ。
「3分経つと過去に戻る前の『今』に帰ってくるんだ。戻ってくるってここには書いたけど帰ってくるって言ったほうがわかりやすいな。感覚的には車で寝落ちして気がついたら家についていたみたいな?」
「ちなみに1日何回までとかの制限ってあるの?」
なんか便利そうな能力だけどそういうのってなんか制限とかないのかな?
「戻れる時間が3分だけってことのほかだったら特に無い。ちなみに同じ時間でも繰り返し戻ることができるよ。小学生の頃はおやつの時間ばっかり巻き戻して食べたりしてたし。ただ戻る時間が前になればなるほど『今』の時間に帰ってきたあとなぜだか眠たくなるんだよね。」
あはは。発想が子供なんだけど。
それよりも、眠たくなる?ってなんだか不思議な代償だね。
「過去の自分に戻るって言ってたけどそれって過去に干渉できちゃうわけだから歴史が変わっちゃうとかないの?ほら、タイムパラドックスとか。」
よく映画とか小説で題材にされているからそこのところはどうなんだろう?
うーん。と少し間があったあとアヤノくんは答えた。
「そこがオレの能力の制限だと思ってることなんだよね。」
「つまりどういうこと?」
「歴史に干渉できるのは能力者のみに対してだけなんだ。かつオレが『生まれた』あとの時間から『今』この瞬間までの間で、オレがいた
そっか、それで一応このクラスにいる私に
「ちなみに同じ時間に戻った場合戻る前の時間、つまり
だけって……。十分に強力な能力だね。
「私のなんか代償とかはまだないっぽいけどあんまり大した
会話に区切りがついた頃アヤノくんは黒板のメモをきゅきゅっと消した。そして、少しあらたまったような顔をしてこう聞いた。
「あのさ、今ひとつ言いたいことあるんだけどいいかな?」
アマオト ろくろく んよちい @nono1121
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