聖
散々 私を殴っておいて、なんて薄情な男。
赦しを乞うように床に頭を擦り付け
女同然にむせび泣く。
『ごめんなさい』
ひどく滑稽で 嘲笑えたわ。
何時もは蹂躪して踏みにじる癖に。
でも、その行動が私の母性を擽るのねどうしても 彼に対する罪の意識が薄れてしまう。だって 可哀想だもの。
愛しているんだもの。
(これじゃまるで 赦してやらない私が悪者じゃない。)
この時点で、私が駄目女ってことは
自覚してる。愚かな男に寄り添う、可哀想な女。いや、それを赦してしまう醜い女。
彼の頭に掌を乗せ 幼児をあやすように撫で回す。すると彼は いつも通り私を抱き締めて 『もうしないようにするから』と約束してくれる。
それに応えて、『ありがとう』と返す
約束が守られることは 無いけど。
ただ、最近解ってきたことがある。
彼が私のことを必要としてくれてる 私がいないと生きていける保障はない。
そんな、優越感に浸り続けたい。だけ
これが日常。
(嗚呼、安心する。)
花腐る @cheeswithK
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