初夏色ブルーノート

作者 えーきち

101

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★★★ Excellent!!!

 同じあらすじで別々の作者さんが物語を書く企画「筆致は物語を超えるか」に参加されている作品です。

 色んなタイプの「初夏色ブルーノート」がありますが、本作はお題に対してストレートな物語。ストレートはより「物語の精度」が目立つと勝手に思っているのですが、本作は秀抜です。
 ひとりの女性の過去と現在。それが滔々と、少し物悲しく描かれているのですが、悲しいだけでなくどこか温かい。
 まさにこの物語がブルーノート、という仕上がりになっています。

 素晴らしい物語を、ぜひあなたも体験してください。オススメです!

★★★ Excellent!!!

夢を見るのは、現実が見えていないから?
生活に余裕のある人の娯楽?

それでも、夢をなくしたら生きていけない、と主人公は言う。
夢に向かって走るから、土砂降りの雨の中を生きていくことが出来るのに。

自分のせいで、好きな人をなくし、好きなものをなくし、見ていた夢もなくした。
まるで人生は土砂降りかブルーノート。そう言うかのように、物語は進んでいく。

それでも人がブルーノートを好むのは、また夢を見たいと思うからかもしれない。

今、彼女の見ている夢は、どんな色だろう。

★★★ Excellent!!!

旅行中と思われる主人公、
ひとり行動が多いみたい。
娘と一緒だったのに単独行動していて
雨に降られ駆け出してしまいます。
雨宿りにはいった喫茶店は
二十歳の頃通っていたお店。
智昭と過ごした頃の。

作者はうまいこと仕掛けてきます
ラストでなるほどとなりましたよ。