漫才『大声』
さかなへんにかみ
漫才『大声』
A:わー(大声)
B:今一番やっちゃいけないことやめろ、マスクなし目的なし大声が一番ダメだから
A:ごめんなさい。緊張しちゃいました(客席に手を合わせる)
B:緊張でそうなる?落ち着いて、大丈夫だから。でも、こういう会が開けて良かったですね
A:そうですね
B:去年は色々あったからね
A:本当に大変でした
(以降Aは近況を話す。Bも隙を見て自分の話をしようとするが、Aに遮られる×3)
B:いくつやんだよ!
A:俺だって知らねぇよ!
B:なんで知らねぇんだよ!
A:過去を振り返らないからだよ!
B:時には反省も必要だろ!
A:変えていけるのは未来だけなんだよ!
B:考えなしにさまようのは死んでるのと同じだろ!
A:それでも一歩踏み出さなきゃいけない時があるんだよ!
B:何があったんだよ!
A:聞いたらきっと後悔するぞ!
B:聞かせてくれよ!
A:始まりは3000年前の戦争だよ!
B:ラグナロク!
A:お前も知っていたか!
B:名前だけだよ!
A:その時の俺はただの傭兵だったんだよ!
B:3000年前から生きてるのかよ!
A:そうだよ!
B:謎が深まるな!
A:アケナシュ王国お抱えの傭兵団、肩翼の鷲の一員だったんだよ!
B:男の子ってこういうのが好きなんでしょ!
A:仲間と一緒に苦しいながらも、楽しく暮らしてたよ!
B:この後悪いこと起こりそうだな!
A:だけどカイネス団長が俺たちを裏切ったんだよ!
B:やっぱりな!
A:団長は俺たちを悪魔への生贄に捧げて、自らは新たなる使徒クライネとして受肉したんだよ!
B:急に難しいな!
A:その時太陽が黒く染まって、亡者どもの臓物でできた神殿、いわゆるパンデモニウムが空から降ってきたんだよ!
B:ぜんぜんいわゆってないんだよ!
A:そしてパンデモニウムから現れた亡者がみんなを食い尽くしたんだよ!!!
B:3000年前にしては熱残ってるな!
A:だけど俺だけは、俺だけはその儀式から生き残っちまったんだよ!
B:不謹慎かもしれないけど主人公やん!
A:それ以来俺は不死の呪いと亡者たちに昼も夜もなく襲われる宿命を背負ったんだよ!
B:最悪すぎ!
A:真相に気づいた俺に団長はこう言いやがったんだ!
B:おお!なんて言ったんだよ!
A:(間)わー
B:どこで緊張してんだよ!もういいよ、どうもありがとうございました。
漫才『大声』 さかなへんにかみ @sakanahen
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