第49話 リノア 老化の八つ当たり

◆リノア視点


「はぁぁぁぁぁ。」


リノアは鏡の前でため息をついていた。

顔の小じわが増えたのである。。。


【老化遅延】の効果で老化は18/25、だいたい3/4ぐらいは抑えられているが、それでも、老化は着実に進んでいく。


「イオリ君は優しいから、醜くても目を瞑って我慢してくれるわよ。」

いつかユーリに言われた嫌味が頭の中でリピートされる…。


それだけは…醜いのだけは…。


愛するイオリ君はリノア先生はいつもキレイだと言ってくれる。


もし…キレイと言われなくなったら…

ヒィッ…考えるのも恐ろしい。


もうこれは彼女の至上命題。


ただでさえ…私は27歳になってしまった…。

永遠の26歳でいたかった。。。


しかも、イオリ君はまだ12歳。


ぁぁ…時の流れは残酷だわ。

せめて、肉体年齢の差だけは一刻も早く【老化遅延】で縮めないと。


それなのに…私もブランカも村民の訓練のおかげで、いつもほど稼げていない。

ユーリに関してもいつもの半分以下しか稼いでいない。


要は何が言いたいか、『寄生虫』に熟練度が入らない。

つまり【老化遅延】にポイントが振れない。


しかし、村の為に訓練は必要だわ。


そろそろ、中級ダンジョン1階層の魔物ぐらい倒せるようになってくれないかしら?

そしたら、私達も気にせず、離れられるのに。


いっそのこと、村民に氷耐性装備と炎属性の武器を揃えて、渡してしまおうかしら。

いや、そうなると、安い物で揃えて出費を抑えても1000万Gは掛かってしまうわ。


こんなことなら、柵と櫓なんか建てなければ…

いや、でも柵も櫓もないと村を守ることすらできないし…


本当にこの村は何でこんなにお金ばっかり掛かるのかしら。。。


やはり、村を襲ってきた『魔物使い』はゲオルグ子爵から送り込まれたようだ。

脅したら、あっさり口を割った。


『魔物使い』に村を攻撃させ、ユリアの心が折れた所で甘い声を掛ける。

要はユリアは欲しいけど、村はいらないということだ。


また襲撃があるかもしれないと考えれば、防衛力の強化は必須だし…


本当に頭が痛い。



それに何が腹立つかって、村の防衛 兼 治療担当のユーリは村にずっといられることをいいことに

ユリアの所に入り浸りになってるし。


しかも、いつの間にかあの2人が良い雰囲気になってることがある。。。


チッ、こっちはこんなに悩んでるのに、自分1人だけ楽しみやがって…本当に忌々しい。


『魔物使い』を排除した時点でダンジョンに送り返してやれば良かったわ。

ムカつくから、ユリアの家ごと、吹き飛ばしちゃおうかしら。

いや、待てよ。

今日から泊まり込んで邪魔してやればいいか。


ふふふ、ユーリの悔しがる姿が目に浮かぶわ。

ふふふふふ、あんただけ幸せとか、絶対に認めないわよ。



「ユリア、今日は私も泊めてもらおうと思って、構わないかしら?」

「はい、大したおもてなしもできませんが喜んで。」

「リノア、私が村にお願いして、もてなすように伝えるわ。

そっちに行きなさいよ。」

「あら?私がいると都合の悪い事でもあるのかしら?」


クックックックックッ

ユーリのあの鬱陶しそうな顔。

これだけでご飯が進みそうだわ。


「あぁ、そう。そう言うこと。

私とやり合おうってことかしら?」

「ふふふ、何の話をしてるのか、よく分からないわ。

私はユリアを心配して様子を見に来ただけだもの。」

「あはは、ユリアは私に任せてくれればいいわ。

リノアは小じわの心配でもしてればいいの。3本も増えてるわよ。」


2本しか増えてねーわ!

この野郎!人が気にしてることを。

ふふふ、まぁ、いいわ。

ここは我慢よ、リノア。

これから毎日のように泊まりにくるんだもの。


「ふふふ、ユリア、良いお部屋じゃない。

私もしばらく泊めてもらってもいいかしら?」

「あぁぁぁ、そう。そうくるんだ。

じゃ、ユリア、部屋も足りなくなるし、私はユリアの部屋に泊まるわ。」

「ふふふ、私が後から来たんだもの。

私がユリアの部屋にお邪魔するわ。」

「あはは、いつも頑張ってくれてるリノアにはゆっくりして欲しいもの。

一人部屋にいきなさいよ。」

「ふふふ、ユーリがいけばいいでしょうが。」


「あの…3人一緒に…過ごしませんか。。。?」


目の前で繰り広げられる醜い言い争いにユリアは困惑するしかなかった。。。



「では、灯りを消しますね。

リノア様、お姉様、おやすみなさい。」

「えぇ、おやすみなさい。」



30分後…

「ねぇ、リノア、大事な話があるの、もう寝たかしら?」

「………。」


もちろん、リノアは起きている。

食事に睡眠薬が混ぜられていたのも気付いていた。

ユーリのやり口など、とうの昔に理解しているのだ。


ふふふ、何が大事な話があるよ。

人に睡眠薬を飲ませておいて。

さぁ、さっさと来なさい。ユーリ。

あんたが来た所に、こっちは麻痺毒を食らわせてくれるわ。



しかし、やり口を理解してるのはユーリも同じ。。。

ユーリは近寄らない。

毒をたっぷり塗った投げナイフを投げる。


「痛っ!しかも、あんた、毒まで塗りやがったな!」

「あははは、そういうリノアも毒を手に持ってるじゃない。」

「ふふふ、当たり前でしょう。

ユリアといちゃつかれるとウザイから、ぶっ殺しておこうと思ってね。」

「あはは。もう少しでユリアが落ちるというところで。

本当に忌々しい!早く逝けよ。ババァ!」



こうして、ユリア邸での闘いは始まった…。


この後、2人は出入り禁止となる。

このリノアの突撃が結果的にユーリの魔の手からユリアを守ることとなった。

一時的にではあるが。。。


イオリ 12歳


職業:寄生虫LV18

擬態職業:プリーストLV12

熟練度:

寄生虫 LV18(336.85/1800)

プリースト LV12(247.17/1200)

魔女 LV7(671.1/700)

医者 LV8(519.9/800)

諜報員 LV18(214.27/1800)

格闘家 LV9(361.22/900)

大商人 LV2(103.36/200)

魔法剣士 LV2(144.17/200)

暗殺者 LV0(0/50)

寄生先:4(4/4)

親密度:リノア(95/98)

   ユーリ(89/91)

   ブランカ(77/86)

   リーリア(50/71)


スキル:寄生 

・プリースト : 回復魔法(微・小) 毒回復(小)

麻痺回復(小) 速さ上昇魔法(小) 

体力上昇魔法(小) 浄化魔法(小)

・魔女 : 炎・水・土魔法(小) 精神異常耐性

・医者 : 精神安定(小) 解熱(微・小)

病回復(小) 精神上昇(小)

・諜報員 : 人物鑑定(小) 職業偽装(中)

気配遮断(中) 気配察知(小) 視野拡大(小)

聴力上昇(小) 嗅覚上昇(小)

・格闘家 : 格闘術+補正(小)

HP・体力・力・速さ上昇(小)

・大商人 : 物品鑑定(小) 交渉術+補正(小)

・魔法剣士 : 炎属性付与(小)

ステータス(↑プ+魔+医+諜+格+大+魔+寄)

HP 292/292

MP 293/293

体力 199

力  176

魔力 230

精神 257

速さ 211

器用 198

運  194

寄生 27


上位職寄生解放 2/50

成長促進    5/50

潜在職業覚醒  3/50

寄生距離延長  4/50

老化遅延    18/25

性的快楽増強  9/25

吸収率向上   2/25

親密上昇補正  1/25

残ポイント0


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UR外道職『寄生虫』欲望譚 彩都と @saitoto

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