明るい方へ、明るい方へ。

連載当時に拝読していましたが、怖い話なのかそうではないのか、先々の展開がどうなるのか本当に分からなくて、改めて大塚さんの作品の幅の広さに感服致しました。
導入は不協和音がギリギリと鳴りまくる不穏なお葬式から始まり、次に不思議なことが起こります。
最後は、一人の本人が思っているよりも恋人の死にダメージを受けていた女性が彼女に相応しい場所に到達します。
夜明け前が一番暗いと言いますが、今作は彼女と一緒に明るい方へ、明るい方へと向かう作品です。読後感が素晴らしいです。
今作はもちろん単独でも楽しめますが、大塚さんのユニバースではお馴染みの市岡兄弟、間宮探偵、宍戸さんが登場します。彼らが出てくると、なんだか不思議な安心感があります。

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