第38話 自由の国

 ブレンダンド帝国歴430年改めウェルザード歴元年。ブレンダンド帝国はその歴史に幕を引き、革命軍が中心となって、新しい、民主主義の国を立ち上げた。

 最後の皇帝と法王とエッジのした事は全て明るみになり、他にも腐敗した特権階級の悪事が露わにされた。

 そして粛清の嵐が過ぎると、国は生まれ変わり、落ち着きと活気を取り戻した。

 実験で変異しながらも生き延びた子供達は、皇帝を寄ってたかって殺した後は衰弱して死んで行った。

 そしてエランは新たな軍部に入り、軍務についている。

 スレイとセイとレミに革命家の居所をリークしたのはジーナだ。3人を見付けて家にかくまい、わざと目に付くところにメモを残したのだ。そんなジーナはまだ警察に勤めており、犯罪者を追っかけている。

 スレイは、時々頭に浮かぶ知識が気になり、特待生の試験に合格したので、学問の道に進みたいと思っている。

 セイは、警察に入って困っている人の味方になりたいと言うと、ジーナが「しごいてやる」と請け負った。

 レミは、皇都改め首都の劇場で歌を歌う仕事についた。

 そしてそんな3人は、首都のアパートで一緒に暮らしていた。

 この国がどうなるのかはまだわからない。これですべてうまく行くとも思えない。だが、理不尽に命をもてあそばれた皆の敵だけは討ったので、取り敢えず、スレイもセイもレミも満足だ。

【スレイ。もっと思い出せ】

「無茶言うなよ」

 サンは相変わらずスレイの頭に入り込んで、地球の知識を整理、理解しようとしていた。


 ウェルザード共和国の片隅にて。今日も、一日が始まる。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

青い石 JUN @nunntann

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ