あとがき(と蛇足駄文)

 秋埜の進路についてはエピローグを一度書いた後思いついて、急遽付け足したところでした。

 結構前に書いたところを思いだし、なんか逆に似合うかもな、と思ったのは長く書いている話ならでは、だと良い方に解釈する次第。


 初めましての方はそれほどおいでではないと思いますが、書いた人の河藤十無と申します。

 三作書いて伏線も全回収しました。エロ描写もやれました。R15としてはやや際どい気もしますが、まあいいだろっ!(適当


 本作は、前二作で出来なかった「恋人になってからの二人を思う存分イチャこかせる」というコンセプトに基づき、前作で埋めといた伏線(相原先生の見合い話)を回収しつつ、周辺事情で肉付けしながらまとめる方針だったため、最初から最後まで構想通りに完結した、自分には珍しいパターンでした。いやあ、まさか予定通り12話で終わるとは思わなかった。やれば出来るじゃん、自分。


 プロッティングも、脳内で、とはいえほぼほぼ考えていた通りで、途中で方針転換することも余計なエピソードを足すくともなく実にスムースに書き進められ、次から次へと単語と会話が浮かんで半月で8万文字少々書けた、というのも自己最速記録を更新出来たのではないかと、思われます。まあこのシリーズはいつも書くのは早い方なんですが。

 あと濡れ場描写の引き出しがスッカラカンになった感。「欠けた音とターナの空」の濡れ場描写どうしよう……まああっちはそれ以前に再開の目処が立っていないんですけど。



 だがしかし。それで面白くなるとは限らないし、増して衆目に触れるわけでもない。自分が読みたいものを書きたいように書いたんだから、自分で面白く思えるのは当然ですが、他人様から見てどうかは…どうなんだろうなあ。



 まあ終わった話で愚痴を言っても仕方無いので、この辺りで。

 最後までお読み頂いた方には心の底から感謝を。


 ではでは。
















 おまけというか自己満足で、各話の自己所感など。需要が無いのは認める。ただ自分が書きたいダケ。


〇第1話・三度目の「初めて」

 いきなり際どいシーンからのスタート。微エロコメディだ、という説明をしたかったからなのですが、冒頭からこれだと……まあいいか。今さらだっ。


〇第2話・荒ぶるアラサーの華麗なる婚活

 前作の伏線の回収開始。麟子のおばあちゃんは、大体こんな感じ…っていうのはあったものの出番に恵まれていなかったので、今回そこそこ台詞もあったのが良かった。

 割と豪傑系のおばあちゃんで、麟子の胆が据わってるところは大体このおばあちゃんから受け継いでる感じか。

 あと相原先生が残念過ぎる。


〇第3話・密室ぷらす密着…いこおる?

 イチャイチャ回2本目。珍しく麟子の方から迫っていく場面。

 秋埜の子供の頃、いじめっ子から逃げて隠れていたことの思い出話からのー、という展開は書きながら思いついたけれど、書き手的にはシームレスに繋がってこの辺積み重ねの賜物だなあ、という気はする。


〇第4話・淑女の暴走

 今回、完全に残念女と化した緒妻先輩の残念回。いやこのひと、1作目から恋人が絡むと徹底的に残念なんですがね。流石にこれだと落差がヒドすぎるので、後で名誉挽回の機会は与えざるを得なかった。


〇第5話・悩める友人の藁にもなれなくて

 引き続き残念女の残念会…前作、前々作から引き続き読んでいただいた方には幻滅し、そーでない方にはよく意味が分からん誰得な前半。正直この辺は失敗したかなあ、と今でも思っていたりして。

 後半は麟子の数少ない友人、星野彩友のお悩み相談。前々作では話の進展にかなり決定的な影響を、書き手も想定しなかった形で与えたもんですが、これも秋埜の親友今村基子に懸想する…なんてぇのは実は書き始めるまであんま考えてもいなかった。

 三作通じてこのキャラは、作者の気づかないところで「こんなものがある」と呈示してくる貴重なキャラだったなあ、と思うのでありました。


〇第6話・見えてなかったものが見えたからって解決するとは限らない、ってこと

 題を考えるのはあんま得意じゃないので、困った時には語感最優先にして無駄に長いもので誤魔化すことがよーあるのですが、これはその典型。

 今村基子は、サブキャラの中では一番気に入ってるキャラなのですが、ぞんざいな言動と、それと対成す繊細な部分を盛り込めて良かったなあ、と思った回。


〇第7話・そう思わせてくれた彼女はきっと、ひとりだった

 →でも主人公は同時刻ひとり上手をしてました(滅)

 完全に麟子のオ〇ニーがメインの回。


〇第8話・わたしたちの恋

 真面目に書かれてますが、本作のコンセプトからはやや外れ、むしろ前作までのノリに近い回。

 なんでこれを入れたかというと、まあ思いついたんだから仕方ないじゃない?


〇第9話・顧みられぬ迷惑というもの

 相原先生のお見合いの続きと、緒妻先輩の名誉挽回の回。

 本作だけ読んだ方にはご納得頂けないと思いますが、緒妻は本来は面倒見のいいほんわかお姉さんなんですよ…。


〇第10話・しやわせの対称性

 アップした後で気づいたんだけど、正しくは「しやわせの非対称性」なんじゃないかなあ…主人公二人のいちゃいちゃデートと、終盤の落差が、まあヒドい。


〇第11話・海へ…?

 今回麟子と秋埜の両親はあんま出せませんでした。同性の恋と家族、という、前二作の命題についてはとっくに解決してしまっているので、登場させる必然性が全く無くて。

 で、ラスト、別荘で二人がああああああああは当初から決まってたラストなんで、そうなる必然性を持たせるためにこーいう展開になった、と。

 まさかとは思うがそのためだけに相原先生お見合い失敗させられたんじゃないだろうか、と今さらながら気がついた(酷)


〇最終話・月と海の見守る中で

 タイトルはキレイだけど中身は二人がくんずほぐれついんぐりもんぐりするだけの最終話。ぶっちゃけこれを書くためだけにここまで話作ったと言っても過言では無い(キッパリ)

 ただし、百合のベッドシーンの引き出しはこれで使い切った。もともと少ないものを空にしたので、もう書けん。


〇エピローグ

 一作目のラストが卒業式だったので、最終作のラストも卒業式だよな、ってことで書き始める前からこういうエピローグにすることは決まっていた。

 麟子の卒業式ではなく、秋埜の卒業式にしたのは、秋埜が卒業しないと二人一緒に世の中に向き合っていこう、って場面にならないから。




 うむ、手前味噌も過ぎるけど、一度自作の一話ごとの解説はしてみたかったので、満足。

 今までやらなかったのは、話数が多すぎて面倒だから。足りないのは情熱、というわけさ。




 ところで、話のキャラとして一番のお気に入りは今村基子だけれど、女性として好みなのは相原先生だったりする。

 自立して仕事も出来るけど割り切りが深く、その割には情が深い。趣味はカッ飛んでいて我が道を行くを体現し、結婚願望が強いとか意外に家庭的な面もあったりする。年下の従姉妹にも呆れられるダメっぷりなんか特にイイ。

 どうか次辺りでいい男のひとが見つかりますよーに。作者として心から祈るものです(作者なら書けよ)。




 よしこれで全部終わりィッ!

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わたしと彼女の、可愛き日々 河藤十無 @Katoh_Tohmu

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