後編(上下の下) 『宇宙ごきvs.宇宙ネズミ軍団』

 気が遠くなるような時の流れに乗っかって、宇宙ネズミと宇宙ごきは、はてしのない争いを繰り広げてきた。


 宇宙ネズミ軍団は、こと、ここに至って、新兵器をついに、投入したのである。


 それが、『宇宙ごきぽいぽい』である。

 

 本体は、大方、地球の月くらいのサイズがある。


 中は、原子分解炉で、どのような物質も水素原子に還元される。


 つまり、捕獲されたら、宇宙ごきに限らず有効であり、宇宙ネズミも、例外ではない。


 しかし、敵方にのみ被害を与える核兵器や爆弾は、まあ、ない。


 宇宙ネズミには、ひとりひとり、相手を確認して攻撃してゆく、ハイテク、いや、ローテク兵器もあるが、宇宙ネズミと宇宙ごきは、あまり、つまり、大きさが変わらない。


 宇宙ごきも、似たような兵器は持っているので、ネズミの背比べとか、に、なりやすい。


 だいたい、体長100センチメートルから、250センチメートルの間である。


 ただし、地球人類とは、単位の認識も違う。


 ハイコスト、ローリターンなので、大物狙い向きである。


 大切なのは、吸い込み口である。


 これは、宇宙空間に空いた、落とし穴みたいなものである。


 だから、へたすると、自分たちも、落っこちる。


 穴の場所は、随時移動可能である。


 吸い込まれたら、ブラックホールみたいに、異空間を経由して、本体に落ちる。


 相手のサイズは、問題にならない。


 もちろん、中央管理室が、コントロールしてはいるが、場所の情報が出てしまうと、効果が薄くなる。


 たから、軍事機密なのだ。


 宇宙ネズミ軍団は、かなりアバウトな兵器でもあり、大量殺害兵器でもあるし、これまで、あまり使ったことはない。


 もし、穴を巨大にすれば、地球ごと、飲み込んでしまえるのだから。


 宇宙ネズミ共和国総司令。


 かの、ネズラー・アウレリウスも、この絶滅破壊兵器は好きでなかった。


 しかし、新大統領ネズラン・プリンは、かなり残忍な性格だった。


 彼女は、あっさりと、決断したのである。

 

 『永年の非生産的関係を絶ち、ついでに、将来やっかいな存在になりかねない、地球人類とともに、まぜご飯にせよ。ちゅう。』


 もはや、宇宙ごきも、地球人類も、絶体絶命だったのである。


 『ネズミ口を、地球の公転軌道、1時間後に配置せよ。』


 ネズラー総司令が命じた。


 『ああ、天よ、許したまえ。ちゅ。』


 ネズラー総司令は、呟いた。



       🌍





 しかし、その地球がネズミ口にはまる直前、冷蔵庫宇宙からつまみ出され、やましんさんに、ぱっくりと、やられてしまった。



 『うん。地球アイス、うまいな。』




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


   🙇 🙇 🙇 🙇 🙇 🙇


 作者の病気のため、当初、ビッグ宇宙オペラとなるはずでしたが、より、簡潔になりました。

 



 

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『宇宙ごきぽいぽい』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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