「幕間 前夜」まで拝読しました。
まだ途中ですが、何クールにもわたって放映されているアニメを見ているような気持ちになります。
ウイルスが蔓延して大災害『インフェクションテンペスタ』が起き、人類の三割が巻き込まれてしまった地球が舞台。
世界各地では戦闘などの混乱が勃発し、それを鎮めるために、ペトゥロという男性が『ユグドラの木漏れ日』という団体を発足。『革命の円卓』に名を連ねる幹部メンバーは、人類を救うため、とある計画を遂行する。
その計画とは、『星の塔』から光を放ち、人類を強制的に進化させる『審判』。
しかし中には対応できない者も多く、進化するものがいる一方で、無残に散りゆく命もあった。
『ユグドラの木漏れ日』は統一政府を立ち上げ人類の掌握をはかるが、強制的な進化を良しとしない者や、『審判』によって身内を亡くした人々が反政府軍として立ち上がり、対立の様相を呈する。
第一部では、進化した人類が灰と化してしまう事件が勃発。
刑事の劃たちが捜査に赴くと、そこに埋葬屋という謎の人物が現れるが、逃げられてしまいます。
いやー、なんとも謎めいた始まりで、ぐぐっと引き込まれました。
そして、劃たち刑事が犯人である埋葬屋を追い詰めていく話なのかな……と思って読んでいると、仲間が殺され、劃自身もどこかへ拉致されてしまうという衝撃の展開が!!
第二部では、それまで小出しにされていた『審判』についての詳細が語られ、さらに劃たちが追っていた埋葬屋がどうやって設立されたかが明らかになります。
『審判』に関する一連のエピソードや、ペトゥロとその相棒だったはずのジュダ、そして『審判』によって愛する者を亡くしたアシモフ。その他、ディックやイアンコフなど脇を占めるキャラクターたち……。
彼らのことがバトルシーンとともにしっかり描かれていて、さらに年代も数年・数十年と進んでいき、物語の壮大さをひしひしと感じます。
ハードな展開も多いんですが、その分ジュダとイヴのシーンがとても微笑ましくてよかったです。
文章はやや粗削りな気がしますが、反面、「書きたいものを書いているんだ!」という勢いを感じて、私も書き手としてこうありたいと思いました。
ジュダ率いる埋葬屋がペトゥロたちとどう対峙するのか、物語がどうやって決着するのか気になるところです!
【簡単なあらすじ】
ジャンル:ローファンタジー
「審判」から三十年。都市では人が灰になって消える灰化現象が続出。主人公たちは、その事件を捜査していた。灰の身元を調べようとしていたところある不一致に気が付く。更に詳しく調べようとしていたところ、ある人物に呼ばれ捜査資料を渡されるのだが。まさかそれが、自分たちのその後の運命を変えてしまうことになろうとは思ってもいなかった。彼らの運命はいかに?!
【物語の始まりは】
”朽人”という意味深な言葉を発れられるところから始まっていく。ある二人が美しい砂のようなものを袋に詰めているが、一体それにどんな価値があるというのだろうか? 彼らを通して伝えられるのは、不思議な光景不思議な体験。そして、最後に残された言葉は誰のものなのか?
謎の多場面から始まり、本編に入ると何か事件が起きたことが分かってくる。被害者は二名のようだが、これが冒頭の彼らなのだろうか?
【舞台や世界観、方向性(箇条書き)】
人が灰の様なものにされる事件が多発してる状況。
埋葬屋という謎の人物が存在する。彼の仕事は一体?
オーディナルシステムというものが存在する。
多視点からなる群像劇。
【主人公と登場人物について】
主要な人物は三人の刑事だと思われる。
彼らはこの事件(人が灰のようなものにされる事件)の対策チームで初めて出会ったようで、妙に馬が合い捜査を行う時はよく三人で行動しているようだ。
【物語について】
彼らが灰の身元を調べようとしたところ、ある不可解な点を発見する。それをさらに詳しく調べようとした矢先に、彼らに会いに来た者がいた。その者は普段ならば、絶対に会うことのできない人物。彼らはその人物から直々に事件解決の依頼と、その事件に関する話を聞くことになる。その者から事件の情報を手に入れた彼らは、その資料から犯人を導き出したのだが……。
彼らは犯人を調査していたところ、自分たちもある陰謀に巻き込まれていく。この物語は、死=終わりではない。それは序章に過ぎないと感じた。果たして主人公はどうなってしまうのだろうか。
【良い点(箇条書き)】
・あらすじに”裏で起こる巨大な陰謀の渦に巻き込まれていく”とあるが、巻き込まれ方が想定外。
・タグに”主人公は最強”とはあるが序盤では想像がつかない。一般の刑事に見えるからである。しかしあるところまで差しかかると、想定外の展開に驚く。
・バトルものであるということは先に分かってはいるものの、構成が巧いので先が読めず、意外性と独創性が素晴らしい。
・冒頭の方は事件ものであり、ミステリーのような雰囲気を持つが、異能力者たちのバトルが熱い。不思議なバランスと魅力を持つ物語である。
・一人一人戦い方が違うようであり、戦闘自体に見どころがある。
【備考(補足)】8ページまで拝読
【見どころ】
まず構成が面白い作品だという印象。推理モノのような始まりであり、主人公達が事件を追っていくところから始まるが、気づけば異能力バトルとなっている。事件の黒幕は早々に分かる為、早くも事件解決か? と思わせる展開も秀逸。しかしそれは始まりに過ぎないのである。まさか主人公たちが事件自体に巻き込まれるとは、あらすじを読んでも想像できない。意外性の詰まった作品である。何故彼らが戦っているのかも、序盤で明かされていく。一体どんなラストになるのか、誰が勝利するのか予測不能である。
主人公はこの戦いにどのような立場や位置で関わっていくことになるのだろうか? 果たしてその結末とは?
あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? この物語の行く先をその目で是非、確かめてみてくださいね。お奨めです。
今回はとりあえず第一章だけ読まさせてもらったが、とても興味をそそられた。
まず、表現の仕方が綺麗。言葉のチョイスが優れていると思う。本文を読んでいるだけで小説内の情景がありありと浮かんできて小説の世界というものを疑似体験させてくれる。
また、書き始めもインパクトがあり、つかみとして上々だと思う。そこから展開するストーリーも大変面白く、この続きもぜひ読ませていただきたいと思わせてくれた。
マイナス面では、表現の綺麗さに対して、もう少し文章が良いものにできるのにな、と思ってしまうような文があった。表現が綺麗な分、そこが目立ってしまっている気がした。
全体的に見て、とても面白かったと思いました!これからも頑張ってください!