捕食

ツー…


彼の鼻から一筋、血が流れた。

僕は吸い付くようにそれを舐めとり、そのまま押し倒しながら深いキスをする。

甘美で性的で、舌を刺すような刺激的な味に、脳まで溶けそうになった。

ゆっくりと舌と舌を密着させ、味わいながら口の中を泳がせる。一通り口内を犯した後、彼の顔を見ようと少しだけ口を離した。

銀色の糸が、二人の唇に名残りをのこす。


「ノー、ミードさん…♡」


ヨスカ君のあの射抜くような瞳が、とろとろに蕩けている。いつも引き締まっていた眉間は緩み、口はまだ物欲しそうに少し開いていた。

今まで見たことの無いヨスカ君の表情に、ぞくぞくと込み上げる痺れが、背筋から下腹部へと伝わる。


「ヨスカ君…、すまないね…君の心配していた通り、シミになるのは鼻血だけじゃないかもしれないな…。」


ぐりっ♡


彼の太腿を割り、少し固くなったそれに足を擦り付けた。


「ひっ、ん"ッ…♡♡♡」


ヨスカ君は腰を跳ねさせ、嬌声をもらす。

口に手をあて、震えながら声を我慢している様子が意地らしく、僕の性欲を掻き立てた。


「ハァ…♡ヨスカ君、声を、聞かせてくれないか…♡」


「ン"ッ…♡ふ、ぅ"…♡ぅぅ…♡」


ふるふると首を横に振るヨスカ君。


「…じゃあ、こうすれば出してくれるかな…?」


僕は可愛らしく震えていた乳首に舌を伸ばしながら、彼のスラックスのファスナーに手をかけた。窮屈そうにしているそれを、ゆっくりと解放していく。


「へ、ま、待って、下さッ…!」


「すまないね、こう見えて気は長くないんだ。」


言いながら舌を乳首に絡め、とろとろに濡れている彼のそれを手で包み、いやらしく扱いた。


「ぅぁ"ッ♡♡♡///や、やめ"ッ♡♡そんなとこ、直接ッ…!きたなぃ"ッです♡♡♡」


「ハァッ…♡汚い…?そんな事はないよ…、僕は君のものなら、口にだって咥えられるけどね…♡」


「く、口にッ…なんて、そんな…ッッ♡♡♡♡///」


手の中で扱いていたものがびくりと跳ね、大きくなった。


「おや…♡期待させてしまったかな…♡なら、答えてあげようか…♡♡」


「あ"っ、ぁ……ッ♡♡いや"ッ…違っ…ッ♡♡♡///」


胸もとで遊ばせていた舌を下腹部の方へとゆっくり這わせる。舌が近付くにつれてヨスカ君の腰が浮いてくるのが分かった。


「…エッチな格好だね、ヨスカ君…♡ほら、君が僕に食べられるのを、よく見ておくんだよ…♡」


「や、やめてくださッ♡ノーミードさんのッ♡♡///お口がよごれてしまぅ"ッ…!////」


非力ながらも必死に脚を閉じようとしているヨスカ君。

ああ、愛しい。そんな力で抵抗したつもりなんだろうか。それとも抵抗するふりをしているのか。どちらにせよ僕を煽ることに変わりは無い。

ヨスカ君の期待に膨らませたそれは、抵抗の甲斐なくずるずると僕の口の中へ誘われていく。

口内で舌が蠢く度に、ヨスカ君の腰が跳ねた。


「や"ッ♡ぁ"ッ♡♡♡のぉ、みぃどさん"♡♡♡それッ♡だめっ♡♡だめですッ♡♡くッぅうぅ"♡♡♡」


「…ふ、ン"…♡」


ぢゅるるるッ♡ぬるぅッ…♡


駄目とは言いながらも、舌が動きそれを舐る度に、腰を動かしてうっとりとこちらを見詰めるヨスカ君。本当は嬉しさと気持ちよさでいっぱいなのだと、その顔に書いてあるようで。その腰の動きが、もっと奥までと乞うているようで。

僕はゆっくりと根元まで咥え込み、びくびくと痙攣するそれを口内で激しく扱いた。


「あ"ッぁ"ッ♡はげし、ぃ"ッ♡♡♡だっ、だめっ♡♡♡♡イク♡♡イッちゃう"ッ♡♡♡お口の、中でぇ"っ♡イクぅぅ"ッ♡♡♡ぁ"ッッッ…ん"♡♡♡♡」


びゅるっ♡


口の中いっぱいにヨスカ君の味が広がる。ごくりと飲み下すと、ヨスカ君が慌てた様子で腰を引いた。


「はっ、ぁ"あ!!?だ、駄目ですノーミードさん!!!そんなもの飲んじゃ、お腹を壊したらどうするんですかぁ"!!!?ほら、吐き出して下さい!今すぐ!!」


「…ヨスカ君、大丈夫だよ。寧ろもっと欲しいくらいかな。」


ぬるっ♡


僕はヨスカ君を宥めるように、吐精したてのそれを優しく舐めた。


「あ"ッ♡♡♡ま、待ってッ、くださ…ッ♡♡今はッ…!♡♡///」


逃げるように引いているヨスカ君の腰を、手で捕まえる。そのまま再び根元まで咥えると、まだ少し精液が残っているのを搾り取るように先の方まで吸い上げていく。


「ひッッッぃ"♡♡♡む、むり、ですッ♡♡そんな、気持ちよすぎてッ…♡♡♡///溶けッ、るぅ"…ッッ♡♡」


甘い声に脳が痺れる。ゆっくりと口を離すと、「はぁ…ッ♡」と艶やかな息を吐いて脱力し、恍惚の表情を見せるヨスカ君。

ぴくんといやらしく跳ねる身体と、その熱く甘い視線は、立派な興奮剤となり僕の劣情を煽った。


「…駄目じゃないか、ヨスカ君。…そんな姿を見せられると、もっと悦ばせたくなっちゃうだろう…♡」


「へっ…、?」


僕はまだ小刻みに痙攣して跳ねているそれの先端部を咥え込み、舌で裏筋を舐め上げる。


「あ"ッッッンん"ッ♡♡♡♡」


ヨスカ君はまた受け止めきれないほどの快感を与えられ、全身をびくんと跳ねさせ仰け反った。

僕はそのまま口に咥えた先端部全体をゆっくりと舐めまわし、舌で包むように嬲る。


「や"ッ♡♡♡♡そんな、ッぁ"♡♡こわれッぅ"♡♡♡♡またイクッ♡♡またイクぅ"ッ♡♡♡」


ぬぷッ…♡♡♡♡


ヨスカ君が二度目の絶頂を迎えると同時に、僕はヨスカ君の下の口に指を挿しこんだ。


「ぇ"ッッッ…?ぁ"…ッッッ♡♡♡♡♡♡」


僕の唾液と彼の精液が潤滑剤となり、滞りなくずぷずぷと僕の指は飲み込まれてゆく。


「い"っ♡♡♡イ"ッてるッ♡♡♡♡イッてるのにぃ"ッ♡♡♡♡ハァッ♡今、そんなことされたら"ッッ♡♡♡////おかしくなりますぅ"ッ♡♡♡んッッ♡うぁ"あッッ♡♡♡♡」


「はは、いいね♡おかしくなったヨスカ君も見てみたいなぁ…♡///そうだ、ヨスカ君は射精スイッチを知ってるかい?♡」


中で指をばらばらに動かしながらその場所を探り当てる。


「は、ぁ"ッ♡♡♡す、すぃッ、ち、なんてッ♡♡♡知らないッ、知らないですからッ…♡♡♡♡///あ"ッ♡♡♡もうやめ"ッッ…ん"♡♡♡♡」


「知らないんだね、…♡じゃあ、教えてあげようか…♡♡♡ココにあるんだ…♡♡♡♡♡///」


コリュッッ♡♡♡♡♡


「―――〰ッッッッッ!?!!♡♡♡♡♡♡////」


ソコを押した途端に、ヨスカ君は声も挙げずに再びイッてしまった。


「おや…ふふ、声も出ないほど気持ち良かったのかな…♡エッチだね…♡♡///ハァッ…♡」


言いながら、指をゆっくりと抜き、自分のベルトに手をかけた。


「すまないが、そろそろ僕も限界みたいだ…♡一緒に気持ちよくなろうか、ヨスカ君…ッ♡///」


つぷッ…♡


ヨスカ君の可愛い姿を見た興奮で、これ以上ないほど膨らみきっていた僕自身を、ぐちょぐちょに濡れてしまった部分へあてがう。


「ぁ"ッ…♡♡♡ハァッ♡♡♡の、ぉ、みぃど、さんッ…♡♡♡♡/////」


「ヨスカ君…♡♡ふ…♡ッん"♡♡♡////」


ゆっくりと中に飲み込まれてゆく僕の一部分から、腰が砕けそうなほどの快感が全身に伝わる。

どちらの心音かも分からないほど身体を密着させ、見つめ合いながらひとつになった。


やっと…、ヨスカ君が僕のものに。

そう感じた瞬間、もはや箍など外れきっていた。頭の中は真っ白になり、ヨスカ君のことしか考えられない。気付けばヨスカ君の中を突く腰は止まらなくなっていた。


「はぁッ♡♡ぁ"ッッ♡♡♡♡ン"ッ♡♡♡のぉみぃどさんッ♡♡♡♡///は、激しぃ"ッ♡♡♡♡////」


「ハァッ♡ヨスカ君ッ♡♡好きだッ♡♡♡///くっ…♡♡♡♡中、こんなに締め付けてッ♡♡♡♡悦んで貰えてるのかなッ♡♡♡////僕も嬉しいよッ♡♡♡♡」


「ぁ"ッッッ♡ぐ、ぅ"ッ♡好きッ♡♡僕も好きですッッ♡♡♡のぉ、みいどさんと、ッ♡えっちできてッ♡♡うれし、い"♡♡んぁ"ッ♡♡♡♡///」


ぢゅぷんッ♡♡♡♡


その言葉でより一層理性は薄まっていく。


「ヨスカ君ッッ♡♡♡♡そんなにッ♡可愛いことを言うなんてッ♡♡♡♡////煽るのが本当に上手だねッ♡♡♡///ハァッ♡♡僕以外には絶対にそんなことを言っちゃだめだよッ♡♡♡///」


「ぁ"ッッッ♡♡♡♡ぅ"ッ♡♡♡♡い、言いませッん"ッッ♡♡♡♡////のぉみぃどさんだけッ♡♡♡僕が好きなのはッ♡♡のぉみぃどさんだけですッッ♡♡♡♡ンん"ッ♡♡♡♡♡♡」


「ハァッ♡♡♡……ッ僕も、ヨスカ君だけだよ…ッッ♡♡♡♡////」


ヨスカ君への愛しい気持ちも、愛を刻み込むための腰もとまらない。ヨスカ君の耳元で何度も何度も愛を囁き、前も激しく扱きたおす。


「あっ♡♡あぁ"ッッッ♡♡♡♡の、みぃどさんッッッ♡♡♡♡もぉ、イクッ♡♡イ"クッッ♡♡♡ハァッ♡♡ッイッッックぅ…♡♡♡♡♡♡////」


ヨスカ君の中がうねり、搾り取るように締め付けてくる。脊椎が甘く痺れ、息が詰まる。じわりと広がる快感が下腹部に集中した。


「ハァッ♡僕も、出すよ…ッ♡♡♡ハァッ…ッ♡♡一緒に、イクッ…♡♡ッふ、ぅ"ッッッ♡♡♡♡♡ぐッ…♡♡♡」


ビュルルルッ♡トプッ…♡♡


「はぁ…♡……ハァッ…♡♡」


と、互いに息を漏らしつつ、余韻に浸る。


「ハァッ……♡ノーミード、さん…ッ♡////」


火照った顔で名前を呼びながら抱きついてくるヨスカ君。これが無意識だと言うのだから困る。お陰様で僕のそれは今出したばかりだと言うのにまた復活してしまった。


「ヨスカ君………。」


ギシリ…


「…?ど、どうしました?ノーミードさん…。」


僕の様子を見て何かを察したのか、たじろぐヨスカ君。後ずさる腕を掴み、手首にキスを落とした。そのまま逃げられないように手を縛り、ヨスカ君に語りかける。


「おそらく、君の意識がある内にはやめられないだろうけど、君の自業自得だから頑張ろうね…♡」


「ひ…ぇ」


この夜は長いディナーとなった。

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迷える子羊 王水 @pinnsetto87653

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