48話 The beginnig of a new nightmare D.C

前回までの千刃花センジンカ〜帝国特務テイコクトクム戦闘部隊〜セントウブタイ


キキョウ救出任務として煉獄レンゴク 冥府大監獄ゲヘナプリズンに侵入した

ツバキ、ジジ、アキレイ、リナリア

チョウラン、ラナンキュラス。

一方、その裏では消息不明になっていたジニアが

キキョウの救出に成功。

更にジュダスやふみ子を加え

念願だったサフィニアと対峙タイジしたジュダスは

屍人形シカバネニンギョウと化したサフィニアを

自らの手でトドメを刺し

最後の別れを告げると

ジジ、リナリア、チョウラン、ふみ子、ジュダスは

ナーベルクのスパイだったモンティの力を借りて

先に脱出に成功する。

そして、真打ちとして登場したソープワイトは

鞘花ショウカ5人を一手に相手取り

出口のない毒の結界

狂鬼乱不ノ裏通死番地コトロコトロを発動した。

ソープワイトの圧倒的な毒の前に苦戦する5人は

果たして、この冥府大監獄ゲヘナプリズンで生き残れるのか。それとも...



ソープワイト

「ナーベルクが誇る鞘花ショウカの半数以上を

この冥府大監獄ゲヘナプリズンに幽閉する事に成功した。

そう言えば伝わるかね?」


ツバキ・ラナン・アキレイ・ジニア・キキョウ

「ッッ!?!?」


ソープワイト

「戦力の分散など初歩中の初歩。つまり...」


アキレイ

「幽閉だと?何を言っている!!」


ツバキ

「やはり...皇帝などいない。という事か。」


キキョウ

「そんな!!私はオトリだった...って事?」


ジニア

「初めから...仕組まれとったんか...」


ラナンキュラス

「だから...時間を稼いでいた。

僕達が...1箇所に集まるまで。」


ジニア

「何が目的やねん!!!ソープワイト!!」


アキレイ

「...ナーベルクに何を...何をしたぁ!!!

ソープワイトォオオオオ!!!」



ソープワイト

「何をしたかって?バカかね!!!

情報を撹乱カクランし、私自らが出向き

鞘花ショウカを集めた。

考えなくとも分かるじゃあないか。」



アキレイ・ラナン・キキョウ・ツバキ・ジニア

「ッッ!?!?」



ソープワイト

「宣戦布告だよ。」



作者 REN’sJackson


千刃花センジンカ帝国特務戦闘部隊テイコクトクムセントウブタイ〜ー

煉獄レンゴク 冥府ゲヘナ大監獄プリズン

Seasonシーズン31サーティワンThe beginningビギニング  of a newオブアニュー nightmareナイトメア D.C  ダ・カーポ



ラナンキュラス

「宣戦布告だって?

それはどういう意味だい?」


ソープワイト

「そのままの意味だよ。」


アキレイ

「今更、宣戦布告など意味は無いはずだ。」


ジニア

「せやから怪しすぎるっちゅう話しや」


キキョウ

「また争いが激化するんじゃ...」


ツバキ

「させぬ。」


ソープワイト

「ヌッフフフフ。

その結界の中で身動きも取れん猿共が

何を言っているんだね?」


ラナンキュラス

「そっちも手出し出来ないのは

変わらないはずさ。」



すると断絶月時雨ダンゼツツキシグレに沿って

ドロドロと毒がシタタり落ちていく。


ツバキ

「...これは」


ジニア・キキョウ・ラナン・アキレイ・ツバキ

「ッッ!?」


ツバキ

「散れ」



突如、パリンと結界が破壊され

毒が流れ込んでいく。

そして5人は四方に散らばった。


ジニア

「なんやねん!!

空間を断絶しとるんやないんかい!!」


ラナンキュラス

「気を付けて!!足元も毒だらけだ!!!」


アキレイ

「絶対触れるな!」


ツバキ

「私に指図するな」


ジニア

「わーっとるちゅーねん!!!」


ジニア・ツバキ・ラナン・キキョウ・アキレイ

剋刃ゴクハ 十七ジュウナナ 浮天地遊フテンチユウ!!!』



5人は一斉に浮遊刃術ジンジュツを唱え

足を数センチ浮かせた。


アキレイ

「ツバキの技を貫通する毒だと!?」


キキョウ

「一体...これは...」


ソープワイト

「ヌッフフフフ!!

狂鬼乱不ノ裏通コトロコトロの毒は

ただの毒じゃあない!!

刃汽ジンキで構成された物質を

溶かし尽くしていく猛毒!!

サヤが生み出した技も例外ではない!!

生半可な刃汽ジンキで押し固めたものなど

何の意味もなさない。

もちろん。天輪浄衣テンリンジョウエでさえもね。」


ジニア

「グッ!!何やと!!」



ジニアの肩が毒に触れ

その触れた箇所からキキョウが発動した

天輪浄衣テンリンジョウエが溶けていった。


キキョウ

「まずい!!!!」

照刃ショウハ三十八サンジュウハチ泡盛アブクサカン!!』


ジニア

「ナイス!!キキ!!!」



ジニアが泡に包まれると

キキョウは天輪浄衣テンリンジョウエを補完した。



アキレイ

「キキョウ!!まだだ!!

内側にあるジニア自身の天輪浄衣テンリンジョウエまで侵食している!!」


ジニア

「何やと!?キキーーー」


  ツバキ遮る様に

剋刃ゴクハ  四十四シジュウシ断絶断壁ダンゼツダンペキ


ジニア

「な!?ガハッ!!!」


ラナンキュラス

「ツバキ!!ナイス!!」



ツバキは刃術ジンジュツを弾く障壁で

ジニアごと吹き飛ばした。


ジニア

「グッ...すまんなぁツバキ」



  金色木乃伊コンジキミイラの砂で

身体を受け止めたジニアはゆっくりと砂の上で

立ち上がった。


キキョウ

刃汽ジンキで構成された物質を溶かした。

そんな事...あり得るの!?」


ジニア

「んなこと言ったってしゃーないやろ!!

キキ!!!今すぐ天輪浄衣テンリンジョウエを解除せぇ!

意味ないんやったら邪魔くさいだけや!!」


キキョウ

「はい!!!!」



そう言うとキキョウは天輪浄衣テンリンジョウエを解除した。


ジニア

「グッッ!!こんなんやったら

まともに歩かれへんやんけ!!!」


キキョウ

「歩くだけで刃汽ジンキが奪われるかもしれません!!」


ジニア

「難儀な技やな!!!!

俺が今から足場を作ったる!!!

大砂海ダイサッカイ!!』



ジニアが  金色木乃伊コンジキミイラを振りかぶると

何万tもあるであろう砂の海が召喚され

腕を振り下ろすと共に砂が轟音を立てて降り注いだ。


ソープワイト

「その砂でさえ消えていくのも時間の問題。

毒の質量に対して同等の質量であれば全て溶かし尽くす。

もって...数十分かね。」



ツバキ達はふわっと着地すると

ソープワイトをニラんだ。


ツバキ

「貴公をつのに充分な時間だ。」


キキョウ

「隊長達の天輪浄衣テンリンジョウエも意味がなくなるってことは...」


ツバキ

鞘花ショウカのアドバンテージである硬さが

無くなるという事だ。」


ジニア

「せや。生身で戦うんと変わらへん。

技を食ろうたらシマいやぞ。

分かってんやろな。

回復の速さが勝敗を分ける。」


キキョウ

「そうですね。」


アキレイ

「だったらこの結界を壊すまでだ!!

ラナン!!!!」


ラナンキュラス

「オーケー!!!」


アキレイ

  消炭ケシズミにするぞ!!」

滅刃メツハ  四十シジュウ鬼火ノオニビノ殺弓コロシミ!!』


ラナンキュラス

滅刃メツハ  四十一 シジュウイチ雷神鉄槌ライジンテッツイ!!』

複合合成フクゴウゴウセイ刃術ジンジュツ!!!』


アキレイ

滅刃メツハ 八十一ハチジュウイチ  鬼雷オニビカヅチ!!!』


  ラナンキュラス遮る様に

神殺ノカミゴロシノ鉄弓テツユミ!!』



イカヅチを纏う巨大な火炎の矢が

狂鬼乱不ノ裏通コトロコトロ天蓋テンガイに向かって放たれた。


ソープワイト

「甘い!!!!!!」

滅刃メツハ 四十四シジュウシ  伍毒霊会ゴドクリョウエ  巍々害々キキガイガイ!!』


キキョウ

薬毒ヤクドク系高等滅刃メツハ!?

見たことありません!!!!」


ジニア

「俺も知らん刃術ジンジュツやな。

せやけど、複合合成フクゴウゴウセイ刃術ジンジュツやぞ。負ける訳ないやろ。」


ツバキ

「あの刃術ジンジュツは...」



ソープワイトは山の様に大きな毒のカタマリ

五つ召喚すると神殺ノカミゴロシノ鉄弓テツユミに向けて放ったが

予想に反して相殺されてしまった。


ラナンキュラス・アキレイ

「何!?!?!?」


キキョウ

「嘘...でしょ...」


ラナンキュラス

「僕とアキレイが放った滅刃メツハが...」


アキレイ

「相殺された!?」



ツバキ遮る様に

「油断するな。」

天黴雨ノ絶カラツユノタチ 是空 ゼクウ


ソープワイト

「...ほぅ。

この刃術ジンジュツを知っているのかね?」



ツバキは相殺された箇所に向かって

空間の奔流ホンリュウを叩きつけた。


ラナンキュラス

「...まさかこれって」


ツバキ

「あれは召喚刃術ジンジュツだ」


キキョウ

「召喚刃術ジンジュツ!?」


ツバキ

刃術ジンジュツの中で 四十四ヨンジュウヨン番は

特別な刃術ジンジュツに位置する。

後述詠唱コウジュツエイショウが必要な治癒音波チユオンハ四汽連祷•シキレントウ

弾く刃術ジンジュツの倍の刃汽ジンキを要する断絶断壁ダンゼツダンペキ

そして、毒の化身を生み出す伍毒霊会ゴドクリョウエ  巍々害々キキガイガイ

どれも習得するに鞘花ショウカクラスの刃汽ジンキ量が無ければ

成立することは出来ぬ。」


ソープワイト

「ご名答。特別な故に特殊。

そして召喚刃術ジンジュツは読んで字の如く

召喚する刃術ジンジュツだよ」


ツバキ

「羽化する前に破壊した。」


ソープワイト

「私を見くびらぬ事だよ。」


ツバキ

「何?」



すると、ドドドドッと轟音が鳴り響く。


アキレイ

「あれは...なんだ...」


ラナンキュラス

「羽化したのか!!!!!」



そこに現れたのは

3メートルはあろう5体の巨大な鬼だった。

毒をき散らしながら雄叫びをあげると

ツバキ達に向かって歩き出した。


ソープワイト

「驚くのも無理はない。

破壊したと思ったんだろう?

だが狂鬼乱不ノ裏通コトロコトロの結界領域において

全ての薬毒系の刃術ジンジュツの威力は増す。」



キキョウ

「だから...複合合成刃術ジンジュツを相殺出来たの!?」


ソープワイト

「相殺!?!?バカかね!!

羽化した時点で相殺などではないよ。

陳腐チンプ刃術ジンジュツカテにしたまで。

この刃術ジンジュツの恐ろしさは

刃汽ジンキで作られた物質を吸収する。

病毒ビョウドク鞘花ショウカであるこの私が扱えば

更に倍の効果を発揮するだろう。

まぁ...リスクもあるがね。

発動中は如何イカなる刃術ジンジュツも行使する事は出来ない。

この毒が満ちた領域内でないと

私ですら使わない禁術だよ。」


ラナンキュラス

「存在は知っていたけど

まさか...あの刃術ジンジュツ

扱える者がいるなんて...」


アキレイ

「グッ...一筋縄ではないと言うことか。」


ソープワイト

「さて、改めて始めようじゃあないか千刃花センジンカ

刃汽ジンキを破壊するこの領域内で

毒をけながら逃げマドえ!!

五臓六腑ゴゾウロップをぶちけるがいい!!

いけ!!!藍蠍鬼アイガオニ!!

紅蝮鬼ギョクオニ!!白蜥鬼ジャクベチオニ!!

黒蛛鬼ナギオニ!!黄蝦鬼カリオニ!!」



そしてソープワイトの号令により

鬼たちは走り出した。


ラナンキュラス

「来るよ!!」


ジニア

砂奏数スナソウジュ砂漠ノ命サバクノミコト!!!』


キキョウ

華奪ゲダツ灼龍シャクリュウ怒濤ドトウ!!』


アキレイ

崩連ナダレ蛇腹炎炎ジャバラエンガ!!!』


ラナンキュラス

導雷フルゴーラ!!!』


ソープワイト

「ヌッフフフフ!!」


ツバキ

「貴公の相手はこの私だ。」

天黴雨ノ絶カラツユノタチ


ソープワイト

「空間を切断する斬撃か。

全くもって小賢しい!!!!!!」


全員

「ハァァァァァア!!!!」



激しい攻防が繰り返されるも

次々と鬼達がマトった毒によって

技が打ち消されていく。

更には吐き出される

溶解液をけながら戦うラナンキュラス達は

苦戦をいられていた。


ラナンキュラス

「ハァ...ハァ...この鬼達...技が効かないのか...」


ジニア

「グッ...効かん訳ないやろ...

半減されてんねん」


キキョウ

「ウグッ...どうすればいいの?

ただの刃術ジンジュツなのに...

鞘花ショウカの技が効かないなんて...」


アキレイ

「火力が足りん!!!

もっと高い刃汽ジンキを持って攻撃するんだ!!」


ジニア

「せやな!!!!」


キキョウ

「はい!!!!」


アキレイ

「俺が一度食い止める!!

その隙に刃汽ジンキを高めろ!!」

八岐ノヤマタノ双璧ソウヘキ!!』


ラナンキュラス

「ありがとうアキレイ!!!」



アキレイは十六壁ジュウロクヘキの燃え盛る大蛇の壁を召喚し

ラナンキュラス達は刃汽ジンキを高めた。


アキレイ・ラナンキュラス・キキョウ・ジニア

「ウォオオオオオ!!!」


キキョウ

大焼猩ダイショウジョウ百八無蜂針ビャクヤムホウシン!!!』


アキレイ

炎蛇大砲エンジャタイホウ八岐ノヤマタノ双撃ソウゲキ!!』


ジニア

砂塵砂漠サジンサバク三天鎖柩サンテンサキュウ!!』


ラナンキュラス

天雷アマノイカヅチ!!』



灼流シャクリュウの無数の針

八岐ノヤマタノ双璧ソウヘキから放たれる咆哮ホウコウ

巨大な三つの砂嵐とイカヅチの光線が

それぞれの鬼達をツラヌいた。


アキレイ

「やったか!!!!!」


ジニア

「これでくたばらんかったら反則やぞ。」


ラナンキュラス

「そうだーーーーー」



キキョウ・ラナン・アキレイ・ジニア

「ガッ!!グァアアアアア!!!!」



鬼達の進軍は止まらず4人を殴り続け

同時に蹴り飛ばした。


キキョウ・ラナン・アキレイ・ジニア

「ガハッッ!!グハッッ!!

ウグッ!!アガッ!!ゴホッ!!

グァアアア!!」



ジニア

「ゴホッゴホッ...生身で受けるっちゅーのは...

思ったより...効きますなぁ...」


ラナンキュラス

「グッ...ただの刃術ジンジュツなのに...」


キキョウ

「ゴホッゴホッ...皆さん...大丈夫...ですか?

毒に感染されてません...か?」



アキレイ

「グッ...いや、大丈夫みたいだ...

しかし...もっと強力な技じゃないとダメなのか...

やはり千年万花センネンバンカを...」


キキョウ

「ダメです...よ。

今...治療を...します...から」



ソープワイト

「ヌッフフフフ。楽しそうじゃあないか。」


ツバキ

「解せぬ。よそ見する余裕があるとはな。」


ソープワイト

「余裕だと?余裕が無いように見えるかね。」


ツバキ

「笑止。」



ツバキはグニュンと空間を移動し上空に現れた。


ツバキ

「まずは刃汽ジンキを打ち消すこの毒からだ。」

天消天涯テンショウテンガイ 花時雨ハナシグレ



半透明の花びらが シタタる猛毒に触れると

パチン、パチンと音を立てて消えていった。


ツバキ

「花びらの雨に触れれば消える。

貴公の言う質量など 花時雨ハナシグレの前では無意味。」


ソープワイト

「ヌッフフフフ!!毒は消せても

そんな矮小ワイショウな花びらでは

伍毒霊会ゴドクリョウエは消せないよ。」


ツバキ

「貴公も消え失せるがいい」

逆狭戻露雨サカシマレイロウ


ソープワイト

「何!?!?」



手掌シュショウを向けられたソープワイトは

グニュンと渦に飲み込まれ鬼達の元へ飛ばされた。


ソープワイト

「グッッ!!!!!!」


ツバキ

「時として雨は激しく降り注ぐ」

神立鬼洗カンダチオニアライ


アキレイ

「ツバキ!!!」


ラナンキュラス

「あまり大技を連発したら!!」


ツバキ

「加減は出来ぬ。

貴公らは身の安全だけを考えろ。」


ジニア

「え?どういう意味ーー」



突如、鬼の周りが渦を巻き

次々と吸い込まれていった。


キキョウ

「嘘!?私達も...吸い込ま...れる!!」


ジニア

「嘘やろ!?

相変わらず!!無茶苦茶なやっちゃな!!」


アキレイ

「呆れてものも言えん!!!」


ラナンキュラス

「ツバキ!!らしいじゃないか!!」



すると鬼とソープワイトは渦から抜け出そうと

必死にもがいていた。


ソープワイト

千刃花センジンカの!!!

バカ共が!!!!!この!!!私が!!!

この程度の!!!技に!!!!

やられる訳が!!」


ツバキ

「やれ」


キキョウ

「はい!!!」

華奪ゲダツ灼龍シャクリュウ灌頂カンジョウ!!』


ラナンキュラス

雷迎招雷ヴォルテッカ!!!』


アキレイ

炎蛇招来エンジャショウライ八岐ノヤマタノ咆哮ホウコウ!!!』


ジニア

砂塵百大天サジンヒャクダイテン!!パチン指を鳴らす音!!』



ソープワイト

「こんな奴に!!!!!!!」



轟音が鳴り響き


砂ケムリが巻き上がる。


神立鬼洗カンダチオニアライの渦が収束すると共に


狂鬼乱不ノ裏通コトロコトロが解除された。



ラナンキュラス

「やっと...終わった...」


アキレイ

「ぁあ。脱出するぞ」


キキョウ

「ようやく...ですね。」


ジニア

「行くで。イリスでーーー」


ツバキ  遮る様に

「待て。」





ソープワイト

「グッハッ!!ハァ!!ハァ!!ハァ!!!!

千刃花センジンカ風情フゼイが!!!

調子に!!!!!!乗るなぁぁあ!!!!!」



そこには血塗チマミれで目が血走ったソープワイトが

息も絶え絶えに地面を這っていた。



キキョウ

「まだ...生き...てるの?」


ラナンキュラス

「まずい!!!回復される前にーー」


  ソープワイト遮る様に

治・施乖快ヴェダ・メダゾン!!』


キキョウ

「回復速度が速い!!!!」



そしてソープワイトが走り出した。


  ジニア遮る様に

「逃がさへんぞ!!!!!」


アキレイ

「今ここで!!お前を殺す!!!!」


ジニア

砂奏数スナソウジュ砂岩砂射波サガンスナイパア!!』


アキレイ

這炎蛇喰ハイエンダクライ!!』


ジニア・アキレイ

「ソープワイトを追え!!!パチン指を鳴らす音



  金色木乃伊コンジキミイラから撃ち出された

黄金コガネ色の弾丸と地を這うように

広がる火炎の蛇がソープワイトを猛追モウツイした。


ラナンキュラス

「待て!!ソープワイト!!!」

剋刃ゴクハ 四十二シジュウニ神紫雷カミシバリ!!!』


キキョウ

「ツバキ隊長!!今のうちに回復を!!」

輪廻断罪リンネダンザイ



キキョウはツバキを優しく灼流シャクリュウで包み込むと

ツバキの身体の傷が癒え

ドス黒いモヤと共に洗い流された。


ツバキ

「...これは。」


キキョウ

「心身の傷を癒しました。」


ツバキ

「心身だと?」


キキョウ

「はい。心身です。」


ツバキ

「軽くなった。」


キキョウ

「そうみたいですね。

思ったよりも心の傷が...深すぎましたけど」


ツバキ

「すまぬ。」





  ジニア殴らアキレイ  れる間 ラナンキュラス ずっと

「グハッッ!!!!ガッ!!ウガッ!!」


ツバキ・キキョウ

「ッッ!??」


ソープワイト

「誰が!!逃げる!!!と!?!!

何故!!私が!!!貴様らに!!対し!!

逃げなければ!!いけない!!のかね!!

バカにするのも!!  大概タイガイに!!

したまえ!!よ!!!!!

この!!!バカ猿!!!共が!!!!」


ジニア・アキレイ・ラナンキュラス

「ガハッ!!!!!!」


ツバキ

「何故あれらは動かぬ。」


キキョウ

「毒にやられたのでは!!」


ツバキ

「行くぞ」


ソープワイト

「このーーーなんだね?」



するとラナンキュラスが

ソープワイトの足を掴んだ。


ラナンキュラス

「グッ...僕に触れて...タダで済むと思うな...よ」

降身雷フルミカヅチ...』


ソープワイト

「何!?グァァァァア!!!!!!!!」



その隙をみて

ラナンキュラスは2人を連れ

雷速でツバキ達の元へ戻った。


キキョウ

「大丈夫ですか!?」


ジニア・アキレイ・ラナンキュラス

「ぁあ...」


キキョウ

「今、治療します!!

輪廻断罪リンネダンザイ!!』



キキョウは3人を灼流シャクリュウで包み回復した。


ジニア

「グッ...あかん...刃汽ジンキ量が...」


ラナンキュラス

「僕らも...全員まずいね。」


アキレイ

「グッ...出来ても大技が二つだ。」


キキョウ

「そうですね。

私もツバキ隊長もそれくらいです。」


ツバキ

「この好機がいつ来るかも分からぬ以上

ここでち損じる事は許されぬ。」


アキレイ

「その通り...だ。」


ジニア

「次で...決めなあかん。」


ソープワイト

「ガハッ...葡萄染麒麟エビゾメキリンの奴が

鞘花ショウカに... ホダされたか...

第三世代鞘花ショウカ計画OGAが

何の為にあるかも、分からないバカ共が!!」



ソープワイトはよろよろと立ち上がり

ツバキ達の下へ歩き出した。


ジニア

「来よったで...どうやらさっきの刃術ジンジュツと回復で

相当、刃汽ジンキを消費したみたいやな。

どや?ソープワイト...お前はここで死ぬんやで」


ソープワイト

「ほざけ...千刃花センジンカ...」


ツバキ

「貴公をてば世界が変わる。」


アキレイ

「お前さえいなければ

死ぬ命も無かった。」


キキョウ

「私の故郷も失わずに済んだ!!

何の意味もなく蹂躙ジュウリンして

人々を殺した事を後悔しなさい。」


ラナンキュラス

「僕ら5人が終止符を打つ。」


ジニア

「覚悟せぇ!!ソープワイト!!!行くで!!」


ソープワイト

「バカかね!!

思い上がるのも  大概タイガイにしたまえよ!!」



6人の刃汽ジンキホトバシ

地面を揺らす。

そして、全員、キッサキをグッと前へ突き出すと

刃汽ジンキがそれぞれのサヤの色に

巻き上がり

冥府大監獄ゲヘナプリズン天蓋テンガイいた。

そして、ヤイバがみるみると変化していく。

徐々にそれぞれのヤイバへと形状変化し

神のヤイバが真の姿へと形を変えた。



ツバキ

カムイ天泣剣テンキュウケン


アキレイ  遮る様に

焔彅ノ劒ホムラギノツルギ!!』


  ラナンキュラス遮る様に

帝釈天ノ刃ヴァジュラ!!』


ジニア 遮る様に

砂漠王ノ呪牙カーズオブザファラオス!!』


キキョウ  遮る様に

灼猿棍シャクエンコン!!』



ソープワイト遮る様に

呪禁憎刺ジュゴンゾウシ  針殲棒ニードラ!!』


アキレイ

「覚悟しろソープワイト」


ジニア

「泣いたって許さへんからな。」


キキョウ

橙猩猩ダイダイショウジョウから授かった新たな技は

一つじゃありません。」


ラナンキュラス

「もう諦めた方がいい。」


ツバキ

「5振りの神剣宝具 デュランダルを前に

なすスベなど有りはせぬ。」



するとソープワイトは 怪訝 ケゲンな顔つきで

5人を眺めていた。


ソープワイト

「ほざけ。」


ラナンキュラス

「雷速で振動するこのヤイバ

斬れないものは...ない!!!」



ラナンキュラスはイカヅチホトバシのないヤイバ

ソープワイトに斬りかかったが

無数にトゲのついた金棒 カナボウでいなされ

ラナンキュラスを蹴り飛ばした。


ソープワイト

「ハァッ!!」


ラナンキュラス

「グッ!!!まだだよ!!

ハァァァァァア!!!!」


アキレイ  遮る様に

「こっちだ!!!!!

オオオオオ!!!」



隙を見たアキレイは絶対燃焼の大剣クレイモア

上空から振り下ろす。


ソープワイト

小癪コシャクな!!!!何!?」


キキョウ遮る様に

「ハァァァァァア!!!!」



灼流シャクリュウ波濤ハトウを巻き上げながら

伸縮自在の棍棒がソープワイトの肩をツラヌいた。


ソープワイト

「ガハッ!!!!」



ソープワイトは片手で引き抜こうとも

灼熱の水流がそれをハバむ。


ソープワイト

「グッ!!!!何をーーーー」


ツバキ  遮る様に

「斬り捨てる。」



一瞬だった。

びついた日本刀から繰り出される

居合斬りがソープワイトを襲う。


キキョウ

「え?斬れてない!?!?」


ソープワイト

「なまくらガタナで私を斬れるとでも?」


ラナンキュラス

「アキレイ!!!このまま行くよ!!」


アキレイ

「ぁあ!!!!」


ソープワイト

「全てをくらうと思ってーーガハッッ」


ツバキ

「斬れぬ訳がない。

時すでに遅し。貴公を斬り裂いた。」


キキョウ

「すごい。見えなかった。」


ラナンキュラス

「違う。

おそらく斬れた事実すら存在してなかった。」


アキレイ

「どう言う事だ。」


ツバキ

カムイ天泣剣テンキュウケン

未来を斬り裂く。」


ソープワイト

「ハァ...ハァ...ガハッ!!ふざけるーー」


キキョウ 遮る様に

「させません!!!」


ソープワイト 溺れる様に

「アバババ!!!!」



降り注ぐ水流を蒸発させながら

アキレイがソープワイトを斬り裂くと

一気に燃え上がった。


ソープワイト

「ガハッ!!!」


ラナンキュラス

「その腕...」


ツバキ

「貰う」


ソープワイト

千刃花センジンカ風情フゼイがぁあ!!」


ジニア遮る様に

「お疲れさん」


ソープワイト

「何!?」


ジニア

「呪いのヤイバは渇きを与える。」



金色コンジキの短刀がソープワイトの腕に突き刺ささり

みるみる水分を吸収した。

更に火炎も相まって急速に肉体は渇いていった。


ツバキ

「消えるがいい。」


ソープワイト

「ナメるな!!!!」



ソープワイトは砂漠王ノ呪牙カーズオブザファラオスを引き抜くと

ツバキに向かって投げたがジニアがそれを受け止めた。


ジニア

「チッ!!!」


全員で斬り合う ソープワイト台詞まで

「ハァ!!デッ!!オラ!!

グッ!!トォリャ!!ガハッ!!

ウォオ!!!!オラァ!!ハァァァ!!

ハァ!!デッ!!オラ!!シャーッ!!

グッ!!トォリャ!!ガハッ!!

ウォオ!!!!オラァ!!デァ!!」





ソープワイト

パンッ手を叩く音

オン!! 探我留尼ダンガルニ!!!

オン!!縛羅尼バクラニ!!薩婆訶ソワカ!!』

パンッ手を叩く音!!六掌 ロクノテシバリ!!!!』



ラナン・アキレイ・ジニア・ツバキ・キキョウ

「アガッ!!!!」



ソープワイトは全員の動きをピタリと止めると

全てをいなし切れなかったソープワイトは

フラつきながら5人をニラみつけていた。


ソープワイト

「ガハッ...ハァ...ハァ...

私も...身体が...なまっていたようだね...グッ」


ラナン・アキレイ・ジニア・ツバキ・キキョウ

「ッッッッ!?!?」


ソープワイト

魑魅魍魎ヴェノムヴァンデ!!!』


ラナン・アキレイ・ジニア・ツバキ・キキョウ

「ガハッ!!!!!!!」


ソープワイト

「痺れて動けまい。そして...」

毒毒霧霧ラ•ヴェルデ!!!』


ラナン・アキレイ・ジニア・ツバキ・キキョウ

「ウグッ」


ソープワイト

「更には感度10倍。

極め付けは...これだよ!!!!!」



ソープワイトは呪禁憎刺ジュゴンゾウシ  針殲棒ニードラ

5人を何度も何度も何度も何度も何度も殴り続けた。


ラナン・キキョウ・ジニア・アキレイ・ツバキ

「ガハッ!!ウグッ!!グフッッ!!ガッ!!」


ソープワイト

「この...バカが!!!!」


ラナン・キキョウ・ジニア・アキレイ・ツバキ

「グァァァァア!!!!!!!!」



縛りが解けた5人はその場で倒れた。


ソープワイト

「ペッ...

呪禁憎刺ジュゴンゾウシ  針殲棒ニードラ

握っていれば膂力リョリョクが5倍。

まさに鬼のような力を手に入れられる。

そして更には刃汽ジンキをも吸い出すーーー」


キキョウ 遮る様に

筋橙雲  キントウウン!!』



キキョウは橙色ダイダイイロの雲を

それぞれ5人の足元に召喚して

ソープワイトと一気に距離をとった。


ソープワイト

「この針は飛ぶ」


キキョウ

「ガハッ!!!力が抜けて...そんな...」



背中にトゲが刺さったキキョウは

グラリとヒザをついた。


ソープワイト

「ようやく刃汽ジンキが尽きたようだね。

随分  ズイブンと待ちくたびれた。

相変わらず燃費の良いサヤだよ。」



筋橙雲  キントウウンが消え5人は砂地に落下した。


ジニア

「グッ...キキ!!!」



キキョウの目の前が真っ暗になると

深い穴に吸い込まれていくように意識を失った。


ラナンキュラス

「キキョウ...副隊長。」


アキレイ

「しっかり...しろ!!

こんな...所では...ダメだ!!」


ソープワイト

「人の話しは最後まで聞くものだよ。

わざわざ忠告してやったのに。

ヌッフフフフ!!!

そうだ。面白い話しをしてやろう。」


ツバキ

「貴公と...話すことなど...何もない」


ソープワイト

「互いに息をつこうじゃあないか。」


アキレイ

「何だと!?」


ソープワイト

「まぁ聞きたまえ。

  顕現ケンゲンせしめしマコトヤイバ

トバリろすは神剣宝具 デュランダル

ヌッフフフフッッ。伝説ではそう記されている。

知っているかね?

これはまさに神のヤイバ。そして本来の姿。

夥  オビタダしい刃汽ジンキカタマリ

人々はそれをオソれ、欲し、争った。」


アキレイ

「何の...話しだ。」


ソープワイト

「人同士で争い続ける愚かな人間共の負の刃汽ジンキ

混ざり合い溶け合い遂には神に反旗をヒルガエした。

鞘神サヤガミとは元来

人々を守るために生まれた存在。

この意味が分かるかね?」


ラナンキュラス

「それは...」


ジニア

「...まさか」





ーーキキョウサイドーー


キキョウ

「ここはどこ...?」



キキョウは目覚めると

ガレキだらけの神殿の中にいた。

そこには5人の神が地に伏せ倒れていた。


キキョウ

「どういうこと!?!?」



キキョウを手を伸ばし駆け寄るも

手がすり抜けていく。


キキョウ

「そんな!!!」



そしてその奥には光り輝く大いなる者が

何者かに胸を貫かれていた。


キキョウ

「やめて!!!!!!!」



すると神殿が突如、崩れ始める。


キキョウ

「いったい...どう言うこと!?」



キキョウは振り返ると

深い悲しみの感情が

走馬灯の様に映像となり一気に流れ込んで来た。


キキョウ

「待って!!何これ!!!!

え!?どうして...何が...これって...そんな!!

やめて...もうやめて!!!!!!!

やめてぇええ!!!!!!!!!!!」



そして、目のハシでとらえた姿に驚愕した。



キキョウ

「え...どう言うこと!?」





そこに伏せていた神の1人は

橙猩猩ダイダイショウジョウだった。



キキョウ

橙猩猩ダイダイショウジョウ!!

これはどう言うこと!!?!?

答えて!!!!!答えて!!!!!!!」



この時、キキョウは思い出した。





橙猩猩ダイダイショウジョウ

「意思は形を変え、力となる。

悪しきを砕き、洗い流す。

受け取れ。これが真の"記憶"だ。」


キキョウ

「記憶!?能力チカラじゃないの!?」


橙猩猩ダイダイショウジョウ

能力チカラは与えた。

だがこれが一番重要な事だ。

我々が何故生まれ、何故受け継がれるか。

余程のことがない限り

他の鞘神サヤガミは人間に対して

深く干渉しない。

それがオキテである。」


キキョウ

「どう言うことなの?」


橙猩猩ダイダイショウジョウ

「すぐに分かる。

この記憶は時が来れば解き放たれるだろう。

それまでは ここから先は思い出せぬ。」


キキョウ

「時が来たら?」


橙猩猩ダイダイショウジョウ

「同胞の手によって解き放たれる。」


キキョウ

「同胞?」


橙猩猩ダイダイショウジョウ

「そうだ。」


キキョウ

「どう言う事なの?」


橙猩猩ダイダイショウジョウ

「改めて問おう。世界が憎いか?」


キキョウ

「憎い...私は今でも憎い。

だからこそ、私が終わらせる。」


橙猩猩ダイダイショウジョウ

「私はあの時言った。

"貴様の魂に呼応した。

お前の憎むこの世界は

この先、十界ジッカイの如く

厳しいものとなる。"と

今でも覚悟はあるか?」


キキョウ

「覚悟はある。」


橙猩猩ダイダイショウジョウ

「そうか。

では全てを見せてやろう。パチン指を鳴らす音


キキョウ

「何...これ」



キキョウの頭の中に1,000年の歴史と

深い怒り、悲しみ、憎しみ、イツクしみが

流れ込んだ。


キキョウ

「頭が...割れる!!!!

やめ...て!!やめて!!!!!!!

どうして!!??そんな!!!!

もう!!やめて!!!

やめて!!イヤ!!!もうイヤ!!!!!!

...そんな...ど...うし...て?」



全ての記憶を駆け抜けたキキョウは

一粒の涙を流していた。



キキョウ

「...これが...運命の終末ディステルニドン

じゃぁ...私の使命って...」





ーーソープワイトサイドーー



ソープワイト

「そうだ。鞘神サヤガミ

創造主と人間の狭間で揺れ動いていた。

そこで初めて自我が試された訳だよ。

どうしたと思うかね??」


ラナンキュラス

「...こんな話 聞いた事がない」


アキレイ

「俺もだ。」


ジニア

「ツバキはあるんか?」


ツバキ

「無い。」


ソープワイト

「正解は...何もしなかった。」


アキレイ

「何!?」


ソープワイト

「正確には一部の鞘神サヤガミを除いてだが。」


ラナンキュラス

「どう言う事だい?」


ツバキ

「では...人間と鞘神サヤガミが戦ったとでも

言うつもりか?下らぬ」


ソープワイト

「ん?私は"人間と鞘神サヤガミが戦った"

などと一言も言ってないよ。

"人間共の負の刃汽ジンキが混ざり合い溶け合い

遂には神に反旗をヒルガエした。"と言ったんだ。」


ジニア  遮る様に

「やかましわ!!!!!

お前の言葉遊びに付きうとる暇ないねん!!」


ラナンキュラス

「そうだね...

僕らの刃汽ジンキもソープワイトの刃汽ジンキ

そろそろ底をつく。無闇に技は出せない」


アキレイ

  消炭ケシズミになるまで許さん!!!」


ツバキ

「...参る」


ソープワイト

「フンッッ!!!何度やっても同じだよ!!」



4人は最後の力を振り絞り走り出した。


ソープワイト

治・施乖快ヴェダ・メダゾン!!』


ツバキ 遮る様に

「させぬ。」


ソープワイト

「そんなボロボロのヤイバ

何が出来るというのかね!!!」


ツバキ

鬼雨斬滓・改キウザンシ・アラタメ



サヤから一瞬で抜刀し

ソープワイトの背後に回るも

ソープワイトは傷がみるみると癒えていくだけだった。


ソープワイト

「何をしたかと思えば通り過ぎただけかね!?

ヌッフフフフ!!

私の傷は癒えていくだけだよ!!」



しかし、ソープワイトの傷は癒えるよりも

みるみると傷が増えていった。


ソープワイト

「何!?どう言う事...ガガガガ!!!!!

グァァァ!!!!!!!!!!」


ツバキ

「未来を斬り裂く百の斬撃。

癒した未来の貴公を切り裂いた。」



それと同時にツバキのカムイ天泣剣テンキュウケンは折れてしまった。


ツバキ

「限界か...よくやった嵯峨鼠鼠サガネズネズミ。」


ソープワイト

「グハッッ!!

小賢しい!!ネズミがぁあ!

毒に侵され悶えるがいい!!」

毒毒呪呪シ・エンテ!!!』


ツバキ

「やれ。アキレイ。

毒を熱で燃やし尽くせ。

奴はもう刃汽ジンキが尽きる。」


アキレイ 遮る様に

業火・焔彅ノゴウカ・ホムラギノ八岐刈ヤマタガリ!!』

「ォォォオォォォオ!!!!!!!」


ソープワイト

「火炎の飛ぶ斬撃!?」



ソープワイトは呪禁憎刺ジュゴンゾウシ  針殲棒ニードラの針を飛ばすも

全て焼け焦げていく。


ソープワイト

「グッ!!!」


アキレイ・ソープワイト

「ォォォオォォォオォォォオォォォオ!!!」



呪禁憎刺ジュゴンゾウシで打ち返していくソープワイト。

だがアキレイはそれを上回る速度で

次々と打ち込んでいった。


ソープワイト

「アキレェエエエエエイ!!!」


ラナンキュラス遮る様に

紫死シシ麒麟天昇キリンテンショウ!!』


ソープワイト

「ガハッ!!!!」


ラナンキュラス

「手を止めるな!!アキレイ!!」


アキレイ

「ォォォオォォォオ!!!!!」


ソープワイト

千刃花センジンカの猿共がぁあ!!!」


ジニア 遮る様に

無窮砂界 ムキュウサカイ


ソープワイト

「これは!!!」



ジニアは砂漠王ノ呪牙カーズオブザファラオス

砂地から一気に引き抜くと

ソープワイトを中心に渦を作りアリ地獄のように

吸い込んでいった。


ソープワイト

「こんなもの!!!!!」


ジニア

「無駄やで。もがけばもがくほど

砂に呑み込まれるで。」


アキレイ

「ォォォオォォォオ!!!!」


ソープワイト

「グッ!!!」


ラナンキュラス

「4つ」


ソープワイト

「な!!?

グァァァァアァア!!!!!!!!!」



バリバリバリッと

ソープワイトの足元から

紫電シデンホトバシ麒麟キリンが舞い上がり

ソープワイトを下からイカヅチツラヌいた。


ラナンキュラス

「4歩、歩けば全てが終わる」


ソープワイト

「ウグッ」



ソープワイトは斬り裂かれ燃え上がり

黒焦げながら砂にゆっくりと呑まれていく。





キキョウ

華慈カジ天眞啼轟テンマナイゴウ!!!』



ジニア

「キキ!!大丈夫なんか!!」


アキレイ

「終わったぞ!!キキョウ!!」


ラナンキュラス

「すまない。刃汽ジンキも少ないのに」


ツバキ

「...ソープワイトは」






ツバキ・アキレイ・ラナンキュラス・ジニア

「...え?」



キキョウの灼龍シャクリュウ

ツバキ達を通り過ぎソープワイトを飲み込んだ。


ラナンキュラス

「キキョウ副隊ーー」


キキョウ  遮る様に

華奪ゲダツ灼龍シャクリュウ怒濤ドトウ!!』


ジニア

「何!?」



ツバキ・アキレイ・ラナンキュラス・ジニア

「グァァァァア!!!!!!!」


ラナンキュラス

「...どうして」


キキョウ

天明牢賜テンメイロウシ渦々カカ灼猿悟空シャクエンゴクウ!!』


ツバキ・アキレイ・ラナンキュラス・ジニア

「ッッ!?」



ソープワイト

「ヌッフフフフ...

かすり傷程度の治癒じゃあないか...」


キキョウ

「私はあなたを許した訳じゃない。」


ソープワイト

「...どういう意味...かね?」


キキョウ

「この戦争を...終わらせたいだけ。」


ソープワイト

「ヌッフフフフ。懸命な...判断だ。

ようやく目が覚めた。という事...だね。」


キキョウ

「ぇえ。運命の終末ディステルニドンは終わらない。」


ソープワイト

「仲間は...いいのかね。」


キキョウ

「ぇえ。」



すると、ソープワイトは不敵な笑みを浮かべた。



ソープワイト

滑稽コッケイな...事だ千刃花センジンカ

命をかけて助けに来た仲間に...グッ

裏切られるとは...ね。」 



そう言ってゆっくり立ち上がるソープワイトは

影遠イシュタリア機器•シン•ポータルのボタンを押した。


ソープワイト

「今回はここまでだよ。

生きながらえた運命を祝う事だね。

だが、当初の目的は達した。

貴様らのお陰で正気に戻ってくれたようだ。」



すると砂漠王ノ呪牙カーズオブザファラオス

水を吸い取り天明牢賜テンメイロウシ渦々カカ灼猿悟空シャクエンゴクウ

崩れ始めた。



ジニア・ラナンキュラス・ツバキ・アキレイ

「ゴホッゴホッゴホッゴホッ」


アキレイ

「キキョウ!!!!」


ツバキ

「...当初の目的だと?

貴公は言ったはずだ...幽閉が目的だと。」


ソープワイト

「別に目的が一つとは...言っていないが?

予定通り、キキョウを連れて行くこと。

そして幽閉する事。この二つに限る。

まぁ、ここまで暴れられるとは...

思ってもみなかったがね。」


ラナンキュラス

「キキョウ副隊長...

まさか操られているのか!!」


ジニア

「...キキ」


ソープワイト

「何をしている。」



すると、キキョウは立ち止まり振り向いた。


キキョウ

「いいえ。何でもないですわ。」



ジニア

「...嘘...やろ」


ラナンキュラス

「何をされた!!!キキョウ副隊長!!」


アキレイ

「命を懸けてここまで来たんだぞ!!

キキョウ!!」



しかし、キキョウはソープワイトの元へ歩きだした。

すると明らかに動揺したジニアは

ヒタイに汗を滲ませながら口を開いた。



ジニア

「嘘や...ろ?操られとるんやな!!

俺が目ぇ覚まさせたる!!!

な?そやろ?な??」


キキョウ

「...。」


ジニア

「に...二刃花隊ニジンカタイの隊長になるんやろ?」


キキョウ

「...。」


ジニア

「キキ...チョウランはどないすんねや...

止まれ!!キキ!!止まれゆうとるやろ!!

隊長が話しとんねんぞ!!」


キキョウ

「...。」


ジニア

「隊長...命令...や。

止まれ...止まれゆうとんねん!!」


キキョウ

「...。」


ジニア

「弁当また作ったるから...

俺の好っきゃろ???な?キキ...」



すると、再び立ち止まり振り向いた。


ジニア

「キキ!!行くな!!!」


キキョウ

「相変わらず、しつこいですね。隊長。」





そう言うとキキョウは縛った髪をほどき

ペンダントを投げ捨てた。



ジニア

「...ぁっ。な、何してん...ねん。

そ、それ捨てたら...迎えに行かれへんねんぞ。」


キキョウ

「もう...必要ないですから。」


ジニア

「みんなが...どういう気持ちで

ここまで来たんか...分からんほど

アホちゃうやろ?...そやろ?キキ??」


キキョウ

「しつこいですよ。」


ラナンキュラス

「キキョウ副隊長!!!!

...覚悟はあるのかい?」


キキョウ

「ぇえ。」


アキレイ

「嘘をつけ!!!!!」


ツバキ

「我らと敵対すると言うのか。」


ソープワイト

「愚かなものだね。

1,000年前から決まっていたと言うのに。」


ラナンキュラス

「どう言う事...だ...」


アキレイ

「1,000年前から...だと?」


ツバキ

「...運命の終末ディステルニドンと言うやつか」


ソープワイト

「どうだろうねぇ。

まぁ。一握りの安寧アンネイを楽しむがいい。

ヌッフフフフ!!!!!!」


キキョウ

「楽しかったです。隊長。

今まで...お世話になりました。」


ジニア 遮る様に

「行くな...行ったらあかん!!!!!」


ラナンキュラス

「もう...やめよう。」


ジニア

「なんでやねん!!!!」


アキレイ

「俺は認めん!!!

リナリアもチョウランも

沢山の血を流した!!!!

お前も一緒に戦ったはずだキキョウ!!」


ツバキ

「斬る」



そう言うとツバキは走り出した。


アキレイ

「待て!!」


ツバキ

「離せ。」


アキレイ

天泣剣テンキュウケンは一度折れたら

回復するまで使えないだろう!!!」


ツバキ

「斬る方法は天泣剣テンキュウケンだけではない。」


ラナンキュラス

「ツバキ。刃汽ジンキを使っちゃダメだ。

脱出できなくなる。ツバキだけが頼みなんだよ?

分かってくれるかい?」


ソープワイト

「フン。相変わらず千刃花センジンカはアホウばかりだよ。

パチン指を鳴らす音





すると


キキョウとソープワイトは


ドプッと



闇の中へと消えていった。



ジニア

「待たんかい!!!!

待たんかい!!!!!!!」


ツバキ

「...下らぬ」


ラナンキュラス

「... ツの花びらに栄光あれ。」


アキレイ

「...ジニア」


ジニア

「どういうつもりや!!!

キキィィィイ!!!!!!!!!!」





作者 REN’sJackson


千刃花センジンカ帝国特務戦闘部隊テイコクトクムセントウブタイ〜ー

煉獄レンゴク 冥府ゲヘナ大監獄プリズン

Seasonシーズン31サーティワンThe beginningビギニング  of a newオブアニュー nightmareナイトメア D.C  ダ・カーポ(完)






おまけ






ーー時は少しサカノボ

タッソ平原に核爆弾が着弾される数分前。ーー

ここは六刃花隊ロクジンカタイ隊舎タイシャ

隣接されている飛行場。

通称"動物園 アニマルエアポート"

千刃花センジンカの飛行魔進マシン

離陸、着陸し飛び立つ場所である。

主に六刃花隊ロクジンカタイ隊士が

飛行魔進マシン整備と、開発を担っている。

一刃花隊イチジンカタイ悶々雅・Aモモンガ・アーをはじめとして

常に離着陸リチャクリク出来る様になっている。

そしてオルケイディアが動物園 アニマルエアポートに到着すると

そこにはレンゲイの姿があった。



レンゲイ

「オルケイディアさーん!!!!!」


オルケイディア

「レンゲイ!!!!!」


レンゲイ

「ちょうどよかった!!乗って下さい!!!!

今からタッソ平原に向かいます!!」


オルケイディア

「まだ向かってなかったのか!!

クーワはどうした!?」


レンゲイ

「ガーベラ君に引き継ぎをしてまして

今出るところでした。

四刃花隊ヨンジンカタイ

異変を察知したのか

すでにタッソ平原に向かっています!!」


オルケイディア

青藍人魚セイランニンギョか...。

よし!!すぐに出せ!!!!」



オルケイディアは素早く灰色にカラーリングされた

華四百花カシヒャッケオルケイディア専用飛行魔進マシン

"88矛飛バハムート"に乗り込んだ。


レンゲイ

「ナーベルク最速の魔進マシンなら

すぐに着くと思って勝手に準備しました。」


オルケイディア

「構わん。良い判断だ。」



そして88矛飛バハムートはすぐに飛び立ち

あっという間に雲の上を飛んでいた。


オルケイディア

「核爆弾が撃ち込まれる前に周辺地域を封鎖し

爆風を最小限に食い止める。

青藍人魚セイランニンギョ能力チカラなら

難しくないはずだ。

放射能も桜雌鹿サクラメロク能力チカラがあれば

大事ダイジには至らないだろう。」


レンゲイ

「クーワさんが聞けばの話しですがね。」


オルケイディア

「ダンデライが理解していれば大丈夫だ。

私の通信刃術ジンジュツを聞いていただろうからな。」


レンゲイ

「...そうだと良いんですが。」


オルケイディア

「それよりガーベラやプラムはどうし...ん!?

レンゲイ!!!!!窓を見ろ!!」


レンゲイ

「あの光!!!!まずい!!!

間に合わなーーーー」



ーールビウスサイドーー



ルビウス

パチン指を鳴らす音。映せ」



ルビウスが指を鳴らすと

ナーベルク帝国にソビえ立つダリア城を中心に

ナーベルク全土が映し出された。


サギスケ

「団長!?何をする気です??」


マリガルド

「黙って見てろよ。」


サギスケ

「おめぇには聞いてねぇんだよ!!」


マリガルド

「敬語使ってっから俺かと思ったぜ。」


サギスケ

「なぁあんでおめぇに敬語使うんだよ!

やっちゃうよ??サギスケやっちゃうよ? 

ねぇ団長?二人でやっちゃいましょうぜ!!」


ルビウス

「天王軍の恥をサラす気かい?」


サギスケ

「ドッヒャー!!そうっすよね!!

すんません団長!!!

ゴホンッ...おめぇは映んなって

団長が言ってんだ!!頭丸めて消えな!!」


マリガルド

「どう考えても俺じゃなくてお前だろうが!

ヤキいれられてぇのか!?あん!?」


サギスケ

「カッチーン!!!!

ナマ言ってんじゃねぇぞチンピラが!!」


マリガルド

「チンピラだと!?このクソペンギンが!!

ガン垂れてねぇでかかって来いよ!!

てめえの根性叩き直してやるぜ!!!」


サギスケ

「カッチーン!!!!

クーワに負けたヒヨッコが調子乗んなよ!?」


マリガルド

「負けてねぇよ!!このペンギン野郎ーー」



サギスケ・マリガルド

「ぶっ殺してやる!!!!」

『『咲け•肉芽 ナノシード ブルーム!!』』


ルビウス 遮る様に

「仕様のない子達だ」


サギスケ・マリガルド

「ッッ!!!!!!」



マリガルド

「身体...が...」


サギスケ

「動かな...い」


ルビウス

「僕は暴力は嫌いだ。

だが、時として必要な場合もある。

例えそれが、仲間だと...してもね。」


マリガルド

「すんません...でした...団長」


サギスケ

「クエ!?」


ルビウス 遮る様に

「よほど、死にたいようだね。ならーー」


  サギスケ遮る様に

「すんませんした!!!!

許してくださぁあいよぉお!!」


マリガルド

「チッ。情けねぇ奴」


ルビウス

「あまり客人の前で

醜態をサラすんじゃあない。パチン指を鳴らす音


サギスケ

「はい!!分かりまーーーーンーーンー」


マリガルド

「サギスケ!!どうしーーンーーンーー」


ルビウス

「中継が終わるまで口を閉じておくといい。」



ルビウスが指を鳴らすと

サギスケとマリガルドは口をつぐみ

動けなくなった。


ルビウス

「失礼しました。部下が騒がしくて。

これでも、優秀な部下なんですが...

あなたならもちろん二人の噂はご存知ですよね?





クリシャンテ先生。」



  クリシャンテ口を閉じたまま

「ンーーッッ!!ンーーッッ!!」


ルビウス

「何か言いたい事でも?パチン指を鳴らす音


クリシャンテ

「グッ!!ハァ...ハァ...ドレーク」



そこには硬直し横たわるクリシャンテがいた。


ルビウス

「こうして話すのも何年振りでしょうか先生。」


クリシャンテ

「しばらく見ぬに...随分  ズイブンと無礼になりおって

この不届き者が!!!!!!

今の貴様を義忠ヨシタダ様達が見たらーー」


ルビウス 遮る様に

「見たら?なんです?何か不都合でも?

それよりも華四百花カシヒャッケでもあろう者が

ましてや...刃術ジンジュツのプロフェッショナルが

こうも簡単に捕まるとは。

月日ツキヒとは悲しいものですね。先生」


クリシャンテ

「先生と...呼ぶな!!貴様を教えた事だけが

唯一の汚点!!!!ナーベルクの恥じゃ!!」


ルビウス

「逆ですよ。教え子に華四百花カシヒャッケ

千刃花センジンカの隊長

ラミオラス帝国の将軍が一気に出たんです。

誇るべき過去だ。」


クリシャンテ

「何を誇るかは...自身で決める!!」


ルビウス

「...その言葉。僕は昔から嫌いでした。パチン指を鳴らす音



そう言って指を鳴らすと

硬直するサギスケとマリガルドの間に立った。


クリシャンテ

「何をする気じゃ!!!!」


ルビウス

「面白いものが見れますよ。」



ルビウスは映像を指差すと号令をかけた。


ルビウス

「目標はタッソ平原。

死槍砲グンニグルを起動」



電子音が鳴り響き轟音と振動が足元から伝わると

映像がタッソ平原に切り替わった。


ルビウス

「放て!!!!!!!!!」


クリシャンテ

「やめろぉおおお!!!!」



一瞬だった。

タッソ平原は火花を散らし

爆炎に呑まれた。


ーーオルケイディアサイドーー


オルケイディア

88矛飛バハムート滞空モードオン!!!

レンゲイ!!!!」


レンゲイ

「はい!!!」



オルケイディアとレンゲイは窓を蹴破り

片腕を外に出した。


レンゲイ・オルケイディア

剋刃ゴクハ 四十一シジュウイチ五角ゴカク羅生門ラショウモン!!』



五角形の光り輝く鋼鉄の障壁を

88矛飛バハムート前方に召喚した。


オルケイディア

「衝撃に備えろ!!!!!」



ーールビウスサイドーー


ルビウス

「どうですか?先生。綺麗でしょう?

まるであの時に見た花火だ。」


クリシャンテ

「...正気...とは...思えぬ...民間人を...

母国を...ここまでに...。

何故こんなことを!!!!!

目を覚ませ!!ドレーク!!!!!!!」


ルビウス

「僕は正気ですよ。

あの日から何も変わっていやしない。

さて、ナーベルク全土に中継してくれ。」


クリシャンテ

「何のつもりじゃ!!!」



タッソ平原の映像が切り替わり

ダリア城を中心にナーベルク各地の映像が

映し出されると

ルビウスやマリガルド、サギスケの姿が

夕暮れの空に浮かび上がり

ルビウスの声が拡張され大きく響いた。


ルビウス

「「ナーベルク帝国の諸君!!!

僕は天王軍団長ルビウス=ドレークだ!!」」


オルケイディア

「何だ...これは!!!」


レンゲイ

「空に映像が...」


ルビウス

「「僕のささやかなプレゼントを

気に入ってくれたかな?

今しがたタッソ平原を爆炎に包んだのは

超科学で長い年月をかけ作られた

ラミオラス最強の破壊兵器。

驚いたかい?ナーベルクの国力では

作る事さえも出来ないだろう。

これがラミオラスとナーベルクの圧倒的な国力の差。

空に浮かび上がる僕らの姿でさえも刃術ジンジュツではない。

超科学の力だ。」」


オルケイディア

「超科学...グッ!!

鞘花ショウカ顔負けじゃないか!!」


レンゲイ

「これほどまでに

ラミオラスの科学は発展しているなんて...」


ルビウス

「「フフッ。絶望した顔を想像するに容易い。

そして畏怖イフの念をイダいただろうね。

では、本題に入ろう。」」



すると、横たわり硬直するクリシャンテの姿が

空に映し出された。


オルケイディア

「クリシャンテ!!!!!!」


レンゲイ

「では...連れ去ったのは...やはり」


クリシャンテ

「「断じて!!屈してはなりませぬ!!!

ナーベルクの民達よ!!!!決しーー」」


ルビウス  遮る様に

「「ナーベルクの顔とも言える華四百花カシヒャッケの一角。

長きに渡り国の参謀を務めつつ

ナーベルク士官学校で教鞭をとり

椿と鍔騎ツバキの両家を支えた刃術ジンジュツの達人。

数々の千刃花センジンカ隊士を教え

革新的な刃術ジンジュツの応用や叡智エイチを伝え

その多大なる功績は数知れず

ひいては華四百花カシヒャッケにも選出された偉人

クリシャンテ=スノーマン。

だが、知っているだろうか?彼の裏の顔を。」」


クリシャンテ

「「...何?騙されるでない!!!こやつこそ!!

ナーベルクを裏切った国賊!!」」


ルビウス

「「ツバキは知っているのかい??

あなたが鍔騎ツバキ家を根絶やしにした事を。」」


クリシャンテ

「「何を言っている!!!」」


レンゲイ

「...椿の分家である鍔騎ツバキ

皆殺しにしたって事ですか!?」


オルケイディア

「サクラ皇后コウゴウ側の暗殺だと

クリシャンテから聞かされていたが...

しかし、鵜呑ウノみにするのは早計ソウケイだ。」


レンゲイ

「でも確か捜査に関しては

クリシャンテさんが仕切っていたはずです。」


オルケイディア

「...そうだな。」


ルビウス

「「まだまだある。

クリシャンテという男は

我がラミオラス帝国をも利用した!!

情報を流しナーベルクに我が兵達を侵入させ

ナーベルクを内側から壊そうと画策カクサクした!!

僕じゃなかったら見抜けなかっただろうね。

我が国さえも利用し我欲の為にナーベルクを

オトシイれようとしたクリシャンテこそ!!

国賊と言えるのではないか!!!!!

オルケイディアを始めとする千刃花センジンカ隊士

そして華四百花カシヒャッケの面々の中には

思い当たる者も居るだろう。」


レンゲイ

「どう言う事ですか!?」


オルケイディア

「だがあまりにもお粗末。

悶々雅・Aモモンガ・アーを墜落させたのも

クリシャンテの手引きだと踏んではいたが

ツバキを危険な目に合わせるとは

思えなかった。」


レンゲイ

「そうですよ。ツバキさんとクリシャンテさんは

幼い頃からの信頼をし合う関係だと

僕は聞いています。」


オルケイディア

「ぁあ。もしかしたら本当に内側から

ナーベルクを壊すつもりだったのではないか?」


レンゲイ

「...まさか!!それって」


ルビウス

「では、国賊クリシャンテにその真意を

発表してもらおうじゃあないか。」」



クリシャンテは映像を真っ直ぐ見つめ

口を真一文字マイチモンジに閉じた。


ルビウス

「「このオヨんで沈黙とは

仁も義もない男だ。いいだろう。

さて、身体は老いても狡猾コウカツさだけは

衰えなかったクリシャンテに

踊らされたとあっては

ラミオラスの沽券コケンに関わる由々しき問題。

利用する事も進言したが

ラミオラス帝国は

国のメンツを重んじる誇り高い国だ。

二度と同じアヤマちをオカさぬ様に

罪深いこの老害を

僕自らの手で断罪しようではないか!!パチン指を鳴らす音」」



すると、ルビウスは目で合図を送り

マリガルドがクリシャンテを立たせると

すぐに定位置に戻った。


オルケイディア

「まずい!!レンゲイ!!!

刃汽ジンキ知覚で居場所は分かるか?」


レンゲイ

「無理ですよ!!

探しても周辺にいないのは確かです!!」


オルケイディア

「やはりダメか...ルビウスの奴め

わざとタッソ平原を狙ったか!!!!」


レンゲイ

「何を知ってるんですか!?」


オルケイディア

「...タッソ平原には 九根キュウコンが建設している

通信刃術ツウシンジンジュツを広範囲に広げる電波塔がある。

全世界で通信刃術ツウシンジンジュツを可能にできる代物だ。

そこを通せば大体の居場所は特定出来るはずだった。」


レンゲイ

「見せしめだけじゃなかったんですね。」


オルケイディア

「その様だな。まんまとやられたわけだ。」


レンゲイ

「オルケイディアさん見てください!!」


オルケイディア

「何!?殺す気か!!!」


ルビウス

「「先生。

あなたが僕に教えてくれた最初の刃術ジンジュツ

全ての幕を閉じましょう。」」


ルビウス

滅刃メツハイチトウ



ルビウスは刀の形に押し固められた刃汽ジンキ

振り上げるとクリシャンテが叫んだ。



クリシャンテ

義忠ヨシタダ様!!万歳!!!万歳!!万ーー」


  ルビウス遮る様に

「さよなら、先生」



ズバッと


クリシャンテの首が


床に転がり落ちた。



レンゲイ

「そんな...クリシャンテさんが」


オルケイディア

「グッ...ルビウス!!!!!!!」


ルビウス

「「ラミオラスに逆らうと

どうなるかは見ての通りだ。

これこそがナーベルクの未来である!!

そして!!ここに宣言しよう!!

来たる3ヶ月後!!!

ナーベルクに再び悪夢が降り注ぐ!!

天王軍が誇る超破壊兵器死衛星ネメシス

首都ルシファンブルクを破壊する!!!

僕は見ての通り暴力が嫌いだ。

降伏せよ!!ナーベルク!!

現皇帝である義統ヨシムネ

次期皇帝である義次ヨシツグの首

そして、サヤを全て差し出せば

降伏を認めよう!!!

選択の余地などないと思え!!」


レンゲイ

「超破壊兵器死衛星ネメシス...だ...と?」


オルケイディア

「3ヶ月後!?

ふざけるな!!ふざけるな!!

ふざけるなぁ!!!ルビウス!!!!!」


レンゲイ

「奴は一体どこに...」


オルケイディア

「探して殺す!!!!!」


ルビウス

「「僕はいつでも見ているよ。」」






ルビウス

「「…この宇宙からね。」」



オルケイディア

「...レンゲイ。」


レンゲイ

「はい。」





オルケイディア

「我々は宇宙へ向かう。」



そして現在。

煉獄レンゴク 冥府大監獄ゲヘナプリズンにて

ソープワイトとキキョウの負わされた傷で

地面に伏せていた四人。

血を流し息も絶え絶え

辛うじて生きていた。



ツバキ・ラナン・アキレイ・ジニア

「ゴホッゴホッゴホッゴホッ!!」


アキレイ

「グッ!!大丈夫...か?」


ラナンキュラス

「この中に...照刃ショウハを使える刃汽ジンキ

残ってる人は...いるかい?

フフッッ...いないよね。」


ツバキ

「グッ...」


ジニア

「何で!!や!!!何で!!や!!

キキ!!!どういう!!つもり...やねん」


ラナンキュラス

「グッ...ジニア...頭を打ちつけたって...

何も...変わらない...」



ジニアは頭を床に何度も叩きつけていた。


アキレイ

「分からん...何故キキョウが...」


ジニア

「何で...何でや!!キキ!!!!」


ツバキ

「我らは...我らの...道を...進むのみ...行くぞ。」


アキレイ

「無茶をするな...ツバッーー」


ツバキ 遮る様に

「触るな。私は一人でも...グッ...行く。」


アキレイ

「立ち上がれるのか?...ツバキ。

それに...どこに行くつもりだ。」


ツバキ

「...まだ探していない監獄が...ある。」


ラナンキュラス

「監獄?...だって...ナーベルク隊士の刃汽ジンキは...もう」


アキレイ

「...どこに...あるんだ」


ツバキ

第零監獄スィフィルプリズン...だ。

ジニア...案内...しろ。」


ジニア

「......キキ。」


ツバキ

「ジニア。」


ジニア

「...どう言う...つもりや...キキ」



するとよろよろとツバキは

ジニアに近づいていった。


ラナンキュラス・アキレイ

「ツバキ!!」



そしてツバキはジニアを殴り飛ばした。


ジニア

「ガハッッ!!!

何すんじゃボケ!!!!!!!」


ツバキ  遮る様に

「貴公は...何か勘違いをしている。

いなくなった副官など...後回し。

他にも...捕らえられている同胞を...

探すのが先決。

千刃花センジンカの三を担う隊長なら...

それを忘れては...ならぬ」


ジニア

「温室育ちのお前に!!何が分かんねん!!

綺麗事ウダウダ並べんといて!!くれや!!!」


ツバキ

「ウグッ!!!」


ラナンキュラス

「...やめなって!!」


アキレイ

「止めてやるな。」


ラナンキュラス

「何言ってるんだよアキレイ!!

ツバキは...歩くのだってやっとなのに!!」


ジニア

「俺の気持ちなんぞ!!

分かってたまるかい!!!!」



そしてジニアはツバキを殴り飛ばした。


ツバキ

「グッ!!温室...育ちだと?

野盗風情ヤトウフゼイが...

私の何を!!知っていると言うのだ!!!」


ジニア

「グッハッ!!!」


ラナンキュラス

「二人とも!!!」


アキレイ

「...放っておけ。」


ラナンキュラス

「アキレイまで...何を言ってるんだよ!!」


アキレイ

「何を言ったって無駄だ。放っておけ。」


ラナンキュラス

「正気かい??今ここで争う事なのかい!?」


アキレイ

「大事な副隊長がいなくなった気持ちが

分からない男じゃないだろう。ラナン。」


ラナンキュラス

「フフッ。

今ここでアイビーの話を持ち出すのか...

いくらアキレイでもそれは許せない。」


アキレイ

「ジニアも同じ気持ちーー」


ラナンキュラス  遮る様に

「同じじゃない!!!!!

好き勝手に僕の気持ちを想像するな!!」


アキレイ

「そんなつもりじゃーー」


ラナンキュラス  遮る様に

「アキレイに何が分かるんだ!!!」


ジニア

一刃花隊イチジンカタイかなんや知らんけどな!!

キキはナーベルクを裏切る様な奴やない!!

何か訳がある!!!訳があるんや!!!」


ツバキ

「私には...関係のないこと。

我らを攻撃しソープワイトに手を貸し消えた。

それ以上もそれ以下もない。」


ジニア

「キキも仲間やねんぞ!!!!!

今すぐ助けに行かなあかん!!!!!」


アキレイ

「落ち着けラナン!!!」


ラナンキュラス

「君が売った喧嘩だろう!!!!!

僕の前でアイビーを侮辱ブジョクするな!!」


アキレイ

侮辱ブジョクなどしていない!!!

ジニアの気持ちも分からないのかと

言っているんだ!!!」


ラナンキュラス

「君は失っていない!!!!!!

本当の意味で失ってなどいない!!

キキョウ副隊長はまだ生きてる!!

リナリーも生きてる!!!

だけどアイビーは!!!!!

死んだんだ!!!!!!!

同じだなんて言わせない!!!

僕の気持ちなど分かる訳がない!!」


アキレイ

「落ち着けラナン!!!!

アイビーと同じとは言ってない!!」


ツバキ

「助けに行く...だと?5人ならば...

あの状況下ならば...

確実にソープワイトをてた。

だがキキョウは裏切り

ソープワイトに逃げられた。

貴公はそれをどう説明するつもりだ。」


ジニア

「知らん!!知らんけど

何か理由があったはずや!!!」


ツバキ

「理由は言っていた。

1,000年前からそう決まっていた。と」


ジニア

「そんな訳あるかい!!!」


ツバキ

「ではどう説明すると言うのだ。

この先二刃花隊ニジンカタイの隊長として

千刃花センジンカ牽引ケンインする存在であり

冥府大監獄ゲヘナプリズンでも我らと共に戦ってきた者が

いとも簡単に裏切るには

相応の理由があるのだろう。

全てを捨て、あちらに寝返る何かが。」


ジニア

「分かっとるっちゅうねん!!!

あそこで寝返る利点なんて

どこ探してもあらへん!!

せやかて、理由が分からへん!!

でも...何かあるはずなんや!!何かが...」


ツバキ

「事実はたった一つ。

キキョウは自らの意思で

裏切ったと言う事。橙猩猩ダイダイショウジョウ能力チカラ

洗脳するにしても治癒され不可能。

裏切りと見て間違いないだろう。」


ジニア

「そんな簡単に部下に

見切りなんぞつけれるかい!!!

裏切ったんかどうかも分からへんやないか!!」


ツバキ

「貴公との問答はこれまで。

永劫エイゴウ立ち尽くしてるがいい。」


アキレイ

「いい加減にしろラナン!!

お前おかしいぞ!!!!」


ラナンキュラス

「おかしくなんかない!!」


アキレイ

「一体何があったんだラナン!!」


ラナンキュラス

「僕は...僕は...」


アキレイ

「もう時間がない!!

恐らくラミオラスの援軍に取り囲まれる!!

ツバキ!!脱出する刃汽ジンキは残ってるか?」


ツバキ

「貴公らを連れて外には出れる。

だが一度きりだ。」


ジニア

「その刃汽ジンキも分けたんは

キキやろが!!!!!!」


アキレイ

「ラナンもツバキもジニアもやめろ!!

今ここで言い争って何の意味がある!!」


ラナンキュラス

「君はさっき僕が止めようとしたら

放っとけと言った!!」


アキレイ

「俺は争う気はない!!!!」


ツバキ

「私は探しに行く」


ジニア

「俺はーーーー」



その時だった。



アキレイ・ラナン・ツバキ・ジニア

「ッッ!?!?」



弱々しいが微かに刃汽ジンキを感じ取れた。



アキレイ

「嘘...だろ?」


ラナンキュラス

「何で...」


ジニア

「どう言う事...や」



ツバキ

刃汽ジンキ辿タドる!!」


全員

剋刃ゴクハ の三•走疾ハシリバヤテ!!』



信じられなかった。


高鳴る胸の鼓動は


恐れなのか期待なのか


はたまた違う何かか。


4人は風をマト


弱々しい刃汽ジンキ辿タドりながら


冥府大監獄ゲヘナプリズンを駆け抜けた。



刃汽ジンキが尽きかけようとも


4人は全速力で走り抜けた。





ラナンキュラス

「信じられない」


アキレイ

「近くに来て分かった。間違いないぞ。」


ジニア

「俺が探した時は

居てへんかったのに!!」


ツバキ

「隠れていたのだろう。

奴なら可能だ。」


ラナンキュラス

「さすがだね」


アキレイ

「...そうだな。」



ここは第零監獄スィフィルプリズン

煉獄レンゴク 冥府大監獄ゲヘナプリズンの中でも

世界的犯罪者が多く収監されている監獄。

その重い扉を開けると風が吹き抜けた。


ラナンキュラス

「ヴッ...なんて血生臭いんだ。」


アキレイ

「甘ったるいニオイと...血が混ざっている。」


ジニア

「何や?...来た時と構造がチゴとる」


ツバキ

「この先か。」



4人は更に奥へと駆け抜けていった。


そして、そこにいたのは






全員

「キスツス!!!!!!!」



▷▶︎▷▶︎第五章 ナーベルク士官学校 篇 START

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

千刃花〜帝国特務戦闘部隊〜 REN'sJackson @santateresa0329

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ