美しい女性(後編)
そこで私は、おじいさんの最期の力を振り絞ってでも描きたかった最愛の人の絵であったと知った。その時出るはずのない涙が出てるような、無いはずの心が痛んでるような不思議な気持ちになった。おじいさんは奥さんのことをとても愛していた、でも、それ以外は?私のことはどう思っていたのだろうか。最愛の人を描いた絵で、私と言う存在は必要なくて、その人と私は違う存在なのにそれを押し付けられたような、モヤモヤした気持ち。ただの絵である私自身が意思を持ったのは間違いだったのかもしれない。
そうやって考えてるうちにおじいさんの事を話していたお客さんは私を柔らかい布に包み家に持って帰ったの。そしてまた飾られたわ。そこにはおじいさんと、私にそっくりな人の自画像があったの。二人は仲良く話していて私を見た瞬間嬉しそうに笑ったわ。
350字 雪飴 @yukiame222
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。350字の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
短編エッセイ/雪飴
★0 エッセイ・ノンフィクション 連載中 1話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます