第2章 過去 (鮫島鳴葉 編)

『ギシッ…ギシッ…ギシッ…』


彼の軽快な腰の動きに合わせてリズム良くベッドが音を立て軋んでいる。


『ハァ…ハァ…鳴葉ちゃん、そろそろ』


『んっ…いいよ…きて…』


そう言うと、彼は舌を絡め合わせてくる。それと同時に腰の動きもだんだんと速くなっていく。挿れた時は少し痛かったが、今ではそれも快感へと変化していた。


静寂な部屋には、ワタシの甘い喘ぎと彼の少し荒い息遣いだけが響いている。


『うっ…いっく…』


『んっ…』


ワタシの膣内にある彼の勃起したペニスからは勢いよく精液が放たれる。それは、ゴム越しでもわかるくらい凄かった。

少し間を置いて、彼はペニスをワタシの膣内から抜き出した。ゴムの中には、白濁した彼の精液がたぷたぷに入っていた。


『ハァ…ハァ…せ、先輩…気持ちよかったですか?』


『とても気持ちよかったよ。鳴葉ちゃんは痛くなかった?』


『最初、挿入する時は痛かったですけど途中からは凄く気持ちよかったです!』


『ハハッ。なら良かった』


そんな他愛もない話の後、ワタシと先輩はもうもう一度身体を重ね合わせた。


鮫島鳴葉 15歳 本日、処女を卒業した。

相手は1つ上の高校生 ちなみに彼氏ではない。


先輩とは、たまたまSNSを介して知り合った。同じ趣味ということで、何度か話をしているうちに、お互い住んでいる所が近かったため先輩の方から『一度会って話さない?』ということになり、スタバで会うことにした。

実際に会ってみて、第一印象としてはとても優しく落ち着いた感じだった。

ジャ○ーズ系の顔でとてもタイプだった。

その日は、お互いのことや趣味の話などをして解散した。

そして週末の今日。先輩の自宅に招かれ、なんとなくそういう雰囲気になってしまい、結果ワタシは先輩に初めてをあげてしまった。

後悔はしていない。

むしろ、行為自体に興味はあったし何より先輩のことが好きになっていた。けど告白はしなかった。なぜなら振られたことを考えたら告白する勇気が起きなかったからだ…


◆◆◆

➖週明け➖


『みんなおっはよーーー!うわっ…今日も教室あついね〜 』


元気よく挨拶しながら教室に入ってきたのは


北見 涼華(きたみすずか)


黒髪セミロング。ぱっちりとした二重が特徴で誰に対しても分け隔てなく接するのでクラスみんなから好かれている。クラスでは元気なお姉さん的立場で見た目以上にしっかり者である。


ワタシとすーちゃん(涼華)は小学生からの付き合いである。たしか、歳の離れたお姉さんがいて今はメイクアップアーティストをしているとこの間すーちゃんが話していた。だからなのか、すーちゃん自身もメイクが上手い。


すーちゃんはワタシを見るやいなや席まで駆け寄り挨拶してきた。


『な〜る!おはよっ!今日もバッチりメイクきまってるねーー!』


ワタシは机に頬杖を突いて空を優雅に旋回しているトビをぼんやりと眺めていたので、すーちゃんの挨拶に気付かなかったが、すーちゃんはすかさず、ワタシの肩を軽く『パンッ』と叩いた。一瞬にしてワタシは我に返りすーちゃんに挨拶をした。


『あっ…すーちゃんおはよ…』


『どしたのなる?なんか元気ないね』


『別にいつもと変わらないよ…』


『嘘… なる、さっきからボーッとしてるもん。私たち小学生からの付き合いなんだよ。わからないわけないじゃん。悩みがあるなら相談にのるから言って?』


彼女の目は本気だ。親友であるワタシに真剣に問いかけている。


『はぁ…すーちゃんにはやっぱり敵わないわ』


ワタシは彼女の押しに負け、事の経緯を説明した。


『ほぉ〜ほぉ〜なるほどね〜。それで先輩を好きになり告白しようか悩んでると』


『まぁ、簡単に言えばそうかな…』


すーちゃんは言葉に一切迷いなく言う。


『そんなの簡単だよ!なるの想いをしっかりと伝える!それだけでしょ!』


ワタシはその言葉に驚いてしまった。正直、軽く受け流されたり、馬鹿にされたりするものだと思っていた。

ワタシその言葉に背中を押された気がして覚悟を決めた。


『ん…そうだよね!よしっ!ワタシ決めた!今日先輩に告白する。自分の想いをしっかり伝えるんだ!』


『うん!なるなら大丈夫!』


すーちゃんの屈託のない笑顔を見るとなんだか行ける気がした。


◆◆◆


➖その日の放課後➖


ワタシはLINEで先輩を近くの公園に呼び出した。


『鳴葉ちゃん。いきなり、会いたいですってどうしたの?』


ワタシは一旦、深呼吸をして心を落ち着かせ先輩に告白をした。

でもその想いは一瞬にして消し飛んだ…


先輩は頭をポリポリ掻きながら言う。


『実は俺さ〜清楚系のタイプの子が好みなんだわ。まぁ〜鳴葉ちゃん可愛いし、趣味とか合うけどさ、実際はタイプじゃないんだよね〜 だからごめん!』


先輩はその後、友達とご飯の約束があるとかで帰っていってしまった…


気付いたらワタシは自室で泣いていた。

思い上がっていた自分が情けない。


『タイプじゃないか…』


ワタシは1人そう呟いてある決意をする。


『絶対、先輩のタイプの女性になってやる!』

『変わった自分を見て振ったことを後悔させてやるんだ!』


部屋の窓を開け外に向かってそう叫んだら、通りすがりの中学生カップルに笑われた…

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童貞なオレと非処女なワタシ 豆腐もち @daisuke0421

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