風の少年

水川聖一

第1話

小麦色に焼けた肌の少年。




ミーンミーンミーン


ミーンミーンミーン




少女は、坂の上を見ている。




そこに金髪の少年、いや、真夏の日差しに照らされた、少年が、一人。。。




少年は、少年らしく、髪が、茶色かった。。。




あの髪も、大人になれば、黒く変わる、目も。




「何してる?」




少女「うわ!」




その少年が、草むらで寝ている私の上に、「バァッ」っと現れた。




少年の顔が、太陽の影で良く、見えなかった。




「なっ何って・・」




少年が、上を向いて、横顔になった。




少女「うわ!イケメン」しかも美少年だ。。。




「ふーん、そうなんだ」w。。。




少女「え?」




その草原に現れた、少年は、「フフッ」って笑うと、さっと、この場を去って行った。。。




「しかし、熱い夏だなぁ・・」。。。




広い平地に着いた.




地平線の彼方が、陽炎で歪んでいた。




少女「昨日の少年は、いったい?」。




少女は、その少年の事が、気になってしかたなかった。




町中を走って、少年を探しまわった。。。




無償に走る、私が、いた。。。




町の人に聞きまわった。。。




少女「あの、少年を知りませんか!」。




何言ってるんだろう?私・・・




少女「金髪の少年を知りませんか!」。




少女は、涙を流しながら走った・・懸命に走った・・・




少女は、もどかしさで、溢れでる涙を、こらえ切れずにいた。




「あっ!」・・・




天気雨が、降って来た




雨は、30分程続いき、平地に水たまりを作った。




水たまりに、太陽と青空が、映りだした。




水が、鏡の様になって、水鏡となっていた。




少女は、路地裏を懸命に走った「リーンリーンリーン」数多くの風鈴が、家と家の間の路地裏で鳴り響いた。。。




「フフフ」誰かの笑う声が、頭に響いた・・・




少女「え、誰?」。。。




そうこう、少女が、懸命に走っている間に、コンクリートで、できた建物が、見えた。




そこも陽炎でくすんで見えた・・




そこに少年は、いた。




少女「まっ待ってぇ・・・」。




少女は、息の切れた声で、声をだした。




少年「あっ!昨日の子だw」。。




少女「何で、あなた金髪で、陽炎なのよ!?」・・・




少年「え!?」。。。




少女は、自分でも、何を言っているか解らなかった。




少年「それはね・・・」。。。




少年が、少女に近寄って来た。




少年の顔が、アップになった。




少女は、思った「この人、美少年だ」.




少女は、退いた。




「フフフw」




少年は、風が「ビュッ」吹くと同時に、廊下を走り去って行った。。。




次の日が、来た。。。




真夏の熱い日に.




木漏れ日の日差しの中で、少年と少女は、出会った。。。




ねむるまくも無く、時間は、過ぎ去って行く。




夏の間、少女は、その少年を探しては、黙って二人で居たりした。




木漏れ日の下や、団地の屋上、建物の廊下や、校庭。。。




夏も、過ぎ去り。。。




少年は、音も無く、消え去って行った。・・






少女は、声を押し殺して泣く・・・




「好きだって事が、言えなかった…」。。。




それから、何年経っただろうか?。。




70年?80年?。。。




遠い昔の様な、昨日の出来事の様な・・




その少女は、お婆ちゃんになって居た。




少女は、久しぶりに故郷に帰って来ていた。




少女が、帰郷した、この日も、あの日あの時の夏と同じ熱さだった。




風が「ビュッ」と吹いた。。。




少女「まさかね…」。。。




「リーンリーンリーン」。。。




少女「そうそう、あの時もw」..




夏の日差しが、そのお婆ちゃんを指して居た。










































彼は、私を許して呉れるだろうか?




団地の横、木々の木漏れ日の下で・・






彼は、振り返り、私を見て爽やかな笑顔で私にこう言った。




「好きだよ!w」




私は、私は、今、涙が止まらない・・


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風の少年 水川聖一 @kfir

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