アスペなわたし

第1話

７時半にセットしたスマホのアラームが鳴る前に目をさます。音が怖いから自然と目が覚めてしまう。聴覚過敏である。毎朝食べるものは決めている。決めているというより気に入れば同じものばかり食べてしまう偏食家特有の症状かもしれない。バナナ一本とゆでたまごである。数ヶ月前までは、コンビニで一袋に４つも入っているマーガリン入りバターロールパン(108円)を２つとゆでたまごだった。しかし、知り合いのジイ友で占い師である谷村からバナナがいいと言われて、変えたところである。嗅覚過敏でバナナのにおいが苦手で自らススんで食べることは、今まで無かった。手ににおいが付くことを極端に嫌がるタチである。みかんなんてむいたら、手を何度も何度も洗い、石鹸、ハンドソープ、さらにボディソープ、とどめに洗剤まで総動員し、必死ににおいを消そうとする。そんなエネルギー使うくらいなら、食べない方がましだと、ここ１０年バナナとみかんを嫌いな食べ物にしていたくらいだ。

というわけで、１０年ぶりに食べたバナナは、腹持ちが良かったし、コスパも良い、おまけにカラダにも良い。ということで、マーガリン入りのバターロールなんておかしな名前のパンなんか、もう買う気になるわけもなく、バナナに鞍替えした次第である。だいたいマーガリンは買ってはいけないシリーズの本に、トランス脂肪酸がどうのこうので体に悪いから買ってはいけないと書いてあったなぁとしみじみしたもんだ。

まぁ、谷村が占い師というのもあり、妙に谷村の言うことを信用してしまうフチがある。