やさしくて悲しい寓話が、世相を刺す

森に棲む少女と傷ついた青年の、出会いと別れを描いた短編作品。
淡々と語られるだけに、内包する悲劇がこころに染みる。

「違う」ことが罪なのか?
無垢なることが悪いのか?
棲み分けていてすら、正義を声高に叫び、糾弾し、追い詰め、抹殺する、善意の執行者が恐ろしい。

この作品に、コロナ拡大初期の狂騒を想う。