ポエムにすらならないつぶやき
春眼 兎吉(はるまなこ ピョンきち)
ガの幼虫を救った話
赤信号で待つ
夜勤明け、横断歩道の前、毛も無く黒々としたイモムシが
対岸を目指していた。
朝のラッシュで車がひっきりなしに往来しヤツにはとても危険だろう。
横断始めたのが幸いしヤツは2、3度、車の通行を回避し、信号は青になった。
俺は自転車を
車に乗ってた連中は、異常者つまり気持ちの悪い者を見るような
ヤツはガの幼虫だ。チョウにはならない。
人によっては『害虫だ』『気持ち悪い』といって、見て見ぬフリをするだろう。
いや、【害虫退治】と大義名分をかかげ、嬉々として踏みつぶすかも知れない。
俺はヤツを対岸にある広葉樹までエスコートしてやった。
だが、別にヤツを案じる気はさらさらない。
この後ヤツがどうなろうと俺としては
俺が手を貸さなければヤツはたどり着くことなく死んでいたのかもしれない。
あるいは、危機を乗り切り、たどり着いていたのかもしれない。
『目の前の』『何かに』『気まぐれに』
ただただその
別にこの行動が
おかしな
害虫だから殺す、もしくは助けない。
(
見た目とか気持ちが悪いから殺す、もしくは助けない。
(
これこそ、チョウの幼虫は保護してガの幼虫は殺す→理由:【美しくない】から
ほんとーに、人間ってのは、自分勝手なエゴの塊たる
そしてことさらに『命はひとつ』とか『命は
ほんと、吐き気が……ヘドが出る。
俺はそこは気にしない。
『命を差別はしない』
だからヤツを助けたのかもしれん。
だが、『気まぐれなんだ』
今回は、夜勤明けの帰り道
激務で毒気が抜けきっていて、お
出勤時、時間に追われて余裕のないテンパった頭では、絶対にこんな思考にはならなかったと保証できる。
そんな思考状態で『目の前に』ヤツがいた。
ただそれだけなんだ。
俺は犬を飼っている。というか、両親が飼っている犬の遊び相手や散歩をすることで大いに楽しませてもらっている。いわゆるサブスクってやつだ。責任が
本当に人間は
俺の知らないところでたくさんのペットの命が
それらを全て、全ての命を救うことなんか無理千万、なわけで。
俺は目の届く範囲しか知らない、それでいい。
だが、目に届いてしまったからこそ
目に見えてしまったからこそ
目の前にヤツがいたからこそ
俺はヤツを救うことにした
ただ、【気まぐれ】に任せて
ああ、本当に人間とはかくもどうしようもなくて
残酷で醜悪な思考の持ち主だとことごとく思うよ。
もしくは、俺が!?か??
ポエムにすらならないつぶやき 春眼 兎吉(はるまなこ ピョンきち) @harumanako-pyonkichi
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