一人と一台の不思議楽しい珍道中

喋るデミオ——音声案内カーナビ搭載ってことかな?
なんて暢気なことを考えていたら、初っ端から度肝を抜かれました(笑)

いや、普通に運転手(兄さん)と意思疎通を図っている!
しかも気遣いのできる子、デミオ!
凄いな、最近のデミオ!——って思ったら、中古 !?
待って、詳細プリーズ!

兄さんとのファーストコンタクトがすっごく気になります。

が、そんな疑問も、なぜかすんなりと読み下せてしまうストーリー展開がとても鮮やかで、お見事の一言です。
何て程よい距離感と心地の良さを感じさせる相棒感でしょう。
読んでいると、段々このデミオを運転する兄さんが羨ましくなってきます。

そして、いつの間にか一緒にほのぼのドライブを楽しんでいる気分になってくる旅行譚でもあります。
こんなご時世だからこそ、まさに需要があるってもんです。
読書旅行、最高。

各エピソードタイトルや本文にさらっと挟み込まれる俳句や短歌が、また粋なんです。ぜひ読んでほしい。