あとがき

ここまでご覧いただきありがとうございました。

ここからはこの小説がどのような経緯で生まれたか、

また補足が必要と感じる部分について書かせていただきます。


【どのように書かれたか】

三時間という制限時間内に書かれました。

執筆風景はこちら↓

https://youtu.be/20UZQshCikQ


【用語等について】


・アトランティス病


言うまでもなく、新型コロナウイルス(COVID-19)。

ただし、このお話の主役ではないです。

病気の説明がやけにあっさりしているのも、この病気が「脇役」だからです。

病名を直接書くのを避けたのは、現実の差別の問題に思う所があるからです。

病気の発祥地がどこかでも、現実では揉めています。

しかしアトランティスが起源だとすれば、誰も文句は言わないでしょう。


・第一話、第三話の地の文の人


国際連盟の「ジパング」代表の人を想定しています。

ぶっちゃけ、先進国の代表なら誰でもいいです。

科学と国際秩序を重視する人で、アステカの魔術的な解決策を信用していません。


・アステカ代表ククルカン


この小説の唯一のファンタジー要素であり、

そのために「世界」が覆された存在。

彼女の存在は、このフィクションの世界を大きく変えてしまいました。

全知全能の存在としてアステカに彼女は返り咲きました。

それゆえ現実ならメキシコの地は、

征服されることなく「アステカ」を名乗り続けています。

科学と理性を信奉する国際連盟に対して、これまた非常に極端な立場を取る神。

すべてを奇跡で解決することをいとわない姿勢は、

仮に善行だとしても本編の通り鼻持ちならない存在でしょう。


なぜアステカにマヤの神であるククルカンがいるのかは、おいおい語れたらと考えています。


・ブリタニア


イギリスのラテン語読みです。アメリカ合衆国代表をイメージして書いています。

ただ合衆国は古名がないので、イギリスに頑張ってもらいました。

理性尊重の派閥としてはディストピア小説などでも英国の名はあがるので、

案外適切な配役だったと見ています。


・クタイ


現実のインドネシアです。ブリタニアと同じく古名で呼んでいます。

できればシュリーヴィジャヤ王国がサッと出てくればよかったのですが、

先述の時間内に間に合わずこちらの国名で。

しかし要するにインドネシアです。


・ノヴゴロド


現実のロシアです。ソビエトの時代の鉄のカーテンと呼ばれた情報統制は、この世界でも起きました。


・アステカ議会と第二話の地の文の人


そのまんまククルカンの神官とでも言うべき人たちで、

ククルカンの「わがまま」を最大限尊重する人たちです。

ククルカン単体ならそこまで無茶はしませんが、

「外部の有識者」である彼らはククルカンを全肯定するので、

本編の通りアステカはブルドーザーのように動きます。

とはいえ、彼らも本当に危険ならブレーキを踏むでしょう。


・法と秩序のために人があるのではないのです。人のために法と秩序があるのです


締めの言葉。これは聖書由来。

「安息日は人のためにあるもので、人が安息日のためにあるのではない(マルコによる福音書:2章27節)」

ククルカンはクリスチャンではないのでほぼ無意識ですが、

著者である私は意識して言わせています。


とはいえ、教訓を伝えたいというお話ではありません。

ちょっとかっこつけたいのなら、聖書から引用するのも悪くないのではないですか?

「悪魔も手前勝手な目的のために聖書を引用する(The devil can cite Scripture for his purpose.)」という格言の通りです。


以上です。ご覧いただきありがとうございました。

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夢の、夢による、夢のような解決策 Unferth(ウンフェルス) @Unferth

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