異世界には

白猫に運ばれて自分の家でもあるシルアの元に帰ってきた。

シルアはぐったりしている俺を見てそのでかい体にマッチしたでかい舌でペロリと俺を舐め上げる。


それだけでさっきまでの痛みは嘘のように引いていった。

癒しの力。シルアの能力の一つらしい。


らしいというのは俺はこの能力しかみたことないから。猫たちが他にも色々持っていると教えてはくれたけど見たことないからにわかに信じがたし。


「そんな貧弱な体でお前は大人になれるのか?」


心底呆れた目で見てくるシルアに思わず舌打ちをこぼした。


ここで反論してもいいことなどないのだ。今までの経験が物語っている。


「ありがとう」


とりあえず礼を言って立ち上がった俺。

黒と白も安心したのかブツブツと俺の悪口を言っていた。


前世の記憶を思い出して思った事は多々あるが何より衝撃だったのが俺以外人間がいないということだ。


前世でいうとこの妖怪なのかモンスターなのか、はたまた神獣なのか、とりあえず人外しか見たことが無いのだ。


転生したらチートハーレムというのは夢のまた夢なのかもしれない。

なにしろ人がいない。

それにチート能力なんてものを持ってる気がまったくしないのだ。

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チート能力のせいで命狙われています 桜木龍斗 @mizonoki

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