正統派の元勇者、500年後の生活を楽しむ。

久しぶりに主人公が勇者として成立している作品を読みました。心身共に余裕があり安定していて、他人から敬われへつらわれる事を欲さず、実力や人柄や生き方を推察して尊重する人格者。勿論そうなるまで様々な過程があったのでしょうし、しかし完璧な人間でもないのでしょうが、主人公には自分を磨いて生き抜いた貫禄と安定感があります。他人への感謝は当たり前のものとして根付き、配慮に長け、交流を楽しんでいるのがよくわかって、読んでいてふと微笑んでしまう。ご飯屋さんと宿屋さんのエピソードが好きです。
合間合間にチラ見えする500年前との違いもひけらかすのではなく必要最低限にさらりと語られるので読みやすくて、これから先の展開が楽しみです。伏線もたくさんで想像するのが楽しい。良い作品に出会えました。

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