福島県の原発問題
これはですね、個人としての考えを書くこと自体は、そう難しいことではないと思います。
ただ、この問題は、目的こそ分かりやすいですが、県民の意見そのものが一貫しているわけではないので、それこそ賛成意見・反対意見は、それぞれあって当然だと思います。
以下はそれを充分に理解した上での、あくまで『いち個人としての意見』となりますので、苦情や誹謗中傷その他は、ご遠慮下さいますようお願い申し上げます。
ここで事前にお断りしている以上、読み終えた後のクレームは一切受け付けませんので、ブラウザバックされる方は、この時点でお願い致します。
…よろしいですか?
では。
…さて、まず、当の福島原発のことですが。
原発事故が起きた後に調べましたら、原発の寿命は30年ほどらしいです。で、それに近辺で当時、該当していたのが、福島県の福島原発と、宮城県の女川原発。
この福島原発にしても、作る当初は、そりゃ住民の反対意見があったそうですよ。それでごり押しして作って、本来なら30年経てば廃炉の目処を立てなければならないのに、劣化したまま放置していた。
そこにきてあの大震災です。地震の規模は確かに大きかったですが、本来なら廃炉しなければならなかったものを、それなりのメンテナンスらしきものもせず、放置していた結果があれです。
つまり人が造ったものとか、そういう事実以前に、あれ自体がもはや完全な人災だったわけです。
そしてその後、放射線を恐れ、車のガソリンに余裕があった人たちが、余震が続いているにも関わらず、一斉に福島から逃げ出しました。
政府の発表がまた遅く、本来ならとっくに漏れていた事実を公表しなかったおかげで、福島県民は、一番放射能が漏れている時に、生活確保の奔走にもあたらなければなりませんでした。
近くの高速道路入り口は列をなし、自販機の水という水は軒並み売り切れ、ガソリン確保に数時間単位という異常事態。
それだけでも充分すぎるほど非日常であるのに、さらに心ない人たちが、福島県に平然とゴミを投げ捨てていくのです。
酷い人などは『原発県』などと揶揄し、原発の被害で避難してきた人たちなどは、『避難民』などとも呼ばれていました。
ちなみに地元に元々いた人たちは、そのまま『地元民』と、少なくとも私の周囲では呼ばれていたのですが、この避難民と地元民、同じ福島県民でありながら、衝突するのに時間は掛かりませんでした。
これはあくまで私の周囲での話になりますが、まずは、真っ先にケンカの槍玉に上がったのは、スーパーでの食品確保です。
そもそも地域スーパーというのは、その地で利用するであろう人+αくらいの規模ですから、いくら非常事態とはいえ、それほど多くの人を受け入れるだけの規模自体が、元々ありません。
しかし、言い方に難はありますが、その規模を遥かに上回る数がなだれ込んでくる形になったために、地元民が買いたいものを買えなくなったどころか、仮設住宅に住んでいる避難民が、ワゴン車で買い物に訪れ、同じく仮設に住んでいる人の分も、ほぼ毎晩、大量に買いだめしていったおかげで、最初は同情し、我慢していた地元民が、とうとう爆発。
レジのあちこちでケンカ騒ぎとなっておりました。
次いで地元民を怒らせたのは、病院です。
この頃、避難者や、家が全壊した人などは、医療費や税金が免除されていたのですが、信じられないことには、それを逆手にとり、これ幸いと、健康診断のように、この際だから全部診て貰おうと考える人がおりまして。
病院は、軒並み1時間~数時間待ちが当たり前。
そして本当に具合の悪い人が後回しになっていたのです。
…正直いって、このゴタゴタで入院するのが遅れた、私の友人のお父さんは亡くなっています。
病院とは本当に具合が悪い人が行くもの。
それなのにその人は言うに事欠いて、『どうせタダだから、この際、全部診て貰おうと思って』と、言い放ちました。
…殴るのを我慢した自分を誉めてやりたくなりましたよ。
勿論、全員が全員そうではありませんが、こんな考えを持ち、人前で無神経に、こんなことを言える神経が分からない。
同じ福島県民としては、恥だとしか思えませんね。
少なくとも、まともな感覚を持っている人が言うことじゃありません。
そしてとどめに福島県民・地元民が激怒した案件。
『原発避難者への東電の、ひと月、家族ひとりにつき10万円の支給』です。
…あまり言いたくないですが、これを仕方ないと思える方は、他の都道府県の方だと思います。
…何故なら。
この時点での福島県での最低時給を知っていますか?
嘘みたいに安いですが、700円行ってないんですよ。
600円台後半ではありましたけど。
ですから、男性はともかく女性、それも税金を引かれた手取りとなると、下手をしなくても長時間働けない女性などは、余裕で10万円を下回るのです。
それが、いくら原発避難者とはいえ、家族ひとりにつきなどとやられたら、当然ながら、真面目に働いている人の方が、場合によっては収入が少ないんですよ。
原発避難者は、人数が多い世帯であれば、1ヶ月に40~50万円。そこにきて税金免除。
地元民は働いて、ひと月に10万円いかなくとも、税金はしっかり持っていかれる…
これで怒らない人はいませんよ。
言いたくないですが、これでは真面目に働く方がバカを見るし、実際、これだけ収入があったために、数年で車を買ったり、家を建てたりした避難民が続出したんですよね。
本当に、これで反感を買わないはずがない。こちらの最低賃金からして、家なんてまともに働いたって一生建てられないかも知れないのに、と、苛立っていた年輩の職場仲間の発言に、地元民揃いの私たちは頷くばかりで、反論など、誰ひとりとしてしませんでしたからね…
しかもまたやり方が巧妙なことには、そうやって他県他市で家を建てた福島県民は、本籍は福島県のままにしておいたんです。
何故なら、それを引っ越し先に変えてしまうと、原発避難者の扱いではなくなり(ただの引っ越し者扱い)、東電からの10万円の支給が受けられなくなるから。
こういう面も相まって、申し訳ない話なんですけど、当初は本当に心配したり同情したりしていた福島県民が、次第に避難民に手のひらを返し始めたんですよね。
おかげで避難者は、『避難民』と指を指されるのが嫌で、人前ではそれを口には出さなくなったとか。
…まあ、以上のことがあれば、良識があれば確かにそんなこと、言いにくいし言えませんよね。
で、このことを他の都道府県の方に話すと、そういった事実は知らなかったらしく、やはり反応はよろしいものではありません。
何よりも福島県の最低賃金の安さに、みんな驚かされるみたいですね。
確かあの前後だと685円でしたよ、福島の最低賃金は。あくまでも『最低』賃金ですから、大抵、時給はもう少し上でしょうけど、これで時数や月換算をしてみると、いかに真面目に働く方が馬鹿を見るのかが分かります。
東電はその辺りを全然考慮していなかった。
それもまた地元民の怒りに拍車をかけた原因のひとつです。
…次あたりは続きを書こうか、違うテーマで書くか考え中です。
しばらくお待ち下さいませ。
徒然なるままに、日暮しエッセイ…のようなもの 如月統哉 @Christmas168
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