第一章 これくらいは変態じゃない……よね?⑦
(
右耳を
これは
平常時で一分間に約七十回。筋肉が収縮を
およそ八十ccの血液が、その臓器から送り出される。
私はアネモネになりたいけれど、私たち
生命のスープの中で、私の意識だけが
ずっとお姉ちゃんに
私は頭の悪い二人に勝手に
初めて
理知的な少年にお姉ちゃんは
私に言わせてもらえば、それは自分の父親に似たタイプを見付けたから、気になっただけでしかない。
そんなお姉ちゃんと
この男の子は、お姉ちゃんが
気持ちで
その使命を果たす
そうやって
しばらく
──なるほど。こういうことか、と。
姿かたちはそこそこ似ていた私たちだけど、性格は似ていなかった。初潮を
でも、私は知っている。そんなことしなくても、小さな
私たちは別の人間だ。差異を探すなんて
それなのに、同じような
あとから気付いた私に、お姉ちゃんを
本を置き、私は
不意に私の頭に手が置かれた。
これはどういうことだ? いつからそんな芸当が出来るようになったのだ?
このっ。犬の頭を
──くそぅ。にやけそうになるでしょ。てか、にやける。ズルいよ。
「それは追加料金取られない? サービスの内という
「ああ、ごめん。なんか気付いたら
「それ、お姉ちゃんと
顔を
私は今、君の
「でも、そうじゃないなら、そのまま続けて」
これで手を
「さっき読んでた本って
こういうのって、なんだかカップルみたいだ。やだ。照れる。けど、悪くない。
「めちゃくちゃ
「そんなに言うなら読んでみたい。しかし、よくジャンルが
「それでいいんじゃない?
「あーそう言われると、そうかも知れん」
「私は
「密度が
「それって、一九七六年の
「そうなの? 知らんかった」
「そもそも原作だと、足だけじゃなくて、
「そう言えばそうだったな。で、
「……ごめん、実は
「なんだよそれ。……ただでさえ
え?
それって──私は思わず
「
ぷいっと顔を
読んだ数だけだと思ってた。私の読んだ本を、あとからこっそり読んでいたんだ。私に対してそんなに興味を持ってくれていたんだ。そんなの全然気付かなかった。
私は脈動を感じる。
「……まぁ」
何だよ何だよ。
「何その
「……ああそうだよ。僕は
「貸してって言えばいいのに」
「……だってそれはなんか負けた気がして」
こっちを向いてよ。その顔を見せて。
弱々しくて
こんな時、
こっちを向かせようと
けちっ。
でもいい。
私はちゃんと意識されていたんだ。私たちの会話はまだ続いていたんだ。
「ねぇ、キスしよっか」
「は?」
うるさい。
恋は双子で割り切れない 高村資本/電撃文庫・電撃の新文芸 @dengekibunko
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。恋は双子で割り切れないの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます