第7話 コード:レッド

※一部不快な文章がありますがこれはフィクションであり

実際の団体や企業などに一切の関連性はありません


商ホクホク大学附属病院にワイはいた

先日、不慮の事故(※冷やし中華はじめましたご参照)

により救急で運ばれた我が店が誇る

ご長寿ホールスタッフリーダー横山ウメさん(93)

のご容態が急変したからである


事故扱いとなっているが原因がワイなのは皆の秘密である

ICUには付き添いで旦那様の横山太一郎さん(御年121歳)がいた

歳の差夫婦である(突っ込むところはそこではない

気管挿管されチューブを口に突っ込まれてるウメさん

そんな悲劇的な様相のウメさんを見てワイは

店主「なんで…何でこんなことにっ…!」(おまゆう)

と口をこぼした


太一郎「脳死…だそうじゃよ」

と太一郎さんが言う

店主「そう…ですか……残念であります」

すると太一郎さんは一枚の紙を見せてくれた

太一郎「これはDNRオーダーと言うそうじゃ…」

DNRオーダー…脳死判定を受諾し挿管を辞める親族の同意書か


太一郎「まだ信じられんよ」

太一郎さんは悲しそうな目でウメさんを見つめる

店主「そうでしょうね…だってウメさんの心臓はまだ動いてる」

とワイは言葉を返す

太一郎「同意書にサインなんて…」

と太一郎さんが言う

そこへ救命の医師が来た


医師「残念ですが回復の見込みはありません」

はっきりとそういう

太一郎「しかし心臓は動いてるじゃないか!」

当たり前だが太一郎さんは現実を受け止められない

医師「ですから先ほどお話しした通り…」

と医師が言うがそれを制しワイは思わず声を上げた


店主「DNRオーダーは!ウメさんを死なせるって書類なんです!!」

店主「そんな書類にサインをさせろって言うんですか?」

店主「家族を死なせることに同意する書類に!?」

店主「私は平気でそんなものにサインをさせる医師は」

店主「…狂ってると思います」

と医師に喰いつく


医師「いや、しかし脳死は確定しており…てゆーかあんた誰?」

店主「あ…いや店主です」

医師「…ICUはご親族以外立ち入り禁止です」

と言われ放り出された


そして

太一郎さんはDNRオーダーにサインをし

ウメさんの気管挿管停止を承諾した

ウメさんはチューブを外され帰らぬ人となってしまったのであった


太一郎さんと共に病棟のロビーに腰を下ろす

太一郎「さっきはありがとうね、妻の事を想ってくれて言ってくれたんだねぇ」

と感謝の言葉を掛けられた

店主「さっきの発言は間違いだったかもしれません」

そういうと太一郎さんは

太一郎「店主の言ったことは間違いじゃない」

太一郎「ここで悲しんでもウメは帰ってこない」

続けて太一郎さんは


太一郎「逃げるな、店主!」

と、どこかで聞いたような名セリフを吐いた

…胸に響いた

店主「ワイは逃げない医者になる!」

………

太一郎「いやあんたはただの飲食店経営者だから」

と突っ込まれる


店主「ですよねーw」

太一郎「パーッと飲みにでも行くかの!」

と和やかなムードになったので

店主「五反田にいい店がありましてね」

とお気に入りの店へ連れていくことにした


【キャバレークラブ:ハッスルボンバー】

五反田屈指のキャバクラの名店である

太一郎「あやちゃんペロペロ―!」

大量のアルコールを口にした太一郎さんは

意味不明な言葉を口にしペロンとキャバ嬢のスカートをめくる

あやちゃん「もうー!それはダメですよー」

とキャバ嬢は言う

太一郎「ええやないかええやないか」

とスケベ顔全開のじじいはそう言い放った

………


朝の6時である

ベロンベロンに酔っぱらった二人とキャバ嬢がいた

太一郎「んじゃわしは帰るでな、あとは若いもん同士で楽しんでなーホッホ」

と競歩選手もびっくりの早歩きでルンルンと駅へと向かって行った

あやちゃん「すごい元気なじじいでしたね」

店主「…まあ色々とあったからさ」

あやちゃん「店主の家ってこの辺?」

店主「まあ近いっちゃ近いかな?」


あやちゃん「今日は帰りたくない気分だなー」

とキャバ嬢が言う

店主「…ウチ来る?」

あやちゃん「…うん……イク」

妙な雰囲気になりタクシーへと乗り込む二人


やがて我が家のマンションに着いた

くんずほぐれつでエスカレーターに乗り込む二人

ワイの顔はキャバ嬢のルージュで薄汚れていた

ワイの部屋のある17階に着く

エレベーターのドアが開き激しく抱き合いながら部屋へと向かう


と…

そこには20歳にもならないであろう元読モが座り込んで泣いていた

店主「あ…」

かなたん「ムー…」

………

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

居酒屋『Unk-nown-』 ロマンス加藤 @romannsukatou

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ